深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

超級透鏡之間的競爭~Cine Planar50mmf2.0~

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【撮影データ】カメラ Leica M8 ISO Auto 全コマ開放 絞り優先AE
実は今回はArriflex-Cine-Xenon 50mmf2の出来があまりに良すぎたので、前キャプテンで沖縄でのゾナーのシェイクダウンテストの際にお目付け役として同行し、主役を喰ってしまうかの如き、はしたない?挙動を見せてしまったCine-Planar50mmf2を対戦相手として、またもや同行させていました。

このところ、このレンズはRank Tayler HobbsonのKinetal50mmf1.8にキャプテンの座を奪われ、次々と他のレンズのデビュー戦の出鼻をくじく、というようなヒールの役割を演じ切っている感なきにしもあらずですが・・・

さて、前置きはさておき、さっそく作例を見ていくこととします。

まず一枚目。これは鎌倉小町通りを離れ、江ノ電で江ノ島まで下っていく途中、水先案内人を務めて戴いたヂモティのAさんがここイイですよ・・・と言われたので、一同途中下車した、極楽寺という駅至近の古着屋の軒先に吊るさがっていた、唐金の灯篭です。
合焦部の灯篭は緑青の風合いまでかなり忠実に写していますが・・・後ボケがイケマセン。電線が3本近くに分かれて見えてしまい、二線ボケどころでない見苦しいボケを形作ってしまっています。
この評点では、Xenonの圧勝。

そして二枚目。江ノ電で途中下車し、漁港に立ち寄ったり、昼メシを食べたりして艱難辛苦の挙句、やっと江ノ島につきましたが、ここで撮影スポットである、地下道の上がり口に佇み、アイデアルモデル?を待ち続けます。
そこにまんまとやってきたのが、北朝鮮の衛兵もかくやあらんとばかりに脚の上げ下げがまったく一緒に歩く、今風のお嬢さん2人組。
スロープの根元付近にカメラを構えたアヤシゲなおぢさん数人がたむろしているのに一瞥をくれただけで、すたこらさっさと江ノ島方面へ歩き去ります。
これは写真撮ってもイイんだね♪という暗黙の了解と捉え、背景が煩くならないポイントで一枚戴き。
このカットで本人が感心したのは、モチーフであるお姐さん2名が後から貼り付けたかの如く、背景から浮き上がって写っていること。普通の35mm判のカメラぢゃこんな写りはしませんぜ・・・
ってことで、これはXenonと引き分け。

そして3枚目。これは島での作戦行動(ミッション)を終え、次なる目的地である横浜関内に向かう際、江ノ島への参道の脇にあった古井戸のポンプを至近距離から捉えたものです。
ここでは言うまでもなく、後ボケは二線気味になって、やや煩く、至近距離でのキレみたいなものもちょいとモノ足りません・・・尤もこれを柔らかい描写、と捉える向きもあるでしょうが、撮影者本人は解像力番長に恋してますから、そんな言葉に耳を貸すとは思えません。
よって、キレと後ボケの評点から、Xenonの勝ち。

最後の四枚目。これは一日の撮影とICS@松屋での物欲を封じ込めるという精神修養を終え、健全な食欲を発散させるべく、オフ会として、銀座で晩メシを食べに移動している際、ショーウィンドのディスプレイがふと目に留まったので、一枚戴いたものです。
ここでは、むしろソフトな写りと優しい発色、そして立体描写力を活かして、雰囲気有る画像に仕上がっていると思います。こんな奥行きの狭いショーウィンド内でも最前列の帽子と後ろの方の帽子では距離感がなだらかなボケによって表現されていますから。
このカットでは、Planarの僅勝。

ということで、今回は製造者の独断と偏見ながら、意地悪な教育者たるPlanarはニューカマーである筈のArriflex-Cine-Xenonに返り討ちに合ってしまったようです。

しかし、このPlanar一族でも設計の古いこの個体に代わって、Arriflex-Cine-Xenonや、Cooke Speed
Panchro ser.IIと同じ世代の個体が旧キャプテンの仇討ちをせんと、虎視眈々と防湿庫の中で爪を研いでいるのでありました。

