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深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

A myth of optic classified into apochromat①~Rodenstock Cine-Heligon Apo.~

さて、今週は、予告通り、今までフルサイズ機で以て、イメージサークルサイズから、周辺の画質まで調べてこられなかったMマウント化アリフレックスレンズの体力測定結果のうち、レア差ではKinoptikの非ではない、Cine-Heligon50mmf2.0Apo.の実写結果をお送り致します。
このレンズは当然、当ブログでは既出ではありますが、この当時は距離計連動で製造したこともあり、R-D1sでしか試写をしておらず、当時は、そもそもArriflex35のイメージサークルが135判フィルムの半裁サイズなので、性能評価はこれで十分と、フルサイズのショートフランジバック機が無かったこともあって、試写試写結果は800万画素のAPS-C機で、さすが、業務用レンズ、シャープで浮き上がり感もイイよね、で思考停止してしまっていたのですが、今年になって新規導入したフルサイズのレンジファインダタイプ機α7Cの導入に伴い、本来の旅行用として買ったのにも関わらず、先般の高知旅行では伴走機のX-E1との操作系の違いに戸惑って、肝心のシャッターチャンス逃したり、クロップ拡大と全体構図の切替がうまく行かず、なかなか会心のカットが撮れず、とか散々だったため、この機の習熟も兼ね、かつてのアリフレックスレンズのフルサイズ高画素機での実力再評価を思い立った次第。
では、土曜日午後の浅草でのテストを逐一眺めて参りましょう。
ボディはSONYα7c、全コマ絞り開放によるAE撮影となります。

Cine-Heligon50mmf2_001.jpg
まず一枚目のカットですが例によって例の如く、木場から浅草に出ようとすると、銀座線の浅草寺最寄りの出口から地上に上がり、まずは雷門付近での撮影になりますが、カメラ持ってうろうろしていたら、スマホ写真のシャッター押して欲しいという小姐二名組が声掛けてきたので、代わりにモデルさんになって貰ったもの。

Cine-Heligon50mmf2_002.jpg
二枚目のカットですが、同じく雷門前で、ちょうど幼い女児を連れた若いヲヤヂさんが、巨大提灯の下を通り掛かった時、女児が、提灯に触りたいとか駄々捏ね、触ったらダメなの、それにこんなところで肩車なんかしたら、通る人が一杯いて危ないし迷惑じゃないの、とか一生懸命説教しても地団駄踏んで動かないところが面白いと思ってクロップ拡大でピンを合わせている時に関係ない小姐が入り込んじゃったもの。

Cine-Heligon50mmf2_003.jpg
三枚目のカットですが、超高性能レンズを久々に持ち出したので、嬉しくなって、色々撮りたくなっちゃって、そうそう、金色の金物を最短距離で撮ったら、どんな風に写るのか、ふと気になったので、記念撮影の人間の合間を縫って、巨大提灯の下に潜り込み、斜め下、南東から、北西方面に向けて撮ってみたもの。

Cine-Heligon50mmf2_004.jpg
四枚目のカットですが、ここも浅草でのド定番撮影スポットである、仲見世通りの雷門から数十メートルの距離の交差点にある「美人茶屋あづま」さんの店頭で正面は結構混み合っていて、人の頭を入れずに撮ろうとしたら、何か買う覚悟で最前列に出ねばならず、たった今、上野のレカンでランチコース食べてきたばかりの余韻に浸っての撮影だったので、何か買い食いしようという気には到底なれず、仕方なく、比較的、人垣の薄い北西角から店内で甲斐甲斐しく実演販売する小姐のお姿を一枚戴いてみたもの。

Cine-Heligon50mmf2_005.jpg
五枚目のカットですが、もう何百枚も撮らせて戴いた割には、それこそ栞一枚買ったこともなく、大変申し訳なくは思うのですが、いちおう、宣伝活動を微力ながらお手伝いさせて戴いているとも云えなくもないので、いつも通り、店先の大和絵柄の団扇の陳列棚のうち、手前中段のひょっとこの目にピンを合わせて一枚撮ってみたもの。

Cine-Heligon50mmf2_006.jpg
六枚目のカットですが、再び仲見世に戻って、宝蔵門方面に向けて歩き出そうと、向き直った時、あづまさんの店の北東角付近で、いたいけな若いカポーが名代きび団子と緑茶を楽しんでいたので、ちょうど光線の当たり加減で、小姐のとうもろこしの髭みたいな髪のキューティクルがイイ照り返しをしていたので、足を止めて一枚戴いてみたもの。

Cine-Heligon50mmf2_007.jpg
七枚目のカットですが、この日も政府、都の自粛要請はどこ吹く風とばかり、外国人も去って久しいのに、日本人だけで、ほぼ同じくらいの賑わいを見せていた仲見世を歩くこと5分足らずで宝蔵門を過ぎ、浅草寺境内の定点観測スポットである神籤売り場を訪ねてみたら、神籤の意味をスマホン使って一心不乱に調べる、髪の毛がやはり陽の光を浴びて照り返すトウモロコシの髭状の小姐が居たので、有難く一枚戴いてみたもの。

