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深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

An egg of Columbus ~Rodenstock EL-Omegar50mmf3.5~

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さて、今宵の更新ですが、予告通り、工房にずっと眠り続けてきた、ドイツはRODENSTOCK社製EL-OMEGAR50mmf3.5の試写結果をお送り致します。
このレンズ、今から10年以上前に電子湾で、次々と引伸しレンズを落札、輸入していた時、プラ製鏡胴の軽くて造りがチープな玉に1万円弱も払ってしまい、バックフォーカスが少し短めでライカマウントでは改造が面倒で、そもそもプラレンズなんか手間暇かけて改造する気も起きなかったので、ずっと防湿庫の隅っこに捨て置かれ、そのうち取引先のウオータージェットでレンズのカッタウェイでも作る時の実験台にでもしてやろう、とかよからぬことを考えたことすら忘れさられた存在だったのが、ふとEマウント金物が安く輸入出来、また、BORGヘリコイドのコピー製品も安く買えたので、ものは試しに、と結合させて、試写してみたら、その見た目のチープさ、軽さに反し、フルサイズ機の画面の隅々まできちんと結像し、無限でも解像力出ていてびっくりしたので、ここにアップしようと思い立ったものです。
レンズ構成は3群3枚のトリプレットで、RODENSTOCK社のラインアップではROGONARの前の製品らしいので、おそらく80年代の製品と思われます。
ではさっそく、試写結果を逐次眺めて参りましょう。カメラはSONYα7RII、全コマ開放による絞り優先AE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、当日の試写も遅めのランチを兼ねての外出だったので、そのお食事処の周辺からのスタートになりますが、神田は千代田小通りの神田駅の方が少し近いくらいの場所にある「五ノ神水産」さんにて至高のオマール海老スープのまぜそばを戴き、しかるのち、比較的撮影スポットが散在している神保町方面でまず目に付いた、某食堂店頭のお猿さんのオブジェを撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、これも神保町は靖国通り沿いのスポーツ用品店店頭に飾られた、のっぺらぼうならぬ、今どきの若い小姐を模したマヌカンの像ですが、妙にサラサラとした変わった色合いのかつらがなかなかおしゃれだったのと、背景に文字の書かれた看板、そして点光源があったので即採用し、最短付近で撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、ここ神保町はかつて「写真工業社」が位置していたことからも判る通り、表通りよりもむしろ、靖国通りに繋がった裏通りの方が、種々雑多な景色があって、試写にはもってこいなので、定点観測である、コロッセウム風の建造物へ移動する途上の昭和の匂い濃厚なホルモン焼屋さんの店頭を撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、側道を神保町交差点方面、即ち西に向かって歩き出したらすぐに、絶滅危惧種から不死鳥の如く復活を遂げたアナログレコードをメインに扱う中古レコード屋さんの店頭の路上に、風雪に晒され、ちょっとバンクシーの風刺画っぽいテイストを纏ったいたいけな極小姐の看板があったので、至近距離で一枚撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、数分も歩いたら、神保町界隈での撮影ではすっかり定点観測スポットと化した、飲ん兵衛のローマ人?の木製の看板をバックに明治大学だったかのコロッセオ風の建物が聳え立つ路地に辿り着き、おっさんのハゲ頭にピンを合わせて木製看板をメインに路地の様子を撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、飲ん兵衛ローマ人の看板の在る路地から、再び神保町交差点方面に歩き出してすぐに、或るテイクアウト専門の飲食店の店頭にさりげなく置かれ幾星霜、ところどころペンキも剥がれ、木材が剥き出しになってはいるものの、コカコーラのコーポレートIDである鮮やかな赤地に白の文字は依然とくっきり残っていて、また光線の射し込み方が面白かったので、足をとめ、一枚撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、靖国通りの北の側道を歩きながら、ふと目に留まった陶製のネコがツタの間から姿を覗かせるオブジェですが、実は既視感有りで、これもつい視界に入って、足を留めて撮ることとしたのですが、そう、今戸神社にも本殿前にそっくりの風景有ったのを先週土曜日に発見し、びっくりしたもの。

