fc2ブログ

深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Back to the era full of wars and battles all around Japan~Sakasai Fort in Ibaraki-pref.~

て今回のご紹介は、想定以上に年賀状書き、大掃除前哨戦が捗ったので、最後にもう一発、SONY7cと固定ファンが居そうな、CanonNFD20-35mmf3.5Lだけ持ち、殆どの行程が高速道経由とはいえ、片道60km以上を愛車駆って、見物に行ってきた、茨城県は古河のご近所、坂東市は逆井地区に在る、北関東のお城のテーマパーク「逆井城」の訪問記をレポートしたいと思います。
実は、ここ逆井城は、関東近在のお城の遺構のうち、建物が現存、ないし復元された城址公園のうち、どうしても公共交通機関ではアクセス出来ない場所にあるため、基本的にお城巡りは電車and/orバスと決めている工房主にとっては、最後の最後の後回しになってしまった、言わば、お城巡りの空白地帯で、遅れに遅れた愛車の車検上がりの仕上がり確認も兼ねて、一念発起し、木場インターから首都高、東北道、外環道を通って、最寄のインターチェンジである境古河インターで降り、下の道を走ること10分少々で思っていたより呆気なく着いてしまった、というのが偽らざる感想。
嬉しいことに駐車場無料、お城も入場料無料、その反面、一般的な城址公園では必ず有る、土産・記念品は言うにおよばず、案内パンフやご城印の類いすら見当たらず、まさに渋い玄人向けのお城だなぁと、まずは関心した次第。
では、当日の行程に沿って、NFD20-35mmf3.5Lの実力のほどを逐次眺めて参りましょう。

Sakasai2307_001.jpg
まず一枚目のカットですが、インターから降りて、ところどころに民家や町工場、或いは営業倉庫みたいなのが点在する、典型的な日本の田舎道を抜けると、「逆井城」駐車場の看板があり、そこを曲がって、駐車場に入ってみたら、なんと目の前が、戦国時代のお城というか砦を再現した施設になっていて、史実通りか否かは置いておいて、何時できたかアヤシゲな石垣ばかりの新田金山城に比べれば、ずっと判り易く、エンターテインメント性も高い遺構なので、思わずニンマリとして駐車場から、ランドマークである二階櫓と土類を撮ってみたもの。

Sakasai2307_002.jpg
二枚目のカットですが、ここ逆井城は近畿地方で石垣のお城が発展を遂げるずいぶん前のお城なので、当然のことながら、威圧的ながらも芸術的でもある、立派な石垣などは存在せず、俗にいう「土のお城」という類いの遺構で、それでもかなりの高さがあり、角度も急な土類の上には、容易に敵兵の侵入を許さない、銃眼もものものしい、土と木板のハイブリッド塀が隙間なく張り巡らされており、ここが戦国時代の要害だったことを思い起こさせてくれる丁度良いアングルから、もうひとつのランドマークである、井楼(せいろう)入れて一枚撮ってみたもの。

Sakasai2307_003.jpg
三枚目のカットですが、高鳴る胸の鼓動と気持ちの昂りを抑え、嬉しいねぇ・・・こういうの好きなんだよなぁ・・・たとえ空想の産物でも、なんて独りごちながら、もはや城兵による弓矢や長槍による殲滅戦も遠い夢と化した、平和で退屈な時代の城跡に、いざ足を踏み入れんと、空堀と土塁によって外界からのアクセスを拒絶するかのごとく、郭との間に架けられた木橋を渡っていく前に一枚撮ってみたもの。

Sakasai2307_004.jpg
四枚目のカットですが、実はここ逆井城の復元?二階櫓も、前回ご紹介した大阪府は池田市内の池田城公園に建てられている二階櫓と同様、現地に有ったか否かは資料(紙の書き物)には残っていないものの、一次資料でお城の存在は裏付けられ、更に発掘調査によって、戦国時代の中頃から後半にかけての時代に何某かの木造建造物があった痕跡が確認されていることで、一般的な戦国時代の砦の中の櫓を建てたということですが、完全木造でなかな良く出来ていると思ったので、城内から全景を撮ってみたもの。

Sakasai2307_005.jpg
五枚目のカットですが、さっそく、日中は開放されている、二階櫓の中に入ってみると、、羽目板、或いは柱や梁など木材の製材方法や一部木組の方法が城郭建築での一般的な二階櫓の建て方とはかなり違っているのが目に留まったのですが、さりとて、設計の根本は一般住宅の2x4や在来軸組とは明らかに違い、空間の遣い前は悪くはなりますが、それなりに社寺建築と書院造りの折衷である城郭建築のお作法に則って、柱や梁は据え付けられており、まぁ、悪くはないんぢゃな~いと感心して一枚撮ってみたもの。