テーマ:ライカ・マウント・レンズ - ジャンル:写真

  1. 2009/03/11(水) 23:04:23|
  2. Cine-Planar
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:8
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コメント

こんばんは、今週は気合いが入っていますね。
説明にすごく説得力があって、両雄の差異が浮き彫りになったと評価したい企画です。
ブラナーは意外な苦戦ですね。
ボケがこれほどダメだったのは、以前の作例が夜間だったからでしょうか気付きませんでした。
ただ、表現がしづらいですが、空気感のようなものはびしびしと感じられる描写のようにも思います。
帽子を撮ると抜群の描写をするということでは、ぜひあの方の帽子も狙っていただきたいものです。
ともあれ、先般入手されたという年の離れた優秀な弟さんにリベンジを託すというところでしょうか。
  1. 2009/03/12(木) 00:59:47 |
  2. URL |
  3. 中将姫光学 #sKWz4NQw
  4. [ 編集]

中将姫光学さん
ありがとうございます。
フィルムではなかなか気付くことの無かったレンズの素性のようなものが、白魔の魔力により、次々と白日の下に晒されていきます。

そういえば、Cine-Planarをキャプテンに選んだのは、まだ黒奴ことR-D1Sすら導入前のBessa R3Aによるセンチュリアの画像によるものでした。

そういった意味では、まだ白魔で実力試験をしていない最右翼としては、Cine-Heligon50mmf2あり、Speed Panchroの32mm、40mm、50mmの三兄弟があります。
また、Arri用レンズではありませんがRodenstockのApo-Rodagonも是非Mマウント仕立てにして、白魔で使ってみたい個体です。

しかし、どんなレンズを以ってしても、あのお方のUV/IRカット帽子の中身、即ち合成樹脂ギワク?の毛髪、空洞化?が危惧される頭部については写しようがないのではないでしょうか(爆)
  1. 2009/03/12(木) 14:19:59 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

デジタルは
フィルムと違って、手厳しいですからね~~~
まあ、そのぶん
裏表の無い絵を写してくれるのですが・・・・(^_^;)

帽子の写真は
質感が良く出ていると思います。

二枚目の地下道から上がったところは
いいポイントですよね。
私も、駅側の上がり口のほうから
江ノ島の方向に向かって
逆光で浮かび上がる人を写そうとがんばったのですが
なかなか良いタイミングに出くわせず
ずっと立っていると
変な人に間違われると不味かったので
泣く泣く帰った覚えがあります。

ところで
疑惑の帽子ですが
もしかしたら最新鋭のステルス処理が
なされているかも知れません。
なにせ
ノーベル賞にも貢献した
くらげの成分でしょうからね~~~~笑
(ごめんなさい~~~w)
  1. 2009/03/12(木) 21:39:53 |
  2. URL |
  3. 山形 #-
  4. [ 編集]

さすがにPlanarと名付くだけあって、濃厚な色合いです。しかしながら、シュナイダーに比べ精彩を欠いたかの様子は、撮影条件あるいは固体設定上のミス・マッチか?(などと、じつは妙な期待感に惑わされ・・・)

 CINE-PLANARの思い出された記憶

 シネ・プラナーといえば、太古とはいえぬ大昔、学生時代課題で仕方なく全編鑑賞したキューブりックの「バリー・リンドン」という、途方もない長編映画で名を馳せた0,7レンズが有名です。(欠伸を堪えながら)御覧になった方々も居られるのではないでしょうか。
 そんなことを思いつつ、Mマウントにしかもこちらは撮影時間も一秒にも渉らないスチル・ピクチュアだ!と、転用されたこちらf2レンズも、Planar得意といわれる人物撮影に際しての、ある種(?)極限的な設定条件においては飛びぬけた描写を写し出しえると確信しつつ、次回に期待を繋がせて頂きたいと存じます。
  1. 2009/03/12(木) 22:46:14 |
  2. URL |
  3. Treizieme Ordre #-
  4. [ 編集]

