さて、今回の更新は、予告通り、名古屋周辺の知名度は低いものの、なかなか面白い城跡を見つけたので、M240とクラシックレンズで撮ったレポートをお送り致します。
まずは簡単な行程ですが、9月17日のお昼前に福井をバスで後にし、荷物を駅前の常宿に預かって貰い、地下鉄とタクシーを乗り継ぎ、日進市にあるお城を訪問、そして翌日は、まず名鉄で西尾市のお城を訪問、いったん名古屋市内に戻ってからランチを挟み、尾張旭市のお城を午後遅くに訪問し、翌々日には、帰りの新幹線の時間まで名古屋城内を精査した、というのが今回の名古屋編のあらまし。
では、さっそく今回は17~18日午前迄の行程に沿って、実写結果を逐次眺めて参りましょう。

まず一枚目のカットですが、1990年台終わりに名古屋に2年半ほど住んでいたにも関わらず、都心から1時間も掛からないどころか、住んでいた千種区からなら車で20分も掛からない場所に、有名な古戦場と城跡の公園があるとはつゆ知らず、仕事の関係もあって、本格的に勉強をはじめて初めて知った名城なのですが、タクシーの運転手さんですら、立派な模擬天守があることを知らず、知名度が抜群に低い城郭だったのですが、空堀に掛かった橋を渡り、緩めの坂道を登り切った本丸に建てられた、望楼型3層4階の偉容を一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeitz Summaron35mmf3.5による絞り開放AE撮影となります。

二枚目のカットですが、外観は古式ゆかしい天守閣そのものではありますが、躯体の構造は、鉄筋コンクリート造のビルと同じようなものですが、ただ小ぶりな規模なので、内部にエレベータは設置されておらず、ひたすら階段で上を目指すことになるのですが、登り切った最上階は、こういった鉄筋コンクリート造の天守閣お約束の広々とした窓を備え、しかも廻縁が設けられているので、外に出て周囲の景色を眺められる設定となっており、まずは最上階に着いたところで一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeitz Summaron35mmf3.5による絞り開放AE撮影となります。

三枚目のカットですが、逸る心を抑え、内部に掲げられていた「小牧・長久手の戦い」において、ここ岩崎城の果たした役割、即ち、優勢な秀吉側の池田恒興軍に果敢にも打って出て、丹羽氏長以下、城兵全員が圧倒的な池田軍の前に武運拙く討ち死にし、ただ、この捨て身の奮闘がのちに小牧・長久手の戦いでの戦況に大きく影響を与えたということで、後に天下人となった家康にに丹羽氏が顕彰された、という歴史の転換点とも言える城ということを改めて認識し、お殿様気分で平和な世の下界を眺めながら、廻縁の様子を撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeitz Summaron35mmf3.5による絞り開放AE撮影となります。

四枚目のカットですが、本丸の曲輪内に建てられた、やや横に間延びした重箱櫓的な建物が目に留まったので、何であろうかと近寄ってみれば、この岩崎城が城址公園として整備される過程で、この敷地、及び周辺から出土、或いは、旧藩士の家庭などから寄贈された小牧・長久手の戦いとこの悲劇のお城にまつわる資料が展示された郷土史資料館で、中の展示も本館である模擬天守同様、無料では申し訳ないくらい充実していたのですが、観せて頂いたあと、記念に外観を一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeitz Summaron35mmf3.5による絞り開放AE撮影となります。

五枚目のカットですが、帰りもタクシーで最寄り駅までの移動は金額的に厳しいものがあるので、資料館の係員の方に教えて頂いた、星ヶ丘方面へのバス停への最短ルートはなんと来た方向とは真逆の正門を潜り抜けて階段を降りた先の道を幹線道路の交差点を目指して歩くこととなり、大手門?に相当する天守閣にひっついた、門の下の石段を降り切ったところから、石碑を入れて、模擬天守と門を一緒に入れて撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeitz Summaron35mmf3.5による絞り開放AE撮影となります。

六枚目のカットですが、翌18日は名古屋駅前の宿を10時前に出て、並びのデニーズでモーニングなど頂いてから、名鉄名古屋駅で蒲郡線に乗車、お茶で有名な西尾駅で下車し、徒歩で西尾城址公園まで移動したのですが、駅からの徒歩ルートだと、ちょうど、この小ぶりながら見どころ満載のお城の特徴のひとつである「屏風折れの土塀」、そしてその先に建つ、復元の丑寅櫓が見えてきたので、心憎い復元状態に敬意を表し、足を止めて一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeitz Elmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

