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深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Express tour to explore ruins of castles located in North East Japan '22 ①

さて、今週は予告通り、信州は諏訪湖の畔、高島城の一泊ツアーの翌々週に、これまた、ケチケチ&弾丸ツアーとなった、東北縦断お城串刺しツアーから二回に渡ってお送りする前編参ります。
今回の工程はばくっと申せば、7月の海の日を含んだ3連休に年休くっつけて4連休とし、弘前をスタート地点として、上から南東北までの有名城郭を時に街撮りなどもしながら下っていくもので、初日は在宅勤務にフレックス使って、15時20分発の東北新幹線で新青森経由、夕方、弘前に入り、日没直前の弘前城天守閣に雨上がりの奇跡のご対面を果たし、翌日は8時過ぎに荷物預けて宿をチェッカウトし、宿の前のファミレスでしっかりがっつり朝飯を戴いてから、弘前城を13時過ぎまで見学し、途中撮りながら宿に寄って荷物引き取り、駅前で明石焼きランチ食べてから新幹線で盛岡入り、さっそく、駅前の宿に荷物を預けてから、日暮れまで盛岡城を見学し、ところどころに江戸期から昭和初期にかけての旧建築が残る市内を撮り歩いて、途中、百貨店でお茶してから宿に戻り、この日は終了、といったところです。
では、まず初回二日間の行程に沿って、実写結果を逐次眺めて参りましょう。

Tohoku22_001.jpg
まず一枚目のカットですが、天気予報では弘前到着の金曜日は大雨の予想だったのですが、まさに自他ともに認める"ハイパー晴男"の神通力発揮で、弘前駅到着時には、きれいに雨が上がり、1.3キロほど離れた宿まで歩き通し、チェッキンして、フロントのスタッフにお城のライトアップを撮りに行きたいと述べたところ、宿では判らない(≒関心無い)ということだったので、イチかバチか、現地に行ってみることとし、15分ほどかけて、天守閣の仮住いが一望出来る展望台まで辿り着いたら、何と、夕焼け空の下の岩木山をバックに可愛い天守の写真が撮れたもの。
カメラは富士フX-Pro2、レンズはSpeedpanchro28mmf2.0改Mによる絞り開放AE撮影となります。

Tohoku22_002.jpg
二枚目のカットですが、昨日チェックした宿からの登城ルートで、仮住まいに鎮座まします、三層三階層塔型の可愛い銅板屋根をちょこんと載せた、現存天守で云えば、下から三番目、丸亀城とは10センチ違いのそれこそ姫路城や松本城、松江城のような5階建以上クラブからみれば、ほんとちっちゃくて可愛い、末っ子のような背格好ですが、それでも、石垣の外向けには、屋根に破風といういかめしい飾りをこれでもかとつけ、窓も銃眼のような物々しい造りのものが眼下を睥睨する格好になっていますが、ひとたび裏側に回ってみれば、窓も広く大きくとられ、屋根も華美な装飾は省かれたシンプルな造りとなっていて親しみ易いマイルドな面相となっていることが判って面白いと思った一枚。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはElmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

Tohoku22_003.jpg
三枚目のカットですが、有料エリアのゲート脇のチケット売場で入場券は買ってあるので、さっそくそれを入口で見せて、可愛い可愛い天守閣の内部へと入り、薄暗い内部に目を凝らし、まず目に入った異様なものが、凡そ、江戸期の木造建造物には似つかわしくはない、鉄骨とコラムを組み合わせた鋼構造補強材の姿で、えーなんじゃこりゃ、とか係員に事情を問い質してみれば、要は、石垣修理工事が終わったら、もと居た場所に再び曳家工法で移動して戻すため、いちいち、外して工事の度に戻すのでは手間とお金掛かるし、却って建物を傷めかねないので、この仮位置ではこのままにしておいて、元の場所に戻ったら外して、正規の耐震補強を行うとのことなので、納得の上、期間限定のサイボーグ天守閣の内部を一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはUltron35mmf1.7asph.による絞り開放AE撮影となります。

Tohoku22_004.jpg
四枚目のカットですが、おそらくは次に相まみえる時は、本丸東端の石垣の上に鎮座まします頃合いだと思うので、仮住いの可愛い天守うをじっくり堪能し、それから、単独の城郭では異例の3棟も3階櫓が現存している廓内を存分に見学してから、入ってきた追手門とは反対の位置にある北門から出て宿に戻ろうと思い、案内板をに従って郭内を北上し、視界が開けた先に在ったのが、他の大きめの天守閣を擁するどのお城にも負けはしない大きく立派な、銅板本瓦棒葺きの櫓門が目に入ったので、足を留めて、その偉容を一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはElmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

Tohoku22_005.jpg
五枚目のカットですが、目の前の立派な現存建造物である、北門に歩み寄り、中の様子を仔細に検分してみれば、他の城郭であれば、とうに外して、屋内保管、ないし展示としていても全く不自然ではないような、おそらくは明治期以前の木材、金物が扉や柱、壁面などにそのまま使われており、その幾星霜を経て纏った風格のようなものに敬服して一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはElmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

Tohoku22_006.jpg
六枚目のカットですが、北門を潜り抜け、お濠に架かった橋を渡ると、道の反対側、交差点東側に面した、巨大な古めかしい伝統建築が目に入ったので、興味深々、足早に近寄ってみれば、国の重要文化財ながら、人が住み、店舗としても現役で営業を行っている「石場家住宅」という建物で、基本的に中に入って見学するのには税込100円を支払うことになるのですが、何せ、これから宿に寄って荷物を受け取って、駅付近でランチを摂ってから、1時間に2本かそこらの電車で新青森まで移動し、そこから新幹線で盛岡まで移動しなければならないので、まずは交差点からの全体像と軒下から見える店内の様子を撮ることにした店舗兼住宅の全体像。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはElmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

