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深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Petzval optics interpreted by Zeiss ~Kinostar5cmf1.8 mod. to E by FGWG~

さて今回のご紹介は、もうちょい描写見せてけろ、との静かなるリクにお答えして、近年加工した改造レンズで重めなのを一発ガツンとお送りしたいと思います。
その名は、Zeiss Kinostar5cmf1.8。
元々は映画投影用だったとみえ、真鍮に磁石でくっつくほど分厚いニッケルメッキを施したT/Dで1:2.5程度の寸胴レンズは絞りもなく、バックフォーカスが1インチあるかないかというレベルなので、当然ライカマウント改造など出来ず、仕方なく、防湿庫の肥しになっていたのですが、α7RⅡについで、α7cも導入するに至り、フルサイズでの活用のメドが立ったことから、OMズイコーのヘリコイドを使い、ドイツから輸入した20枚ブレードだかの絞りを内蔵させたEマウントレンズとして蘇らせたということです。たぶん労力としては、前後のレンズブロックを使って鏡胴の作り込みから始めたDallmeyerのOscillograph2"f2.0並みに大変だったと思います。
では、2月上旬の浅草での試写結果を逐次眺めて参りましょう。
カメラはSONY7c、全コマ絞り開放AE撮影となります。

Kinostar5cm_001.jpg
まず一枚目のカットですが、深川から地下鉄を乗り継ぎ、メトロ線浅草駅に到着、まずは第一の定点観測スポットである雷門に向かい、目ぼしい被写体を探しましたが、なかなかやってこず、仕方なく、第二の定点観測スポットである美人茶屋あづまさんへの道すがら、土産物屋の店頭で薄化粧した兄ちゃんと着物がなかなか決まった姐ちゃんの東南アジアカポーが商店の店先の撮影を試みていたので、その様を有難く一枚頂いてみたもの。

Kinostar5cm_002.jpg
二枚目のカットですが、美人茶屋あづまさんは、往年の輝きは今何処?とばかり、店頭ではむくつけき漢がかいがいしく、製造兼物販を担当していたので、あっさりとパスし、第三の定点観測スポットである雷門柳通りと仲見世西側の側道との交差点に建つ文扇堂さんという扇の専門店店頭の新柄の団扇に描かれた河童のお皿にピンを合わせ、背景をグルグルにして一枚撮ってみたもの。

Kinostar5cm_003.jpg
三枚目のカットですが、思いのほか、主体は切っれ切れで、背景はカオスなカットが撮れたのに気を良くして、再び境内を目指すべく、国内外からの観光客でごった返す仲見世の通りに戻り、宝蔵門を目指して歩いていくと、伝法院通りとの交差点の手前、舟和と並ぶ和菓子の名門、梅園の建つ通りと交差する辺りに、誰が貼ったのか知る由もないですが、千社札よろしく、世界中のステッカーが幾重にも貼り付けられた丸い標識版が目に留まったので、梅園の店頭をバックに入れて、カオス的に一枚撮ってみたもの。

Kinostar5cm_004.jpg
四枚目のカットですが、更に左右を見まわし、誰かモデルさんになってくれそうな心優しい人類が居ないか、傍から見れば挙動不審者そのまんまで歩き通し、宝蔵門の下まで来た時、居ました、居ました、香港からやって来たという小姐二名組がお互いにガチマニアックなフィルム一眼レフで撮りっこしていたので、声をかけて、珍しいレンズで撮ってるんで、良かったら試しに撮らして!と声かけたら、可愛い方の小姐の方だけが、OKよ!とのことで、モデルさんになって貰ったもの。

Kinostar5cm_005.jpg
五枚目のカットですが、背面LCDで撮影結果をお互いに確認して、送ってね♪ということで、メアド交換し、小姐達と別れ、宝蔵門をくぐり、境内に入り、境内最初の定点観測スポットである人力ポンプに視線を走らせたら、冬の寒空ということもあり、当然のことながら誰もおらず、次いで、御神籤売り場に向かったら、韓国は釜山からやって来たというアガシ二名を発見、撮影の交渉をしたところ、どうせSNSかなんかに載せるでしょ、顔出ししなきゃOKとのことで、やむなくその条件で撮らせて貰ったもの。

Kinostar5cm_006.jpg
六枚目のカットですが、境内二番札所ならぬ二番目の定点観測スポットである手水場に足を運ぶと、もはやCOVID19禍以前を軽く超えたパーマントインバウンド状態の浅草では曜日、時間帯によっては、完全に日本人と外国人の比率が逆転してしまっていて、この午後遅くも、中国人の個人客が大量に徘徊していた上にインドネシア、タイ、フィリッピンなどから、円安の恩恵をしゃぶり尽くそうとばかり浅草寺に大集結し、ここでも、手水使いの意味を知ってか知らずか、形から入るの♪とばかりに手を清める親子連れが居たので、マルコメ味噌状の童子を主体に一枚撮ってみたもの。

Kinostar5cm_007.jpg
七枚目のカットですが、同じく本堂下の手水場で暫く観察していたら、如何にも寒い地方からやって来た観光客ですよ、と云わんばかりに巨大なフェイクファーもどきのベージュの襟巻を付けた赤い着物を纏った、鋭い目つきの小姐が慣れた手つきで両手を交互に清め始めたので、殆ど逆光ながら、鏡胴内の反射防止はしっかりと仕上げたレンズの挙動を確認すべく、えいや!と一枚撮ってみたもの。

