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深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Trace remains of modernization in the oldest city~Kyoto Photographic Tour ’21.June①~

さて、今宵の更新ですが、予告通り、6月最後の一時帰休を利用して訪問した京都穴場観光ツアーから二回にわたってお送りする、第一回目をお送り致します。
まずは簡単な行程の紹介ですが、6/10の木曜日、翌金曜日は奉公先が構造不況業種であるが故の特権、月に二回のお楽しみ、一時帰休となっていたので、これまた裁量労働制の特権を活かし、15時上がりのフレックスで、前週に新宿のチケットバッタ屋さんで買い求めておいた京都⇔東京ののぞみの指定席回数券を使って、18時過ぎに京都に入り、前回同様、駅前のアパホテルにチェッキンし、そのまま荷物を置いて、前回なかなかイイ印象を持った祇園新橋へ出掛けたものの、蔓延防止等措置法のおかげで殆ど真っ暗な街並みを歩き、それでも何カットか撮影し、ほどほどで戻り、駅前で旨い晩飯を戴いてから宿に戻って、人工温泉の大浴場で寛いでから熟睡、翌日は8時台前半起床で9時半過ぎに宿を出て、駅前で朝飯食べてからまずは八坂神社へお礼参り、次いで南禅寺へ用足しに向かい、それを終えてからいったん駅前に戻り、駅ビル食堂街でランチ取って、それからJR奈良線で、伏見稲荷、桃山と巡って撮るだけ撮ってから、また市内に戻り、日暮れ前までに祇園の石塀小路、二年坂、三年坂と巡って、最後は法観寺の下の通りを通って、バス通りに戻り、駅前に戻ってお仕舞い、というのが、今回アップの行程のあらまし。
では、前半二日間の行程に沿って、実写結果を逐次眺めて参りましょう。
1~5枚目がLeica M(TIPO240)+Nikkor5cmf1.4L39、6~15枚目がElmarit28mmf2.8による全コマ開放によるAE撮影となります。

Kyoto21Jun_001.jpg
まず一枚目のカットですが、宿に荷物を置いてまず向かったのが、京都の夜の原風景と云えば、有象無象の修学旅行生やら田舎からの社員旅行の酔っ払いが跳梁跋扈する寺町やら新京極などではなく、やはり石畳に木の塀が映える祇園界隈ですが、先斗町が自粛により火が消えたよう、というのは東京でも知っていたので、前回訪ねた祇園新橋/白川界隈がよかろうと思い、駅前から乗ったバスで最寄りの四条河原町で降りて、入り口のカフェが店は閉めているものの、店頭のデスプレィは煌々と照らしていたので、有難く一枚戴いてみたもの。

Kyoto21Jun_002.jpg
二枚目のカットですが、白川にかかった橋を渡りまずは白川筋を東に向かうこととし、細い川ながら轟々と流れるせせらぎを右手に見て歩いていきましたが、殆どのお店は灯りを消して営業自粛、前回来た時とは打って変わって、しんとして火の消えたような街並みを歩きながら、これも今しか撮れない貴重なシーンと思い直し、やはりこんな時期にやってきた変わり者の小姐観光客に通行人で入って貰って、一枚撮ってみたもの。

Kyoto21Jun_003.jpg
三枚目のカットですが、実は白川筋界隈では都内と異なり、魔界都市京都の面目躍如とばかり、ところどころしか街灯が点されておらず、しかも画になりそうなお茶屋さんの建物が入るところは幾つもないので、必然的に同じ位置から水平方向360°を撮影対象とせざるを得ず、くだんの小姐が会釈して通り過ぎていって、暫くしてから後ろ姿も街並みの借景として一枚戴いてみたもの。

Kyoto21Jun_004.jpg
四枚目のカットですが、ここ京都も当時、飲食業が8時閉店となっていて、確実にメシを戴くには7時半、お店を選びたいのであれば19時20分には食堂街に着いていなければならないので、正直、真っ暗な街にはあまり色気も感じず、かといって、人出が無いぶんはクルマの往来で、みたいな花見小路など行きたくもなかったので、再びバスで駅前に戻ろうと思いながら、白河筋の一本北の新橋通りを歩いていたら、ちょうどイイ雰囲気の街並みを自転車の小姐とヘッドライトを煌々と付けた乗用車がすれ違ったので、その瞬間を一枚撮ってみたもの。

Kyoto21Jun_005.jpg
五枚目のカットですが、新橋通りも鴨川沿いの目抜き通りである川端通りにぶつかる手前まで来た辺りで、粋な黒塀見越しの松に婀娜な姿の洗い髪♪などという昭和の有名歌謡曲に出て来そうな雰囲気のお店の玄関口がスポットライトで煌々と照らされていて、しかも嬉しいことにジモティでしょうか、いたいけな若いカポーが歩いてきたので、足を止め、ちょうど前にさしかかる辺りで一枚撮ってみたもの。

Kyoto21Jun_006.jpg
六枚目のカットですが、翌金曜日は早起きの甲斐あって、バスも空いていたし、天気もかなり良かったので、安い切符に安いホテル、これも前々回、お賽銭を25円しか上げられず、今度借りを返しますからまた来させて下さい、とお願いし、前回は利息も含め300円お賽銭上げた八坂神社のご利益と思い、それ以上にまだCOVID19とは無縁の生活を送れているのも疫病徐けの総本山である、ここ八坂神社の功徳と思い真っ先にお参りして帰り際に南門方面を振り向いたら、車夫の兄ちゃんが通り掛かったので、有難くご出演願ったもの。