Tohoku22_007.jpg
七枚目のカットですが、この重文の店舗兼住宅は近くに寄ってもかなり巨大で、軒下が通路になっている建造物の例で申せば、台湾各地の老街にある「騎楼」という歩道の上に建物の二階が迫り出した構造にも似てなくもないのですが、スマホンで調べれば、なんと18m角の一軒の家で、台湾の場合はこのサイズであれば、おそらく2軒か3軒が連なっているので、その巨大さを改めて感じて隅から隅まで撮ってみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはElmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

Tohoku22_008.jpg
八枚目のカットですが、同じく、この重文建造物の道側の外廊下に面した部屋、即ち、入場料を払って、わざわざ建物内部に入って見学せずとも、外から室内の様子が見てとれて、しかも写真も撮れる箇所があったので、廊下に開け放たれた窓から身を乗り出して、戦前くらいまでの商家の帳場の様子が見てとれるシーンを一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはElmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

Tohoku22_009.jpg
九枚目のカットですが、弘前城北門から出て、ちょっと道の北側の伝統建築で寄り道し、再びお濠端の道を東側の縁に沿って南下していくと、完全に見落としていたのですが、工事中の追手門、先ほど通った北門と並び、国の指定重要文化財である、重厚な二階建ての櫓門である三の丸東門の前まで来て、時間はかなり押して来ていたのですが、どうしても近くに寄って詳しく見てみたかったので、再びお濠を渡り郭内に入ってやや引っ込んだ場所にある門の全体像を撮ってみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはElmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

Tohoku22_010.jpg
十枚目のカットですが、新青森から新幹線で1時間弱乗れば、弘前城主津軽氏のかつての宗主、後に不倶戴天の敵となった南部氏の城下町である盛岡市に到着するのですが、本来はもうちょい弘前に居て、夕刻、盛岡入りして、到着翌日に盛岡城探訪する予定だったのが、とにかくこの連休中は東北も天候が超不安定で、見られる時に見ておかないと、写真を撮るどころか、宿に缶詰のまま、日程が過ぎてしまうという惨憺たる状況になりかねないため、全て半日ずつ繰り上げ、15時前には盛岡入りし、駅前のホテルにチェッキンしてから石垣だけのお城である盛岡城を撮りに出て、登城口の手前から立派な石垣を撮ってみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはElmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

Tohoku22_011.jpg
十一枚目のカットですが、現存、復元に関わらず、何らかの建造物が建っている他のお城と比べて、ここ盛岡城は、云ってしまえば、勘案辛苦の挙句、石垣に沿って設けられた石段を登り詰めても行き着く先は、かつて建物が建っていたという空虚な空地だけということなのですが、実はここの石垣は他の城郭とは違って、殆どの石が花崗岩、しかもこんなん使うんか!?といった趣きの、石を割る時の工具で穿たれた「矢穴」がワイルドに残る石を通路に面した目立つところにも使っていて、これがマニアックで見ていて楽しいので、足を留めて、一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはElmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

Tohoku22_012.jpg
十二枚目のカットですが、登城口から様々な表情も楽しい石垣を眺めながら階段を登り詰めると本丸の広場に到達するのですが、その中で、明治の廃城例でも存置処分を受けたにも関わらず老朽化が著しく、民間に払下げになった挙句、解体されて跡形もなくなってしまった代用天守である御三階櫓の石垣が残っているというので、本丸の下の周回路に降りて、代用天守台の石垣を下から撮ってみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはElmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

Tohoku22_013.jpg
十三枚目のカットですが、お城跡を隅々眺め尽くした後、街にも結構な名所旧跡が残っているとのことだったので、お城跡からは最も近い、岩手銀行の旧本社である赤レンガビルに足を運んで、銀行の建物下の歩道からは、魚眼レンズでも使わない限り、建物の全体は画面には収まり切れないのでちょいと小さくはなるものの、道の反対側から行き交う車が途絶えた頃合いを見計らってシャッター切ってみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはElmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

Tohoku22_014.jpg
十四枚目のカットですが、銀行の赤レンガビルの近くまで歩いて行ってみたら、付近一帯にも面白そうな古めかしい建物がちらほら有りそうだったので、そのまま道なりに歩いて行ってみたところ、白い下見板張りの外観が明治期の洋館っぽい建物が有り、ちょうどその前を幸せそうな家族連れが通り過ぎようとしていたので、慌ててピンを合わせて撮ってみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはElmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

Tohoku22_015.jpg
十五枚目のカットですが、途中、確か提灯屋さんの前に立っていたご老人に、「ほぅ、ライカですか、イイカメラをお持ちですな」とか声を掛けられ、立ち話の成り行きで、お店の中でお茶でも呑んで行ったらどうだとの誘いを有難くも固辞し、周囲をぐるっと一巡し、銀行の南、川の畔に建つ、江戸時代の佇まいを存分に残した細長い商家が道沿いに建っていたので、足早に歩み寄って、全景が収まるポイントから一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはElmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

次回は、宮城県白石市の建つ、伊達家の名臣片倉小十郎の居城、白石城と、戦後の天守閣木造復元の嚆矢となった白河小峰城を訪問したレポートをお送り致します、乞うご期待!!
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  1. 2022/10/23(日) 21:00:00|
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今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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