Cine-Heligon50mmf2_008.jpg
八枚目のカットですが、同じく神籤売り場で、周辺画質をみたいと思い、毛糸の編み物のカーディガンを羽織った小姐を画面左に入れ、神籤の抽斗が並ぶ棚を右手に入れて撮ろうと思ったら、真ん中に沖縄アクタースクールのOG二人連れみたいなのが急に入り込んできちゃったので、急遽、被写体変更して撮ってみたもの。

Cine-Heligon50mmf2_009.jpg
九枚目のカットですが、そろそろ手水場で手を洗い、口を漱ぎ、本堂にきちんとお参りしてから本腰入れて慣れない300mmの望遠でお仕事写真も撮ろうかいなと思った矢先、目の前にベルサイユのばらのオスカルとマリーアントワネットの道行きならざる密会の如き着物姿を目撃してしまったので、有難く一枚戴いてみたもの。

Cine-Heligon50mmf2_010.jpg
十枚目のカットですが、ベルサイユのばら二人組を無事撮影してから手水場に向かって歩き出そうとしたら、並んで神籤を持ってるとこをα7Ⅲで撮って欲しいという、なかなか難しい頼みを聞いてくれそうな相手を探していたとのことで、7cなら兄弟機だから大丈夫すよね、ということでシャッター押して上げた代わりにモデルさんになって貰ったもの。

Cine-Heligon50mmf2_011.jpg
十一枚目のカットですが、本堂で無事お参りを済ませ、さぁ、気分も軽く、お仕事写真とアポクロマートレンズの性能テスト、ちゃっちゃと済ませて、お茶でもしようとか考えながら本堂西側階段を降りて行ったら、ちょうど、奥山に繋がる路上で、あろうことかα7系列を首から提げた小姐3人組がお互いにモデルになって撮りっこしていたので、混ぜて貰って一枚撮ってみたもの。

Cine-Heligon50mmf2_012.jpg
十二枚目のカットですが、次なる定点観測スポットである、常盤堂プレゼンツの風車の弥七モニュメント前で撮ろうと思ったら、一本南の道に出てしまい、大衆演劇の劇場横を通ればそのオブジェの設けられた壁面に出ることは判っていたので、足を踏み入れようとしたら、いたいけな小姐二名が一生懸命にスマホンをペットボトルで押さえて傘を入れて記念撮影しようとしていたので、声掛けて撮って上げて、代わりに後ろ姿モデルさんになって貰ったもの。

Cine-Heligon50mmf2_013.jpg
十三枚目のカットですが、やっと風車の弥七オブジェ前に出てみれば、仲見世の人出の多さから予想された通り、主に二人組の小姐が行列して記念撮影をしているような状態で、しかも、アキバ辺りで逢いに行けるアイドル撮影会の常連なのでしょうか、白髪の爺様が、文字通り、手取り足取り、かなり過激に若い小姐二名組とスキンシップして、何カットも撮っているので、壁面が空かず、5分も傍観の挙句、やっとテスト撮影出来たもの。

Cine-Heligon50mmf2_014.jpg
十四枚目のカットですが、無事、風車の弥七オブジェで満足行く連続ボケ写真を撮って満足していたら、またしても、シャッター切って欲しいのリクエストあり、これまではノーマークでしたが、通路を挟んで反対側の壁面には、季節外れとも思える紙製金魚のオブジェが壁面狭しと飾り付けてあり、この前で二人並んで撮って欲しいとのことだったので、代わりにモデルさんになって貰ったもの。

Cine-Heligon50mmf2_015.jpg
十五枚目のカットですが、花やしき方面に抜け、ここも近年、人気インスタスポットとなっている、花やしき外壁に設けられた番屋のイメージのオブジェの前で、交代ばんこに記念撮影していた、レンタル着物の小姐二名が居たので、声掛けてみたら、嬉しいということだったので、スマホンで何枚か撮って上げた代わりにモデルさんになって貰ったもの。

今回の感想ですが、まず、定説通り、アリフレックス用スタンダードマウントのレンズでも、50mmの焦点距離のものは、43mmサークルはカバーし得ることが確認出来ました。
また、いくら古くとも、アポクロマートのレンズはEVFのクロップ拡大してみると、合焦部は、どこまで拡大しても、線が滲むことがなく、それこそ産毛の根本の毛穴までくっきり見えるのですが、その一方、ライカマウント改造してしまうと、元々の球面収差に加えて、距離計連動カムによると思しき口径食まで出てしまうので、後ボケがかなりクセの強いものになってしまっていることが確認出来ました。

さて次回は出張等が立て続きに入っていて、とても更新してるどころではないので、4月の6日の日曜の晩にアポクロマート第二弾、キノプティーク50mmf2いきます、乞うご期待!!
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  1. 2022/03/13(日) 19:46:03|
  2. Mマウント改造レンズ
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今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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