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深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Legend of Japanese Tessar made in Hokkaido ~Kyocera Tessar35mmf3.5mod.M~

さて、今回の更新は、予定変更、GW前に浅草辺りでちょこちょこっと試写してレポート上げようと安直な考えでいたのですが、何せ、COVID19蔓延以降の実質的鎖国が解けて以降、初の海外渡航、しかもそれが、2004年から訳有って海外への渡航をやめ、2008年のGWより頻繁に海外への渡航を再開した時とほぼ同じくらいのブランクだったので、あれやこれやと借り物レースさながらのドタバタ準備で、頼みの29日は何も出来ず、現地でもなかなか21mmをフルサイズでスナップに使うのには出番がなくて、結局、旅写真の中での登場か、或いは別日程で本腰入れて撮り下ろしたものを上げるかと迷いましたが、何も上げないで2週間も経ってしまうと、このFC2の冷酷な掟であるブログ冒頭を何某かの巨大な広告で汚されてしまうので、帰国後の予備日である昨日が天気も佳かったので、浅草までちょこちょこっと出かけて、前々から気になっていた、京セラのコンパクト銀塩カメラ「T-Proof」から採取し、Mマウント距離計連動化したTESSAR35mmf3.5がフルサイズの裏面照射でローパスレスのカメラだとどのように写るのか実証してみたという次第。
ではさっそく、当日の行程に沿って実写結果を逐次眺めて参りましょう。
カメラはSONYα7cによる全コマ開放による絞り優先AE撮影となります。

Tessar3535_001.jpg
まず一枚目のカットですが、浅草へ到着しての第一定点観測スポットである雷門東隣りの天麩羅三定の北隣の土産物屋さんの店頭に季節の如何に関わらず吊り下げられ、時折、吹き渡る気まぐれな風に、如何にも儚げなビイドロの音色を響かす風鈴を至近距離から狙って撮ってみたもの。シャープな代償として後ボケは二線気味でややざわついた印象です。

Tessar3535_002.jpg
二枚目のカットですが、雷門周辺の第二定点観測スポット、仲見世は美人茶屋あづまさん横の道と仲見世の西の側道の交差点北西角に建つ扇子屋さん店頭に、開店日はいつでも掲げられている大和絵団扇を撮りに足を運んだところ、どういうわけか、いつも東側に向かって立てられていた展示柵が何故か、この日は、180度違う西側を向いて立てられており、仕方なく、お店のドアの前から大和絵の展示柵を撮ろうと思い、ちょうど背景にいたいけな小姐が通りがかった頃合いを見計らってシャッター切ってみたもの。かなり陽が当たっていたにも関わず、フレアやゴーストは一切認められず、コントラストも十分、この構図では背景もかなりなだらかに見えます。

Tessar3535_003.jpg
三枚目のカットですが、そうこうして仲見世を歩きながらシャッターチャンスを探して歩いていたら、宝蔵門手前で韓国人の一家連れにスマホンで何枚か撮って欲しいと頼まれたものの、モデルさんになって貰えそうな方々とは巡り逢うこともなく境内に足を踏み入れ、ふと何気なく、五重塔の方向に視線を走らせたら、午後の陽光でちょうど後光が射しているような雰囲気だったので、ベタな構図ではあるものの、35mmでもフルサイズではないと頭から全ては画面に収められないこともあり、足を止めて一枚撮ってみたもの。
ここでも、かなりのシャープさとコントラストの高さを発揮してくれています。

Tessar3535_004.jpg
四枚目のカットですが、せっかく海外から無事生還して、浅草寺にやって来られたのだから、お参りでもしていこうと、手水場に足を運んでみれば、ちょうど西日が射し込んできていて、善男善女のお清めのためのお水を早朝から夕刻まで365日文句も云わず吐き出している、青銅製の龍の鋳物のカランのシルエットと午後の遅い陽光を弾き返す水面が秀逸だったので、お清めもそこそこに一枚撮ってみたもの。
ここでも、オールドレンズではまさに鬼門となるフレア、ゴーストの類いは一切認められず、バックの人も建物もなだらかなボケと化しています。

Tessar3535_005.jpg
五枚目のカットですが、同じく本堂下の手水場にて、先ほどのド逆光のカットの出来映えを背面液晶にて確認などしていたら、白人男性と、亜麻色の髪をした混血と思しき小々姐がやってきて、仲睦まじげに手などを清め始めたので、横から有難く一枚戴いてみたもの。
ここでも、かなり反射率の高い被写体が画面中央にあるにも関わらず、TTLはかなり正確に測光し、前カット同様、フレア、ゴーストとは無縁の描写を見せてくれています。

Tessar3535_006.jpg
六枚目のカットですが、浅草寺本堂にお参りし、次なる定点観測スポット、奥山エリアを抜けた西参道脇にある、常盤堂プレゼンツの風車の弥七オブジェこと、壁面一面に色とりどりのセルロイド製風車が飾り付けられた場所へ足を運び、いつもの通り、壁面向かって左奥、方角的には南の方から、壁面を撮ってみたのですが、後からは判断に悩むところではありますが、画面右端中央から左方向に若干、湾曲しているようにも見えるので、また別の機会に像面湾曲はテストしたいと思いました。