Sakasai2307_006.jpg
六枚目のカットですが、階段についても、素材はもちろんのこと、部材の形状も日本全国に点在している現存、ないし図面、木組などを元に忠実に復元新築ないし再移築を含めた古材利用の復元のものと相違なく、なかなか良く出来ているとも思えるのですが、それらは全て、江戸期に入ってからの建築様式で、戦国時代から安土桃山時代に至るまでの建物は残念ながら残ってはいないので、幾ら昇降のし易さや安全性を考慮しても、それが当時のものを正確に再現したか否かは実にアヤシゲなもので、あくまでも参考程度なのかなと独りごちて一枚撮ってみたもの。

Sakasai2307_007.jpg
七枚目のカットですが、狭くて、近現代の木造住宅に比べればかなり急な木製の階段を登り、二階の部屋に入ってみれば、内部の造作は、やはり、城郭建築のセオリーには、それなりに則ってはいますが、柱や梁の木材が綺麗に真四角く製材され、ご丁寧に面取りまでしているのは有り得ない話ですし、隅柱の建て方、戸の仕組み、そして何よりも御殿や天守ではあるまいし、ここぞとばかりに手裏剣状の六葉釘隠し、しかも金張りのものを長押と言われる柱と梁の直交する箇所に惜しげもなく使っており、ここを建てようと企画した市役所の人達は相当頑張って、あちこちのお城や寺院で見てきた伝統建築のエッセンスを理屈抜きにぶち込んだんだなぁ・・・と感心して一枚撮ってみたもの。

Sakasai2307_008.jpg
八枚目のカットですが、ここでも屋根の軒下の縦桟と言われる上から下に下がるように設けられている部材が、戦国期では有り得ないくらい揃った真四角の加工がなされており、そもそも、信長や秀吉のお城じゃあるまいし最上階の周囲にベランダ状の廻縁が付けられていること自体が、時代、地域特性からして、オーパーツと云っても良いくらい違和感ある話で、やはり市の担当者各位が、小田原城とか大阪城辺りの鉄筋コンクリート製外観復元天守の売り物である見晴らしの良い展望台みたいなものを、うちも付けねば!と妙に力んだ結果なのかな、とか創造しながら撮ったもの。

Sakasai2307_009.jpg
九枚目のカットですが、二階の廻縁もぐるっとひと巡りし、上に登り切ってしまえば、あとは下るだけ、という人の一生にも何処となく似通ったお城巡りセオリー通り、薄暗い建物の中には椅子すらなく、ぼぉーっと立っているのも、なかなかマヌケで、再び車を運転して帰る身としては体力的にもなかなか辛いものが有りますので、早々に退出し、同じ敷地に建ち、更に高い「井楼」に登ってみようと歩き出してすぐに、「天守閣の原型」とかいう異端の説明板の建つ、その不可思議な全景を撮ってみたもの。

Sakasai2307_010.jpg
十枚目のカットですが、天守の原型というよいよりは火の見櫓とか、公園などの階段付き展望台の原型といった方が間違いなさそうなオール木製、一部鋼製補強金具有りの構造物の本来の昇降器具たる梯子ならぬ階段を登りつめ、辺りを眺めてみれば、眼下の水堀には亀がようけおるわ、辺りは町工場みたいなのが点在しているだけで、何にもないわ、これじゃ公共交通機関であるバスじゃムリだわとか、色々と気付かされることも多かったのですが、なーるほど、先ほど登った二階櫓とその周囲を護る木塀の位置関係も良く判るわ、と思い一枚撮ってみたもの。

Sakasai2307_011.jpg
十一枚目のカットですが、ここ逆井城公園が、なぜ「お城のテーマパーク」と言われるかというと、二階櫓と井楼という本格的木造復元?の建物にかて加え、ガチ戦国時代の土塁や堀が当時の形式に則って復元されている上に、なんと、茨城県内に点在していた、戦国期の遺構、例えば、近所の関宿城の薬医門を移築したり、潮来に在ったという大台城の主殿という書院建築を再現してみたりと、悪く言えば節操ない、良く言えば、エンターテインメント性満点の満艦飾状態だからで、二階櫓と井楼と並ぶ本格的な木造復元?の建物である主殿の中を見る前に全景を撮ってみたもの。

Sakasai2307_012.jpg
十二枚目のカットですが、ここ主殿には、破風付き屋根を備え独立した玄関が設けられておらず、ちょうど、日本映画で田舎のおじいちゃんおばあちゃんの家がそうであるように濡れ縁の一部に大き目の踏み石を置いて、そこから出入りするようになっているところは、明らかに華美さとは一線を画した武家の質実剛健な住まいにも見えなくはないのですが、至近距離に歩み寄り、詳細を検分してみると、やはり戸や建具が江戸期から下手すれば昭和初期くらいの伝統建築にあるような、正確に四角に製材した木材が用いられており、ここでも屋根の軒下の構造や縦桟の木材の形状が江戸期も元禄に入ってくらいの真四角の揃ったものなので、うーん、残念でござるな、とかつぶやきながら一枚撮ってみたもの。

