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深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Back to a paradise on southern ocean~Taiwan Tour’23.July~③

さて今回のご紹介は、台湾旅行四日目、台北リブートツアー最終日の様子をリポート致します。
そもそも、なぜ、台北に頻繁に行くのか、行きたがるのか?その答えのひとつが、秀逸な常宿に出会えたことが挙げられます。
東京や世界の大都市のように交通の要衝と言われるターミナル駅がメトロポリスの中に複数存在し、東京都を例にとれば、東北や常磐、北関東の玄関口は実質的に上野ですし、山梨・長野方面であれば、新幹線こそ通じたものの、バスや在来線特急ベースで見れば、いまだに新宿の地位は揺るがない、といった多極型・方面分散型の公共交通インフラとなっています。
ところが、台北では、小さな島の行政の中心ということもあって、台北市内の交通の要衝は台北駅一極集中です。その台北駅の高速鉄道駅乗り場からも、九份・金瓜石直通バス乗り場からも至便、そして空港からのMRTの始発駅が宿から徒歩5分という立地の良さにも関わらず、そこそこ広い部屋が、為替レートにもよりますがだいたい4.5~6.5千円/泊で泊まれるので、ずっとその宿を拠点に、関心ある島内の観光拠点に出向くスタイルをとってきたので、或る程度纏まった休みが取れたら、台北に飛ぶ、ということなのです。
では、さっそく、当日の行程に沿って実写結果を逐次眺めて参りましょう。
全カット、カメラはSONY7c、レンズはSchneider Apo-Componon40mmf2.8による絞り開放となります。

Taipei2307_031.jpg
まず一枚目のカットですが、今思うと身の毛もよだつ体験なのですが、実は、帰国便のデパーチャ時間を15時半だとばかり思っていて、ただ、せっかくのプライオリティパス持ちなので、3時間くらい早く空港に着いて、ラウンジの使い前をSNSにでもアップしようと考え、10時前に宿をチェッカウト、荷物を預かって貰い、11時台のMRTで空港に向かおうと考えながら、徒歩で15分弱ほどの迪化街に到着し、さぁ、これから時間一杯撮るぞ、と何も知らずに入口で撮ったしょっぱなのカット。

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二枚目のカットですが、時間も早かったので、まだ商店は開店の準備が終わったか、まだ途上か、といった案配で、ただ曇り空の午前中早い時間ということもあり、台湾に限らず、明朝以降の東南アジアを含む中華圏の街づくりには欠かせない、一階部分を共用の通路とした「騎楼」(台湾語では亭仔脚)という造りでは、確かに直射日光から通行人は言うまでもなく、陳列商品を守ることは十分に出来るのですが、その半面、昼なお薄暗い通りとなるので、灯火を点すのが常ですが、煌々と照らされ、開店に余念ない乾物店前で一枚頂いてみたもの。

Taipei2307_033.jpg
三枚目のカットですが、店主に一礼して、とにかく時間内に迪化街のどん詰まりにある大稲堤まで歩いて行って、往復撮りまくろうと考えていたので、長いレンガ造りの騎楼の中を足早に歩いていたら、築地場外の西側の道路沿いにあるような日本産の小エビや貝柱、そして奥の方にはうやうやしくガラス棚に陳列された干海鼠(なまこ)などが陳列してある、何となく懐かしい雰囲気のお店があったので、足を止め、店番のヲヤヂに写真撮っても良い?と声をかけ、黙って撮るなら良いよ、と笑顔で言われたもので、有難く一枚頂いてみたもの。

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四枚目のカットですが、店舗前の照明に煌々と照らされた騎楼の中をあちこち眺めながら、時折、足を止めて撮ったりして歩いていたら、そこそこ大きな通りと交差する辺りでいったん屋根が切れたので、外を歩くこととし、ちょうど戦前からと思しきバロック調のクラシックテイストたっぷりの中低層ビルが建ち並ぶ辺りに差し掛かったので、路上からそれらを撮ろうとしたら、先客の小姐が居たので、有難くご出演願ったもの。

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五枚目のカットですが、再び、騎楼の通路所せましと、色とりどりの商品を天井近くまで並べまくっている辺りにやってきたので、季節柄、あまり直射日光の下を歩き続けて、飛行機に乗る前に汗だくになるのもイヤなので、早々に騎楼の下に戻り、面白げな商店の店頭でも撮ろうとしていたら、時間柄、まばらとは言え、人通りが出てきたので、有難く、買い物客の小姐にご出演願ったもの。

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六枚目のカットですが、この迪化街は発展著しい台北市の中心、台北駅から10分程度という商業的にも一等地であるにも関わらず、台湾各地に点在する、日本統治時代以前、清朝時代からの伝統を今に伝える「老街」のテイストを活かした街づくりを前面に打ち出しており、レンガ造りないしコンクリート製でもレンガ張りの建物躯体の天井部分には、台湾では一般的だったチークなどの広葉樹に落ち着いた色調のラッカーを施したものが使われており、その下に吊るされた本土ではまず見られない、赤い繁字体で書かれた道教の呪文が目を引く黄色の提灯が目を惹いたので、足を止めて一枚撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、クラシックテイスト満載の迪加街ではありますが、街の隅々まで、布地屋や、乾物商や薬種問屋が軒を並べているというわけでもなく、ところどころ、古い店舗をリノベしてカフェにしたり、変わり種では、オリムパス・ケムンパス・サロンパスのショールーム兼ユーザーサロンとして再利用しているところがあったりするのですが、たまたま、天井の造り、吊るされた照明の乳白色のガラス製火屋が立派なリノベ本屋さんを撮ろうとしたら、「造反有理」とか叫び出しそうな、凡そこの街並みとは似合いそうもない格好のご一行様が店の前を通りがかったので、有難く一枚頂いてみたもの。