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八枚目のカットですが、神保町交差点を北上する白山通りの車の往来の音が聞こえてくるくらいのエリアでランチタイム終了で準備中の中華料理屋さんの店頭の人の頭近くの高さに誇らしげに飾られた、使い込まれた鉄製の中華鍋とおたまのセットが何となく重厚な質感を発散していたので、足を留めて下から一枚撮ってみたもの。

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九枚目のカットですが、腹ごなしついでの神保町での撮影は上がり、次いで、半蔵門線沿いでスカイツリーが近くに見えるところに行きたいキブンだったので、まずは沿線の撮影スポットである清澄白河駅で降り、ここも複数の定点観測スポットがある、清澄通り西側に広がるモダン長屋の前で通行人が通りがかるのを待って一枚撮ってみたもの。

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十枚目のカットですが、ここも清澄白河のモダン長屋界隈での定点観測スポットのひとつである美容室の前にさりげなく置かれた、どことなくトロピカルな雰囲気の色使いのグラデーション塗装の自転車と、なんとその背後のガラスに白ペンキで手書きされた月の休業日一覧を一枚撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、ここも清澄白河のモダン長屋の定点観測スポットのひとつである、昼からやってるビアハウスの店頭で煌々と点された白熱電球型LED電球と「BEER」の看板を吊るした、妙な造形意識の滲み出た水道等配管用鉄パイプ製の支持具が面白く、当日も至近距離から一枚撮ってみたもの。

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十二枚目のカットですが、モダン長屋を南の端まで歩き通し、再び半蔵門線に乗るべく、元来た道を引き返そうとしたら、これまた定点観測スポットである白くペイントされた木製の壁と大きなガラス窓が目印の個人商店系ブティックの前で撮っていなかったことを思い出し、いたいけな小姐の乗る自転車が通り掛かったのを奇貨として一枚撮ってみたもの。

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十三枚目のカットですが、モダン長屋の北の端、清澄庭園の入り口へと続く塀沿いの東西を貫く道路の手前辺りに位置する店舗群の前辺りで、前方から、天気も良かったことから、長屋の前の通りを仲良くお手々つないで歩いてくるいたいけな若いカポーの姿を認めたので、程よい辺りで通行人エキストラ出演願ったもの。

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十四枚目のカットですが、清澄白河駅から半蔵門線に乗って、東京メトロ区間では終点となる押上駅で降りて、十間川の水面にスカイツリーの優美な全景が映る秘密ポイントまで徒歩で移動することとし、川の南側を歩いていたら、おそらくはスカイツリー観光の外国人目当てで開業したのでしょうか、妙にアーリーアメリカンテイストのダイナー&パブのお店があったので、店頭を掃いていた店主に断って、オブジェのアメ車を撮らせて貰ったもの。

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十五枚目のカットですが、まさに当日の撮影の締めくくりに相応しく、またこの一見チープな名門の鬼っ子のようなレンズの底力を思い知らされたカットになったのですが、十間川上に掛けられた或る橋の上から、陽も西に沈みかけ色づいた雲に囲まれ、水鏡と対になって優美ながらも力強い姿を見せてくれたスカイツリーを撮ってみたもの。

今回の感想ですが、いやはや、破壊する寸前だった防湿庫の澱のような扱いだった名門の鬼っ子が、点光源でも、後ボケでも至近距離での解像力でも、遠景の描写でも、同世代のレンズで、ましてやトリプレットでここまでの性能を発揮するものは見当たらないくらいの実力を見せてくれたことに驚きました。

さて、次回は旅に出ようと思いますので一週スキップ、その翌週は秘宝館から国産大口径の真打登場予定、乞うご期待!!
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  1. 2021/04/04(日) 22:02:45|
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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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