七枚目のカットですが、それほど長くはない二の丸北側を守る土塀沿いに歩いていくと、東側が駐車場への入口、即ち、土塀の内側である二の丸一体は広い駐車場になっているのですが、その丑寅、即ち北東の鬼門を守る、黒い板張りの望楼型二階櫓の今の世に復元された勇姿を至近距離まで近づいて撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeitz Elmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

八枚目のカットですが、この「屏風折れの土塀」の見事な造形に目を奪われがちですが、その上に設置された漆喰塀も手抜かりなく復元されており、きちんとオリジナルの材質通り、白木の控柱が一定間隔で建てられ、また、攻城側に対し、容赦なく、矢や鉄砲弾を浴びせかけるために設けられていた狭間もきちんと大きさ、角度ともに再現され、それ以上に注目したのが、全国の城郭広しと言えど、二の丸に天守閣を建てていた例はここ西尾城以外は記憶になく、将来的な木造復元も念頭に置いているとの市役所説明でしたが、まずは先行して切込接で復元された天守台が北西の隅に建てられていたので、全体像として一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeitz Elmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

九枚目のカットですが、将来的に木造復元されるとあらば、急にお仕事モードに入ってしまい、帰京後、執務時間に市役所の担当部署にヒアリングかけなければならないですから、「現場・現物・現実」の営業マンの鉄則に則って、そこに建つ天守台の様子を仔細に検分しておくべく、方角的には、また来た方向を塀を挟んで数100m戻るかっこうになるのですが、至近距離まで近寄って観察したおりに撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeitz Elmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

十枚目のカットですが、実は、天守台の上から曲輪内というか城址公園を眺めていて、二つ気になったものがあって、ひとつは、当然のことながら、高台である本丸の東北角に建てられている本格木造復元の本丸丑寅櫓で、もうひとつは、御殿にしては、造りが武家屋敷の書院造りではない、普通の数寄屋造りの富裕層の邸宅のような平屋の木造建築とその枯山水的庭園で、まずは手前に建つ、数寄屋造りの旧近衛亭の敷地に足を踏み入れ、特徴的な縁側周りを一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeitz Elmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

十一枚目のカットですが、この建物、「近衛亭」という元華族のお屋敷とのことでしたが、時間も惜しいし、お城本体は無料というのに、伝統建築とはいえ、後から移設された古民家でもない建物に入場料払って見学するのも何なので、三層三階建て木造復元の丑寅櫓の待つ、本丸への移動がてら、建物をバックに素敵な庭園の様子を一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeitz Elmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

十二枚目のカットですが、元は内濠だったと思しき、比較的多めの濠をぐるっと周り、二の丸から本丸へと続く、緩い坂を登ると、本丸の丑寅、即ち東北角の断崖絶壁の石垣上に建てられた隅櫓というだけあって、その入口へと続く道は、戦時には、下から狙い撃ちにされず、上からは城兵を防御しつつ、狭間という銃眼から攻城側に対し、弓や鉄砲を射掛けられるよう土塀に沿った狭い通路の奥に櫓の入口が見えるのを一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeitz Elmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

十三枚目のカットですが、逸る心を抑え、入口に到達すると、「御免、頼もう!」と声を張り上げて足を踏み入れたのですが、何せ、「どうする家康」放映開始から4ヶ月以上前のことなので、観光客など居ようはずもなく、一人でゆっくりじっくり、内部を観察出来たのですが、照明もない櫓内部で、上層階の窓からの光で、内部の木材の様子がよく見て取れる階段下から一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeitz Elmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

十四枚目のカットですが、これが三層三階建ての木造復元櫓の最上階、三階内部の様子ですが、観光資源と化しつつある、メジャーな現存天守や木造復元天守と異なり、ここ、西尾城の本丸丑寅櫓は、あくまで最小限の消防設備のみ備えただけで、照明など付けず、採光も含め、江戸期の城郭建築を再現しようという、極めてマニアには嬉しい設定になっていたので、その薄暗い室内を一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeitz Elmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

十五枚目のカットですが、中のオール木造構造も惹かれるものが大いにありますが、それ以上に本丸の高台の切り立った断崖絶壁の石垣の上に聳える、黒い下見板張り、しかも、丸岡城や、宇土櫓、或いは松江城のように、高価な漆は使わない煤を主体とした塗料を白木に塗った、艶消しにところどころ、白い漆喰壁をアクセントとして活かした重厚かつ質素な外観をベストアングルで撮りたかったので、二の丸を歩き回り、桜の木の合間から望遠で撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはVoigtlaender Heliar75mmf1.8による絞り開放AE撮影となります。
さて、次回は名古屋編最終回、西尾城のあとに回った、旭城、最終日出発前の名古屋城内の様子をお送り致します、乞うご期待!!
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- 2023/03/05(日) 18:43:56|
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