山形さん
有難うございます。
そーですね、今回の撮影は数を頼みに・・・って感なきにしもあらずで一人で通行人狙ってヘンなカメラ構えていたら、地元民ならずとも怪しむかもしれませんね(笑)
いつもお一人でこの界隈で撮っておられる方から、世間の目も厳しくなってスナップもやりづらくなった・・・といったお頼りを戴いたのは去年のことでした。

帽子ですね・・・う~ん、あのナゾのお方の帽子は実はハイテクで、頭のてっぺんのお皿の水を乾かさないようにしながら、知恵熱で発生した水蒸気をマイクロスチームタービンで発電し、しかもそれを外気で冷やしまたお皿に戻すというミニ地熱発電みたいな機能とその熱サイクル、偽装の合成樹脂毛髪が見破られないよう可視光は勿論、長波長で透過性の高い近赤外域とか、短波長でエネルギー密度と解像力の良い紫外線、X線、ガンマ線なども通さないようにしているハイテクの塊なのですから、狙ってもムダでしょう(笑)
3/28の宴で酔った勢いで毟り取ってみたらいかがですか・・・頭皮ごと取れて、ナゾの高分子粘性体が出てきても当局は一切関知しませんが・・・
  1. 2009/03/13(金) 12:45:37 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

Treizieme Ordreさん
有難うございます。
難しい映画はとんと縁が無いのですが、つい最近でPlanarの兄弟が活躍した映画といえば、ニュージーランドまでCarlZeiss社がプライムレンズ一式を空輸したことで、アカデミー賞授賞式でも有名になった「指輪物語」があります。

動画なので、あまりボケとかは気にならなかったですが、やはり立体感はさすが・・・と思わせる描写でした。

しかし、翻って今回の勝負では、どうやら撮影条件とか個体設定上のミスマッチ(加工のでき、不出来??)の違いではなさそうです。
何とならば、教科書的というか、レンズのハウツー本的に申し上げるならば、解像力の高いレンズほど、後ボケは芯が残り、2線以上のボケを生じやすい・・・とありますが、Xenonはこちらより明らかにシャープなのにボケは全くナチュラルで、それでトータルの性能が高い、と判断出来るのではないかと思います。
従って、この世代のプラナーではArriflex-Cine-Xenonに太刀打ち出来ないので、Bマウント最終モデルのPlanarに期待を繋いだということです。
  1. 2009/03/13(金) 12:59:53 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

はじめまして。

こんにちは。
以前から「レンズ改造」に興味あがり、楽しみに拝読させて頂いています。
毎回、質の高いレンズ改造と作例を唸りながら見入っています。
興味深いレンズとカメラを組んだ画像、それによって撮影された写真、と、僕にも解りやすい解説。
レンズの素性などまったく知識がありませんが、完成された改造レンズの姿をページをめくって拝見するだけでも時間を忘れてしまいます。
そろそろ読み逃げするだけでは気が引けて来ましたので、一言、お礼を足跡を。
こんなに貴重な情報を公開して頂き、ありがとうございます。
勝手ながらリンクさせて頂き、今後も楽しみに拝見させて頂きます。
  1. 2009/03/14(土) 09:52:52 |
  2. URL |
  3. andoodesign #WSWGH/LU
  4. [ 編集]

Re;はじめまして

andoodesign さん
こんにちは。
ご挨拶、コメントご丁寧に有難うございます。
また、リンクお申し入れの件、重ねて御礼申し上げます。

実は中将姫光学さんからのご紹介で貴サイトについては、かねてより存じ上げておりましたし、かのYakumo50mmf0.95の改造を検討していた頃は、かなり実物、及び作例の貴重な情報を戴いておりました。

本来ならば、そろそろ、貴サイトともう一箇所、中将姫光学さんのご紹介で・・・ということで、当方から相互リンクをお願いしようかと考えていたところです。

また、当方からもちょくちょく、貴サイトを訪問させて戴きますので、今後も宜しくお願い致します。
  1. 2009/03/14(土) 13:10:35 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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