さて、今週は、予告通り,高知への旅三日間からハイライト二回めをお送り致します。
この日は、少々早起きし、はりまや橋そばの雑居ビル二階のちょいと小洒落た喫茶店にて、高知喫茶店文化の真髄である、モーニングを戴き、土佐電本社前バス停から、前の晩にホテルで仕入れておいた、市内観光バス一日乗車券で桂浜往きのバスに乗って、桂浜、そして今回のメインディッシュたる高知城探検と相なったもの。そして一晩明けた最終日は小雨でしたが、お城探検で発見し、気になったもののタイムアウトで入れなかった、お城下の高知城博物館の、天守閣が一望出来るカフェで豪勢なモーニングを戴いてから、搦め手経由、本丸に上り、銭湯の裏手から土蔵が天空に伸びたような、実に親しみ易い佇まいの天守閣に別れを告げてホテルに寄って荷物を受け取って、空港に向かったもの。

まず一枚目のカットですが、意外にこじんまりして、それほど撮る場所もなかった桂浜からバスで市内に戻り、京橋商店街アーケード内の土佐料理屋でランチを戴いてから向かった高知城では、初日にも午後訪れて、暗くなっていたこともあり、50mmf1.2で撮影した、同城郭では現存遺構でともに文化財である「大手門」と「天守閣」の共演を撮ったのですが、今回は是非試したかった超広角ズームにつき、登城前に足を止めて一枚撮ってみたもの。Wアダプター経由の撮影ですが、シャープネス、コントラスト、画質の均質性とも申し分ないと思いました。
カメラはSONYα7C、レンズはLeitz Vario-Elmar21-35mmf3.5-4asph.による絞り開放AE撮影となります。

二枚目のカットですが、これも前日撮りましたが、この時撮ったのは、設置場所が違い、大手門の表側に打たれた乳金物とその周囲の金物、木材の風雪に耐えた姿を撮りたいと思い、このズームレンズの35mm域での最短距離で高さと直径が微妙に異なる鉄に漆塗りの金物の並んだ様を撮ってみたもの。
カメラはSONYα7C、レンズはLeitz Vario-Elmar21-35mmf3.5-4asph.による絞り開放AE撮影となります。

三枚目のカットですが、これも高知城の見せ場のひとつ、石垣上に設けられた排水用の石造の樋で場内では複数個所に遺されているとのことですが、何せ本丸全体が城郭の中では天守閣、御殿セットでアプローチ路である石段通路を除いては断崖絶壁の高石垣の上ですから、まともに見学者が肉眼で確認出来る数少ない遺構として案内板も出ていたので、ノートルダム寺院のガーゴイルの東洋版とも云える設備を、やや雲の残る青空をバックに一枚撮ってみたもの。
カメラはSONYα7C、レンズはLeitz Vario-Elmar21-35mmf3.5-4asph.による絞り開放AE撮影となります。

四枚目のカットですが、大手門を潜り石段の通路を登っていくと、少年よ、大志を抱け!と鼓舞するクラーク博士像に良く似たポーズの板垣退助の銅像があり、その横を過ぎると三の丸下、正面の石段の上の踊り場のような位置に立派な黒塗りの門が見え、たぶん、城攻めの軍勢なら、勢いに任せて、その門が天守閣の聳える本の丸への障壁と思い、城兵と死闘を繰り広げ、やがては門を破ってみると、反対側はただの広場で時間の無駄ということを思い知らされたという造りになっているのですが、本の丸に行くまではそんなことは努々思わないので、前に立った時、立派な外観を一枚撮ってみたもの。
カメラはSONYα7C、レンズはLeitz Vario-Elmar21-35mmf3.5-4asph.による絞り開放AE撮影となります。

五枚目のカットですが、城山のてっぺんまで上れば、天守閣やそれに接続した本丸御殿の建てられている本の丸に足を踏み入れられるかと思いきや、てっぺんの二の丸と本の丸とは、深い切通で隔てられており、その上に詰門という国重文指定の渡櫓門が架けられており、その中を通らねば本の丸へは抜けられない構造になっているのですが、通り抜けてからその詰門を撮ってみたもの。
カメラはSONYα7C、レンズはLeitz Vario-Elmar21-35mmf3.5-4asph.による絞り開放AE撮影となります。