Kinostar5cm_008.jpg
八枚目のカットですが、自分も手を洗い、口をすすいで、本堂に形ばかりのお参りをしたあと、次なる撮影スポット、元奥山エリアの、常盤堂プレゼンツ「風車の弥七モニュメント」へ向かおうと、本堂の西側へ歩き出したところ、伝法院裏のちょっとした公園広場みたいになっているところで、可憐な桃色の梅の花がほぼ満開に咲き誇っていたので、前回の彼岸花クローズアップに引き続き、ここでも頭の上の小枝の花にピンを合わせ、バックがぐるぐるの凄いことになっているのを確かめ、ほくそ笑みながら一枚撮ってみたもの。

Kinostar5cm_009.jpg
九枚目のカットですが、梅の花が咲く公園広場からは、「風車の弥七モニュメント」はそれこそ数十メートルの距離で、到着したら、やはり、いたいけな和装の男女やら、仕込みのモデルさんを連れたグループ撮影、ないし個撮影のヲヂサマ方が風車だらけの壁面前で順番待ちをしており、横から壁面を撮るのは列の対象外という暗黙のルールに従い、前の組が撮った画像を確認している隙に真横から手前三列め、中央の赤い風車にピンを合わせて一枚撮ってみたもの。

Kinostar5cm_010.jpg
十枚目のカットですが、「風車の弥七」モニュメントとは「西参道アーケード」を挟んで、反対側の壁面に、たぶん、山口県柳井市名物だったと記憶しているのですが、金魚提灯を垂木で組んだ格子の窓から吊るしているオブジェが設置されていて、ここも、なかなか愛くるしいく、都内では物珍しいオブジェなので、風車同様に記念撮影スポットとなっていて、並んでいた、何組かの国内外からのゲストが払底してから一枚撮ってみたもの。

Kinostar5cm_011.jpg
十一枚目のカットですが、境内から奥山にかけてのエリアはざっと流して、撮るだけ撮ったので、今度は、観音裏と言われる、昔ながら、とは云っても、戦後の焼け跡のバラック街の青空居酒屋の雰囲気を色濃く残した通りの様子を、この戦前産まれの曲者レンズで撮ってみようと思い、初音小路に足を踏み入れたら、ちょうど、好奇心旺盛な中国人小姐二名が、店頭のおでんを買い求めようと悪戦苦闘していたので、その微笑ましい光景を横から一枚頂いてみたもの。

Kinostar5cm_012.jpg
十二枚目のカットですが、初音小路から再び花やしき通りに戻り、今度は、ひさご通りのアーケードのを歩いて、米久本店をはじめ、昔ながらの佇まいの店頭風景や通りのところどころに口を開ける、昼なお薄暗い路地や裏通りの様子を撮ってみたいと思い、まずはさっと流して、カメラを提げて歩くのは命懸けとの下馬評もある、千束エリアとの境界である言問通りとの交差点手前まで行って、昔ながらの手書き提灯屋さん店頭の看板代わりの赤提灯を一枚頂いてみたもの。

Kinostar5cm_013.jpg
十三枚目のカットですが、また元来た道を戻り、花やしき通りとの交差点で西に進み、いわゆる六区映画街と云われたかつては映画館やら芝居小屋が建ち並び、今も健在ですが、某お笑いの大御所が前座を務めていたというストリップ劇場などがあちこちに点在する通りに、もしかして、芝居小屋の前で、役者さんが呼び込みなんかやっていないか、期待して足を運んでみたのですが、期待はずれ、ROX前の通りの大道芸を代わり一枚撮ってみたもの。

Kinostar5cm_014.jpg
十四枚目のカットですが、そのまま六区映画街を南下し、すしや通りを経て、雷門通り経由、田原町まで撮りながら歩いて、田原町の駅から地下鉄に乗って、末広町まで移動し、イブニングティーでも楽しもうかと思ったのですが、日暮れまでにはもうちょい撮れるな、と思い、すしや通りと交差する新仲見世通りから再び仲見世通りに戻り、その途中、店頭で物販をしている小姐と行列している小姐の服装が冬っぽかったので、一枚頂いてみたもの。

Kinostar5cm_015.jpg
十五枚目のカットですが、仲見世通りの起点、雷門までもう少し、という辺りで、東側の側道にある創作スィーツだかを商うお店の周囲に観光客が十重二十重に群がって、並んで買えたお客は、せっかくの獲物を食べて、この世から消失させてしまう前に映えを楽しまん、とばかりに工夫して撮っていたので、その様子を知らっと横から一枚頂いてみたもの。

今回の感想ですが、苦労して加工した大物レンズ、なかなか楽しめました。でも・・・設計に苦心し、加工にも時間かけた絞り機構、結局一回も使わずじまい、これじゃ、デザイン的に絞り無し仕様のHugomeyerとかGeneral Scientificのペツバールと何ら変わりなかったですね(汗)

次回は、久々のねぷた祭り、日本の熱い夏祭りを二本のf1.2レンズ追い駆けたレポートをお送り致します、乞うご期待!!

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  2. Eマウントレンズ
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今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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