Kyoto21Jun_007.jpg
七枚目のカットですが、無事参拝を終え、また元来たバス停まで徒歩で戻り、次なる目的地、南禅寺を目指したのですが、何も少し早い古都でのランチを観光地価格と歴史の重みとやらで法外に高い湯豆腐で摂ろうなどと思うはずもなく、今回の旅を衝動的に思い立った理由である、南禅寺境内のと或る産業近代化遺産を見て撮ってみたいとの思いでお寺に向かい、一心不乱に歩きながら、ふと魔がさして、夏の京の町屋的景色を見かけたので足を止めて簾のこの手前の青いカエデを撮ってみたもの。

Kyoto21Jun_008.jpg
八枚目のカットですが、バス停から歩くこと10分弱、まず出迎えてくれるのが、伝説やそれを元にした歌舞伎や大衆演劇の世界では、かの石川五右衛門が「絶景かな、絶景かな」と独りごちたという南禅寺境内随一のランドマーク、国指定重文の巨大な木造建築「三門」ですが、木立などもあちこちにあって、十分なクリアランスとれず、なかなか28mmの画角でも切れずに収めるのは難しいため、通り過ぎてから一枚撮ってみたもの。

Kyoto21Jun_009.jpg
九枚目のカットですが、やっと目の前に現れたのが、先日「世界ふしぎ発見」で紹介されていた、南禅寺「水路閣」という1885年着工、1890年竣工の、一見、古代ローマの水道橋を彷彿とさせながら、それでも全体的には和としての美意識を発散させている、古都京都の誇る産業近代化遺産のひとつで、実は京都には数十回来ていたのにテレビで見るまでは存在すらしなかった先人の偉業を是非ともこの目で見るべく訪問し、まずは和の趣向で一枚撮ってみたもの。

Kyoto21Jun_010.jpg
十枚目のカットですが、ここ「水路閣」は琵琶湖からの疎水ルート中、山を刳り貫いた水路の地上の一部分にしか過ぎないのですが、その最上流部に位置するという明治期の隧道水路もせめて出口部分だけでもひと目みたいと思い、水の流れてくる方向へと斜面を登りながら、先ほどのローマの水道橋風の表情とはまた変わった佇まいのアングルで一枚撮ってみたもの。

Kyoto21Jun_011.jpg
十一枚目のカットですが、「世界ふしぎ発見」では琵琶湖疎水に関する特集で、ここ「水路閣」と「蹴上インクライン」そしてその下を潜り斜めに横断する謎の隧道「ねじりまんぼう」が紹介されましたが、水路閣から徒歩10分ほどの次なる目的地、「蹴上インクライン」の線路というか元軌道の遊歩道に出たら、式の前撮りご一行様がいたので、遠慮なく借景で入って貰ったもの。

Kyoto21Jun_012.jpg
十二枚目のカットですが、南禅寺・蹴上地区での撮影も無事終わり、最寄りのバス停まで歩くのがちょっとしんどいというか、午後はもっと歩くことになるので、一日の歩数を2万歩以内に抑えたいとの思いもあって、「ねじりまんぼう」の前の地下鉄に乗って京都駅まで戻り、ランチ後、JR奈良線に乗って、伏見方面へと移動する途上、イイカットが撮れそうな予感がしたので、稲荷駅で途中下車し、参拝がてら千本鳥居を歩き、何枚か撮ったうちのベストショット。

Kyoto21Jun_013.jpg
十三枚目のカットですが、稲荷駅から各停で2つめの駅である桃山駅から、更に山奥の方向に向かって徒歩25分という、まともな観光客なら、中へも入れて貰えない廃墟同然の模擬天守閣など訪ねようとは思わないのですが、そこはそれ、いったん思い込んでしまうと、やり遂げないという何事にもこだわりの工房主ですから、今回の京都旅行の目的は、「水路閣」周辺の産業近代化遺構群とここ桃山伏見城をこの目でしかと見届けることだったので、梅雨前ということもあり、鼻歌気分で山道を登って、見るも無残な大手門を潜ると、それなりに手入れはされた庭園越しに見えた模擬天守閣の写真を嬉しくなって一枚撮ってみたもの。

Kyoto21Jun_014.jpg
十四枚目のカットですが、無事、桃山伏見城を見届け、いつか耐震補強工事を受け、また地域や京を訪れる国内外の老若男女の観光客に愛される日が来ることを願いながら再びJRの駅に戻ってそこから京都駅に戻り、日暮れまでに枚数稼ぎたかったこともあって、駅前のバスターミナルから祇園方面行きのバスに乗って、東大路通り沿い最寄りのバス停「東山安井」で下車し、そこから石塀工事を経て、二年坂に入った辺りで閑散とした通りに観光客の小姐二名組がやってきて、土産物店を物色していたので、有難くご出演願ったもの。

Kyoto21Jun_015.jpg
十五枚目のカットですが、実は今回の京都旅行は、個人的な産業近代化遺産巡りと城探訪の他に奉公先での大事なプレスリリース用のカットも自分で撮らなければならなかったので、清水寺の舞台が見える奥の院にも行かねばならなかったのですが、時間も時間の上、とうに2万歩も軽く超え、次の日も山道をかなり歩くハードワークになる予定だったので、法観寺を眺めながら引き揚げる途上で撮ったもの。

さて、次回は、実に40年ぶり、実は来たことがあったのかどうかすら記憶が定かではない、京都屈指の観光地、普段あまり使わない大柄なフランス玉達と巡った大原ツアーと翌日の清水寺訪問などをご紹介致します、乞うご期待。
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  1. 2021/07/11(日) 19:57:39|
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今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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