六枚目のカットですが、昨日は時間が遅かったため、本の丸への唯一の連絡通路である詰門の木戸が閉ざされてしまい、二の丸から天守閣を眺めただけで帰らざるを得なかったのですが、この日はまだ15時前の登城だったので、全国でも唯一、高知城だけの特異な構造、即ち、本丸御殿と天守閣が一体化した構造となっていて、本丸御殿を一回り通らないとお目当ての天守閣には入れない経路設定になっていたので、まずは本丸御殿をじっくり見せて戴きましょうということで、玄関入ってすぐの室内の様子を一枚撮ってみたもの。
カメラはSONYα7C、レンズはLeitz Vario-Elmar21-35mmf3.5-4asph.による絞り開放AE撮影となります。

七枚目のカットですが、土蔵にのぞき窓を多めに付けたような天守閣とは大違いで、隣接した御殿の中は意外と開放的で、庭に面した、濡れ縁を兼ねた長い廊下越しに屋内の居室には十分な陽射しが射し込み、前月に訪問した川越城本丸御殿や、昨年末に訪問した、まさにこの城郭の兄貴分に当たる掛川城の二の丸御殿にも通じる趣きだと感じ、廊下の隅から一枚撮ってみたもの。
カメラはSONYα7C、レンズはLeitz Vario-Elmar21-35mmf3.5-4asph.による絞り開放AE撮影となります。

八枚目のカットですが、ここは兄貴分の掛川城でも、同じ本丸御殿である川越城でも見当たらなかったのですが、正殿という、山内のお殿様の対面の場ということで、特別な仕掛けがしてあって、それはお殿様が床の間を背に座るとちょうど右手側に位置した、不可思議な扉のような設備で、実はこの裏が武者隠しとなっていて、お殿様が謁見中、槍やら太刀を持った手練れの武士が潜んでいて、一朝事有らば、ここからもんどりうって飛び出し、身を挺してお殿様の身を守るということなので、面白いと思い一枚撮ってみたもの。

九枚目のカットですが、本丸御殿の中を、隅々まで、それこそお殿様の厠まで見せて戴き、ようやっと裏手に位置する天守閣への入口に辿り着き、これはもう総塗籠構造の天守閣や櫓では大なり小なり似通ってはいるのですが、ここ高知城では、燃え易い構造の本丸御殿と実質的に一体化した配置なので、他の天守閣や櫓よりも、その入口付近は耐火性に優れた漆喰が分厚く塗られた壁面、そして扉となっており、厚い木戸に鉄板張りみたいな構造の城が多いなか、まさに商家の土蔵みたいな分厚く頑丈な造りなので面白いと思い、逸る心を抑え、足を止めて一枚撮ってみたもの。
カメラはSONYα7C、レンズはLeitz Vario-Elmar21-35mmf3.5-4asph.による絞り開放AE撮影となります。

十枚目のカットですが、一階から入って、木の急な階段を登っていくと、急に視界が開けて開放的な天守閣最上階五階に到達するのですが、望楼型天守閣の構造上完全な隠し部屋のようになってしまう四階はいざ知らず、一階から三階までは、八角形の格子が嵌められた小さな窓と射撃用に設けられた狭間が複数あるくらいで、眺望など全く考慮されてはいないのですが、最上階はうって変わって四方に大きな開放的な窓というか戸口があり、しかもその周囲には外に出て周囲を歩いて回れるような廻縁まで付けられているのですが、ちょうどコート姿のいたいけな若いカポーが仲睦まじくお殿様気分を味わっていたかのご様子だったので、有難く後ろ姿で御出演願ったもの。
カメラはSONYα7C、レンズはLeitz Vario-Elmar21-35mmf3.5-4asph.による絞り開放AE撮影となります。

十一枚目のカットですが、人生も城郭巡りも似たようなところがあって、頂点を極めれば、いつかは下るしかないということで、ここ高知城も例外ではなく、天守閣最上階に上がってしまったら、あとは名残惜しんで下って外に出るよりないのですが、天守最上階内部の様子を撮っていなかったことを思い出し、21mmが21mmで使える幸せを噛みしめ、下る前に一枚撮ってみたもの。
カメラはSONYα7C、レンズはLeitz Vario-Elmar21-35mmf3.5-4asph.による絞り開放AE撮影となります。