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八枚目のカットですが、もうそろそろ、1km弱にも及ぶ老街の半分も通り過ぎ、どん詰まりの方が近い辺りにやって来たところ、黒字に陽刻の金文字看板も見事で、店先にRGB配色のカラフルな看板で産地付きで扱っている乾物が一目瞭然に判るようにしている乾物商の店先がビジュアル的に感じ入るものがあったので、40mmでは真正面からでは全景ムリなため、斜め横から撮ってみたもの。

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九枚目のカットですが、時計を気にしぃしぃ、どん詰まりでのタッチアンドゴーを念頭に置いて、直射日光が当たらないばかりか、時折、開放された店先から気前良く発散されるエアコンの乾いた冷気を受けて、元気を取り戻し、とにかく、奥まで歩き通そうと進んでいたところ、これまで目にしたことのないような量の大蒜が積み上げられていたので、騎楼内部の店先をバックに最短距離から一枚撮ってみたもの。

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十枚目のカットですが、老街のどん詰まり付近は、この通りの中でもリノベが最後発かつ大規模だったため、老街入口から半分くらいまでは、生地屋、乾物商、薬種問屋が殆どでたまにカフェやローカル色活かした雑貨屋(デズニーはもちろんのこと、サンリオやジブリも置いていないという意味で)が点在しているくらいなのに対し、いったんゼロリセットしてからの街づくりに等しいので、結構、オシャレな店舗がメインで、旧来の業種は皆無、その中で、随分と端正な唐獅子を店頭に飾っていたキッチン用品店の店頭を撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、迪化街最深部で大稲堤と呼ばれる辺りは、それなりに古い街並みの文法のようなものを尊重して、お金をかけたリノベをして、オシャレなカフェやレストラン、雑貨屋、文具屋などが主役となってしまった、いわば、街のど真ん中の九份とか鹿港のようなイメージのエリアなのですが、それでも通りを歩きながら、丹念に側道や路地に目を凝らすと当時の街づくりの痕跡は所どころに遺されており、古めかしいレンガ造りの壁に囲まれた細く曲がった路地に心惹かれ、入口から一枚撮ってみたもの。

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十二枚目のカットですが、いよいよ、どん詰まりで大規模リノベが上がった長い騎楼付きのレンガ造の建物の区画を分ける天井からのアーチや重厚な彫刻付チークの扉も美しい通路に足を踏み入れ、このフォトジェニックなレンガの長い廊下をどうやって撮ろうか、と逡巡していたら、いかにもローカル客ですよ的な佇まいのカポーが横を通り過ぎて行ったので、有難くご出演願ったもの。

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十三枚目のカットですが、奥まで辿り着いて、時計を確認し、これなら、普通のペースで帰りも歩きながら撮れるな、と心づもりして、元来た道を引き返していたら、先ほどはまだ開店準備が捗っていなくて、目を引くような店頭の風景ではなかったお店が、準備万端、道教の「商売繁盛」?の赤い呪文入りの黄色い提灯も吊るされ、あちらから、祭総統に代表される、いかにも台湾の上流階級のご婦人、といった風情の方々がやってきたので、遠景に入って貰い、一枚撮ってみたもの。

Taipei2307_044.jpg
十四枚目のカットですが、今はもう、築地場外でも、観光客相手ではない飲食店向けの卸、仲買商は市場本体と一緒に豊洲に引っ越してしまい、ごく僅かに残った電動式ターレット以外は、かつての市場でのプロの移動手段を目にすることは少なくなってしまい、当然、ロッド式前後ブレーキで頑丈一点張りの自転車も絶滅危惧種に指定されて久しいのですが、ここ、レトロ感をレゾンテートルとしているかの如き迪化街では、そういった古めかしい道具がいまだに第一線で活躍しており、乾物問屋前で、落花生の干した束を載せ、荷台に屋号を示す木札を掲げた鉄製漆黒の自転車が置かれていたため、一枚頂いてみたもの。

Taipei2307_045.jpg
十五枚目のカットですが、時計と睨めっこで、あんまりのんびりしていると、空港でのラウンジ滞在時間が無くなっちゃうな、とか身に迫った危機にも気付かず、ノー天気に通りを撮影しながら歩き、もう入口も近い辺りまで来たところで、来た時はまだこの町の稼働時間的にはやや早過ぎたので、若い人達と遭遇することは稀有だったのですが、この時間になると、入口付近では、散策ないし買い物を楽しもうという若いカポ-達の姿もちらほら見られるようになり、なかなかオシャレで清潔感に溢れたロングのワンピを着こなした小姐とバミューダパンツの兄ちゃんが仲睦まじくお手々繋いで目の前を歩いていたので、有難く一枚頂いてみたもの。

今回の感想ですが、いやはや、海外ロケはイイですね、観光客の立場だと、人でもモノでも結構自由に撮れますし、声掛けても、成功率が全然違いますね、実は、この後、味を占めて、またすぐに釜山、そしてホーチミンなんか飛んじゃったんですけどね。

で、来週はコロナ明け久々のソウルツアーで一週スキップの予定です、ごきげんよう!!
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今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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