Sakasai2307_013.jpg
十三枚目のカットですが、中にはご自由にお入りください、とのことなので、では遠慮なく、と20世紀に入ってからの電気の灯りは当然のこと、火災防止の観点から、当時には普通に使われていた灯明や行灯、或いは蝋燭の類いなど置かれていようはずももなく、見学は、引き戸を引いて外光を採り入れての明かりで行わざるを得ないのですが、外回りは至近距離に寄らない限り、なかなかの雰囲気を出していたのですが、内装は完全にオーパーツ状態、こんな綺麗に製材された檜の角材をふんだんに遣い、違い棚付きの床の間やら、長押への金張り六葉釘隠しという、それこそ太秦映画村辺りの時代劇汎用武家屋敷の内装みたいで、呆れながら一枚撮ってみたもの。

Sakasai2307_014.jpg
十四枚目のカットですが、この後、関宿城から民間払下げされたものを移築した城門やら出自・ご利益とも不明の観音堂などを見学し、意外と広い城址公園内を見て歩いていたら、ちょっとした森林地帯を抜けた辺りに、遠目で見れば、鉢形城の資料館内部や箕輪城の搦手に木造復元された郭馬出西虎口門などとも、外観は良く似ていて、少なくとも豊臣秀吉による全国統一よりも前の建築様式と判る城門が再建?されていたので、辺りの様子も判るくらいの距離から一枚撮ってみたもの。

Sakasai2307_015.jpg

十五枚目のカットですが、いったん、今の平和な世の中では守る城兵も居ないこの櫓門を抜け、その目の前の空堀の上に架けられたオール木製の黒い橋を渡り切ってから振り返り、橋の全景を入れた上で、さっき通り抜けた、おそらくは鉄砲伝来前、或いはまだ関東へは普及していなかった時代の建築様式を採り入れて作られたであろう、弓矢を射掛けるための大きな縦長格子窓も勇ましい戦国期の櫓門の姿を一枚撮ってみたもの。

さて、今回の感想ですが、久々の愛車を駆っての帰省以外のドライブの行先をお城、しかも何でもてんこ盛り状態のインスタ映え満点のお城のテーマパークへ、往年の銘機NFD20-35mmf3.5L一本だけ持ってふらっと出掛けるというのも新鮮で楽しい経験でした。

今年のリリースは今回でおしまいですが、一年間お付き合い頂き、心より御礼を申し上げます。来年はだいぶ円高に向かう予想なので、電子湾の夜釣りで面白げな玉が釣れるやも知れません、そのために準備万端、可愛い工作機械達、そしてコリメータ等測定器もきちんと手入れをしての年越しとなります。

では皆さま、佳き新年をお迎え下さい。
関連記事
  1. 2023/12/26(火) 21:06:50|
  2. 旅写真
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
<<Back to a paradise on southern ocean~Taiwan Tour’23.July~① | ホーム | A travel to explore ancient ruins of caste located around Osaka-pref. from 20th.May to 21st.May '23.>>

コメント

連載、ご苦労様でした。
デジカメも645迄廉価にラインアップされ、アダプター全盛という感もありますので、改造云々は厳しい時代だと思われます。TVの「魔改造」もロボコン染みて来て新鮮味が薄れてきました。なにか新機軸でもあると佳いのでしょうけれど…。
最近は、国産黄金時代の工業製品が随分と高価で、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」時代を支えていた大メーカーの高度技術を個人業者が支えている物件を発見できます。恐らく、少数の特異な技術保持者(団体)がかつての高度産業界を支えているのではないかという、そんな気もしました。しかしながら、それもウタカタの泡沫に過ぎないのかもしれませんが…。

円高に向けて、更なる躍進を期待しています。
  1. 2023/12/30(土) 14:35:18 |
  2. URL |
  3. trezieme ordre #-
  4. [ 編集]

trezieme ordreさま
遅ればせながらあけましておめでとうございます。
昨年も拙ブログご贔屓有難うございました。
そうですね、このところの敗戦直後を彷彿とさせる超円安のおかげも相俟って、電子湾での夜釣りはまるで坊主、また怪しげなレンズの供給源だったカメラのKムラ新宿大ガード下店がつぶれてしまったこともあり、なかなか新製品発表jは出来ませんが、奉公先では、工房で培ったモノづくりのスピリットを活かし、特許レベルの新規技術開拓、需要創造に邁進して居ますので、時期が来たら、またレンズの魔改造に没頭したいと思っております。
今年もどうぞ宜しくお願い致します。
  1. 2024/01/13(土) 12:10:57 |
  2. URL |
  3. Charley944 #umiePzhM
  4. [ 編集]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://pwfukagawa.blog98.fc2.com/tb.php/777-79deaf7c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

charley944

Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる