深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Cooke Ental 2"f3.5改L39

ental1.jpg
英国が戦争末期に産み落としたバルナック型35mmRFの傑物Reid・・・
その標準レンズと言えば、Rank Tayler Hobson社のこれもまた名玉アナスティグマット2"f2
とがセットされているが、いかんせん高いし、しかも、イタリアデザインの美しいアルミ鏡胴に収められたアモタルアナスティグマット2"f2のLマウント持ってるんで、あえてキレイなボディだけで相当安く買えたのに、同じ性能?の専用?のレンズまで買う気は起きなかったのです(要は根がケチ!)。

ところが、電子湾で、或る日、総真鍮削り出しの鏡胴でしかも、トラファルガー広場とか、コンコルド広場に有るオベリスクみたいに荘厳な刻印が刻まれている端正なレンズが結構、お手ごろな値段で売りに出されているのを発見しました。
落札した品物が届いてみて判ったのが、これは引伸用レンズの旧型で今主流の39φネジのものでなく、半端な口径のネジだったんで、誰も手を出さなかったのだろうということ。

しかし、この端正な佇まい、青い眼をしたセルロイドのお人形さんのような美しいレンズに魅了され、何としても、再び命を吹き込んで上げたいと思いました。

そこで色々と思案の挙句思いついたのが、やはり腐るほど買い込んである、インダスター22のUFOみたいなパンケーキヘリコイドを大幅に穿孔してそれをマウントにしてしまうというアイデア。
早速、手持ちの十数個の中からキレイで色調が比較的真鍮にクロームメッキしたものに近く、作動も滑らかなものを拠って調整の上、組み直し、これを加工してこの端正な女王様の国の老紳士の如きレンズを固定してL39のレンズとして蘇らせたわけです。

今回は資料もなく、光学系を分解もしなかったので、エレメントからの反射光と、写りにより推測するしかないのですが、おそらく構成は変形ガウス、或いはクセノタータイプと思われ、驚いたことに、テーラーホブソン一族に共通する、暖色系でこってりとしながらも、階調再現性も程良く、開放から合焦部は極めてシャープ、ボケはなだらかという、作った労苦も忘れさせてくれる素晴らしい逸品になったと思っています。

テーマ:ライカ・マウント・レンズ - ジャンル:写真

  1. 2008/01/10(木) 22:34:31|
  2. その他Lマウント改造レンズ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

この写真で見る限りでは、オリジナルのレンズのように見事に一体化しています。
そして、この刻印にはしびれますね。
Reidの刻印も、また格好よしですし。
やはり苦労したものほど、思い入れも一入でしょう。
うらやましい限りです。

Cine-Xenonの回答、ありがとうございます。
Cineと付くと特別なものなのですね。
電子湾といえば、こんなのはいかがでしょう。
"Cine"でなく"Kino"ですが。
http://cgi.ebay.com/Astro-Rosher-Portrait-75mm-DeBrie-Super-Parvo_W0QQitemZ190188660973QQihZ009QQcategoryZ4691QQssPageNameZWDVWQQrdZ1QQcmdZViewItem
  1. 2008/01/11(金) 00:50:14 |
  2. URL |
  3. 中将姫光学 #-
  4. [ 編集]

中将姫光学さん
コメント有難うございます。
加工素材選びから苦心しただけあって、手にとっても簡単には改造レンズと見破られることはありません(笑) レンズの開放値もf3.5なら、ヘリコイド部の距離/被写界深度インデックスも3.5から始まっているので、一見、オーダ-メイドの純正レンズにも見えてしまいます。まぁ、相当疑り深い人が鏡胴とヘリコ/マウントの材質の違い、そして刻印の字体の違いを見て、あっ!これ改造レンズなんだ・・・と気付くくらいでしょう。

電子湾の情報提供有難うございます、真鍮鏡胴のバーレルっぽいレンズは買ったことがないですが、よく見て、考えておきますね。

実は、一頃、改造出来るかどうか、冷静に考えずにとにかく珍品レンズを漁っちゃった時期があって、いまだに工法も考えつかない、或いは部品の手配が付かないレンズヘッドが累々としてますんで・・・
  1. 2008/01/11(金) 09:42:36 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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