十二枚目のカットですが、ここ高知城は城内の天守閣、御殿、櫓門の類いは全国屈指の保存状態なのですが、残念ながら、櫓というものが殆ど残っておらず、唯一、城主の通用門とされた、黒鉄門が門と二階建ての櫓が合体したような造りとなっていて、往年のままの黒塗り下見張りの姿が総塗籠構造で全身白亜の天守とは対照的で面白いと思い、いたいけな小姐がベンチに座った頃合いを見計らって一枚撮ってみたもの。
カメラはSONYα7C、レンズはLeitz Vario-Elmar21-35mmf3.5-4asph.による絞り開放AE撮影となります。

十三枚目のカットですが、ここ高知城も下城の順路というものがいちおう定められており、入場した時に通った詰門を戻っても、もちろん、二の丸経由、大手門にでも、裏手の辻山を下って駅方面である江ノ口川方面にでも出ることは出来るのですが、そこはそれ、文化財を隅々まで眺めて帰って欲しいとの管理者の心遣いから、黒鉄門が帰路と示されており、そこを潜って緩い下り坂を通って、鐘撞堂経由、大手門広場へと戻るというちょうど時計回りのルート設定となっていて、門を潜ってすぐ振り返ったら、何と首里城の入口である瑞泉門とは、色こそ違え、石垣の通路上に建てられた防衛を兼ねた櫓門という構造が酷似していたので、面白いと思い一枚撮ってみたもの。
カメラはSONYα7C、レンズはLeitz Vario-Elmar21-35mmf3.5-4asph.による絞り開放AE撮影となります。

十四枚目のカットですが、最終日は航空運賃をケチったおかげで15時過ぎのフライトになっていたので、幸いなことに13時過ぎくらいまでは市内で行動出来たので、前の日に目星をつけておいた、城下の博物館二階のカフェでモーニングを食べてから行動を考えようと思い、朝から小雨が降り続いてはいたのですが、そのおかげもあって、カフェの窓際、大手門と天守閣が一望出来る席に着席出来、豪勢なモーニングを戴いているうちに心なしか雨が小降りになってきたので、窓の外のテラスに出て、望遠で天守閣の偉容を撮ってみたもの。
カメラは富士フィルムX-E1、レンズはCarlZeiss Sonnar135mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

五枚目のカットですが、最終日はあいにくの空模様だったこともあり、博物館のカフェの窓からいつまでもお城を眺めて、空港バスの時刻が近づいたら、そのまま暇乞いして、江戸表に戻っても良かったのですが、それでもやはり次はいつ来られるか判らないため、お城のことをもっと知りたい、近くに行きたい、という片思いにも近い気持ちから、大手門の裏手、文学館経由、城山の裏手を巡ってから帰ろうかと思い散策していたら、偶然、辻山経緯、二の丸に裏手から登るルートに足を踏み入れており、せっかく近くまで来たのだからと、結局、詰門を潜り、銭湯から裏手の土蔵がトランスフォームして立ち上がったような高知城天守閣の真下まで歩いていって、暇乞いした時に撮ったもの。
カメラはSONYα7C、レンズはLeitz Vario-Elmar21-35mmf3.5-4asph.による絞り開放AE撮影となります。
今回の感想ですが、産まれて初めての四国、しかも本州側とは瀬戸内海を挟み一衣帯水の愛媛や徳島、或いは香川ではなく、高知山脈に遮られ、主要な製造業もなく、県民一人辺りの所得は47都道県中最下位というのに、暖かい気候もあってか、人々は心豊かに暮らしているかの印象を受けた高知県、唯一の交通手段である航空運賃も関西への新幹線代と大差ないので、またいつか訪れて、主要産業の観光にお金を落として上げたいと思いました。
それにしても、御殿廊下両側の柱しかり、Vario-Elmarの21mm側のタル型歪み、結構目立ちましたね・・・
さて、来週は今までフルサイズ機でもって、イメージサークルサイズから周辺の画質まで調べてこられなかったMマウント化アリフレックスレンズの体力測定したいと思います、乞うご期待!!
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- 2022/03/05(土) 23:19:05|
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