深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

打完球之後,第一次描述①~Canon L50mmf1.2~

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【撮影データ】Leica M4OD Canon L50mmf1.2 スーパーセンチュリア100 全コマ開放
さてさてお立会い・・・普段は横着で一週間にいっぺんの更新さえもサボりがちな当工房主人が今週もまたスペシァル大サービスの臨時更新。今回は川崎での移植手術前、深川で再生した直後の作例のご紹介です。

さて、早速の一枚目。これも偶然、浅草での撮影で今から2年ほど前のことになりますが、まずは伝法院通りの呉服屋の前で獲物を待っていると、修錬会のメンバー全員の毛穴からアドレナリンが噴出すほど魅力的な女性がすたこらさっさと通り過ぎます。
とっさにシャッター切ったのがこの一枚。
肉眼では気が付かなかったのか、中玉の曇りは徐々に進行していたらしく、ハイライトになる美女の衣装はあたかも"天の羽衣"の如くフレアがかってしまい、奇妙な印象を与えています。
しかし、髪の毛の一本一本、服の皺のひとつひとつまで余すことなく捉えられており、この当時から素晴らしい性能を秘めていたことが垣間見えます。

続いて二枚目。これは一枚目の写真の僥倖の直後、只ならぬ雰囲気を察知して90°左に向くと、おぉぉぉ、外国人のバックパッカーのお姐ちゃん達が颯爽と歩いて来るではないか♪ということで、これも慌ててシャッター切った一枚、意図しないレリーズに右端には地縛霊みたいものまで写り込んでしまっています。
このカットでも移植手術後に較べれば、まだかなりフレアっぽいですが、まぁ、このくらいは味わいの範囲でカンベンして貰える範囲のような気がしないでもありませんが、やはり、この金髪の描写の如く、合焦部のシャープネスは元々の素性を伺わせるに十分なものではないでしょうか。

そして3枚目。これも伝法院通りの古道具屋さんの前の借景で一枚戴いたものです。被写体は武者絵かなんかの勇壮なモチーフのものですが、画自体の雰囲気は勿論、描かれた布の質感まで余ますところなく捉えきっています。
一方、後ろはなだらかにボケてイイかんじになっています。

最後の四枚目。これはすしや通りに有るラーメン屋さんで開け放ったまま営業しているので、如何にも土地の雰囲気が結晶化したような東京ローカル色漂うわせたおぢさんが一人ラーメン啜っていたので、その哀愁に満ちた後姿を一枚戴いたものです。
ここでも、この稀代の大口径レンズはおぢさんの緩んだカラダにぴたっとくっついた国防色のTシャツの皺のひとつひとつまで余すことなく捉え、また店先のかなり強い点光源にも、ゴースト、フレアを発することなく作画しきったのです。

このフレアが移植で殆どなくなってしまったのはまさに嬉しい誤算でした。

テーマ:ライカ・マウント・レンズ - ジャンル:写真

  1. 2009/03/19(木) 23:54:41|
  2. 深川秘宝館
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

こんにちは。
レンズ移植の前後でこれほど写りが変わるとはびっくりです。
僕は、比較的フレアが少ないキャノンTV 50mm F0.95 を持っていますが、この時代のキャノンはレンズ個体差がかなりあるということですね。
もしかすると移植で出た性能は当時キャノンが発売した時より優れているかもしれませんね。
  1. 2009/03/20(金) 09:24:07 |
  2. URL |
  3. andoodesign #WSWGH/LU
  4. [ 編集]

andoodesignさん
有難うございます。

個人的経験ではありますが、キャノンのレンズは幾つか2コイチ、4コイチみたいなことをやってみましたが、そのどれもがベースの性能より上がりました。

元キャノン従業員の方々が興した川崎の某修理業者さんの証言をも考慮すると、キャノンの高性能ラインナップは設計性能は極めて高いが、検査歩留まりを上げ、出荷数を確保、即ち再調整、再検査を少なくするため、かなり検査基準が緩めに決めていたのではないかと・・・

従って、シロウトがエレメント単位に分解して、ちょいちょいと調べて何通りか組んでみたら元よりかなり満足行く写りになることも有り得るでしょうし、反対にぜんぜんダメだこりゃ・・・っていうので組めば、オリジナルよりもっと写りがヘンなことになっちゃうものが出来るのかもしれません。

しかし、このK東カメの交換玉の性能によるところも大きく、これはまさにクルマのエンジンで言えばコンロッドをチタンに換えてピックアップが格段に向上したかのようです。
  1. 2009/03/20(金) 09:37:43 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

一枚目の白い服のフレアは
やはりクモリによるものなんですかね。
私は、あっても良い派なので
この描写が無くなると、ちょっと悲しいかも・・・・笑

3枚目の写真はシャープですね。
色も渋くていいです。

そのうち、プリントした写真で見比べたいですね♪
  1. 2009/03/21(土) 18:46:31 |
  2. URL |
  3. 山形 #-
  4. [ 編集]

山形さん
有難うございます。
確かにこのフレアは場違いな今風のスリムな美女に光芒を与え、映画のスペシャルエフェクトのようなテイストにも見えますね。
しかし、これはまさに怪我の功名であって、やはり、設計時にも、出荷時にも無い余計なものは無い方がイイです。
だって、例えば明るい日中のカットで、色白の秋田美人の女子高生の可愛い顔にフレアが大量発生して、光るのっぺら坊みたいになっちゃったら勿体ないぢゃぁないですか(笑)

それから3枚目の写真、やはりこのレンズの優秀さを表していると思いました、何とならば、今日、たまたま、或るレンズ2本のテストに浅草まで出かけ、同じようなカットを撮ったのですが、合焦部のキレ、後ボケの挙動、発色の力強さをとって見ても、これと較べたらひけてしまいましたから・・・
  1. 2009/03/21(土) 22:44:52 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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