Tessar3535_007.jpg
七枚目のカットですが、風車の弥七オブジェを撮ったあと、そのまま花やしき方面へと向かおうと思い、西参道をパスして、花やしき通りに出て、そのまま西に向かって歩いていたら、花やしき通りと西参道に挟まれたエリア、ちょうど初音横丁の入口辺りの飲み屋街でまだ陽も高いのに酎ハイだのハイボールだのひっかけてご機嫌な方々がおられたので、有難く一枚戴いてみたもの。
ここでは、手前のアウトフォーカス部はちょっとボケが崩れ気味ですが、バックは結構奥まで被写界深度が及んでいるように見受けられます。

Tessar3535_008.jpg
八枚目のカットですが、飲み屋街の路地入口付近で一枚撮って、ハイ、サヨナラ!しようと思っていたのですが、ふと見ると、先のカットで画面向かって左側に建つ飲み屋の造り、そしてカウンターを据え付けられた引き戸上の落書き?が面白い、ということで、もうちょい中に足を踏み入れ、正面から一枚戴いてみたもの。ここでも、全般的に陽当りが良好とは言えない路地裏のお店に真っ白いシャツ着たオッチャンが向こう正面に鎮座ましますというフレアの元凶となり構図でしたが、画面左下と中央上部とでは、おそらく3EV程度は輝度差あったように思えますが、きれいに一枚の画面内に収め切っています。

Tessar3535_009.jpg
九枚目のカットですが、いつも通っていた豚肉料理店がこのCOVID19蔓延解消後、どうなっているのか、そして、そこが入れなかった時に何回か使ったことがある、いかにも奥浅草の街中華!という風情のお店もどうか、そして、このひさご通りに点在していた穴蔵みたいな純喫茶はどうなったのか、この目で確かめてみたくて千束通りとの境界付近まで行った帰りにケタはずれの巨大看板が目印のラーメン屋さんの様子を一枚撮ってみたもの。
ここでも画面上部向かって右方にかなり強めのLEDトーチが写り込んでいましたが、画面上方向に極僅かなゴーストが出たのはご愛敬として、全般的にシャープでコントラストも十分な好ましい描写を見せてくれています。

Tessar3535_010.jpg
十枚目のカットですが、運が良いとなかなか面白いシャッターチャンスにも巡り合えるホッピー通り経由、伝法院通りに戻ろうと思い、浅草場外馬券所WINSの横を通って南下していたら、先ほどの西参道の両側に建ち並ぶ弁柄色の建物のうち、南側裏手の路地を洒脱に和服で決めたカポーが歩き始めたところ、急に突風に見舞われ、裾が大暴れしてそれを取り押さえようと体制を崩したところを一枚撮ってみたもの。
ここでも、画面中央右手方面は明るい空で手前左手方向は建物の陰で、両サイドの輝度差は1EVでは収まらないですが、それでも破綻なくクリアに描き出しています。

Tessar3535_011.jpg
十一枚目のカットですが、伝法院通りに出る手前の木馬館前もちょっと気になっていたので、ちょいと横道にそれたら、役者さんや芸人さん自らによる顔見せ、呼び込みこそ、この日はやっていなかったのですが、それでも、東側壁面一杯に飾り付けられた役者番付看板と祝花スタンドを前に結構な人出だったので、ちょうど白人とアジア人の子連れ一家が入って来た時に一枚撮ってみたもの。
シャッター切る直前までこっちを向いていたヲヤヂさんの首にぶさがった極小姐のご尊顔にピンを合わせていたのですが、画面上部中央やや左の格子も素晴らしくシャープに写っているのが見て取れます。

Tessar3535_012.jpg
十二枚目のカットですが、伝法院通りから、仲見世を横切り、そろそろ、アキバ辺りでお茶でもしようと思い、東京メトロの浅草駅を目指して歩いていたら、COVID19蔓延ですっかり、生活のリズムの中から欠落しきっていた、東京三大祭りの一角、三社祭の時期が近いことを示す、横断幕ならぬ、横断提灯が視界に入って来たので、夕暮れに向かう空をバックに一枚撮ってみたもの。
ここでも、当然のことながら、提灯に掛かれた文字にピンを合わせたのですが、バックはかなり遠くまでピンが合っているかの如き結像ですが、手前はそれより近いにも関わらず、かなりグダグダに崩れたようなボケとなって見えます。

Tessar3535_013.jpg
十三枚目のカットですが、もうすっかり暗くなり始めた頃、仲見世東側のアーケード街である観音通りでは、店先に人工光が点り始め、中でも店頭の商品デスプレイへの配光の仕方が秀逸だなぁと常々思っているお煎餅屋さん店頭に整然と並べられた広口ガラス瓶に収められたお煎餅の数々を斜め横から捉えてみたもの。
ここでも、やはり距離如何に関わらず、後ボケは秀逸、前ボケはちょっとお行儀が良くない傾向の光学系ということが見てとれるのではないかと思います。

今回の今回の感想ですが、やはり、京セラの十勝工場が格企画、設計し、ドイツのカールツァイス本社と折衝し、歴史と伝統のTESSARを名乗ることを許されたという逸話を持つ光学系は、フィルムに比べて、配光、結像条件とも遥かにシビアなデジタルでの撮影でも遺憾なく性能を発揮してくれたのではないかと思います。
でも、これをきっかけに市中から格安のジャンクが姿を消したり、値が吊り上がったするのは困りますが・・・・

さて次回は、やっぱり、どこかで撮り下ろしてきて、中華製21mmf1.4の驚異の性能をレポートしたいと思います、乞うご期待!!
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  1. 2023/05/07(日) 22:52:24|
  2. Mマウント改造レンズ
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今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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