深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Born in Singapore, but its performance may be more than expected~Voigtraender Colour Ultron 50mmf1.8~

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さて、今宵のアップは、久々の遠距離ロケによるお披露目、秘宝館に新入りのVoigtlaender Color Ultron50mmf1.8をご紹介致します。

まず、このレンズの氏素性ですが、ドイツの最古参のレンズの名前こをついていますが、産まれは南十字星輝く南国の港町、昭南島ことシンガポールで1974年頃、ローライのコストダウンの一環として設立されたローライシンガポール工場で産まれました。
構成は6群7枚の後群1箇所のみ貼り合わせ、特徴としては、「凹ウルトロン」と呼ばれるように最前面が平らになっているタイプのマルチコートも美しい宝石のようなレンズです。

今まで気になっていたのですが、なかなか買えるようなシチュエーションに巡り合えず、先般のICSのHタカメラのブースで有名な遺跡の二つ名を持つ著名人の方から買い求めさせて戴いたという奇遇の玉でもあります(笑)

では、さっそく、当日の行動の沿って、実写結果を見て参りましょう。ロケ地は古河もも祭り2015、カメラはX-Pro1、全コマ開放での絞り優先AE撮影です。

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まず一枚目のカットですが、古河駅から期間限定のシャトルバスに乗って、会場入り口に着いてから、屋外ステージの見える会場内に向うと、まず目に入るのが、この導水路の巨大な鋼鉄製バルブゲートで、後ろも開けていますし、2mくらいでの描写性能と後ボケ見るのにちょうど良いので毎年撮っているもの。

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二枚目のカットですが、屋外ステージで熱唱するヲヤヂバンド各位の前を通り抜け、露店と丸テーブルが並ぶお祭り広場
を通り過ぎ、まず向ったのが、巨大な築山で、さて、どう攻めようかいな、とか麓から山頂方面を眺めていたら、いたいけな極小姐が奇声を上げながら駆け下りて来たので、目の前の木のところを通り過ぎる刹那を狙って捉えたもの。
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三枚目のカットですが、実はこのローライ製の一眼レフ用レンズ、最短が45cm以下のようなので、せっかくの桃祭りということもあり、築山のちょい先、観光協会屯所近くの桃畑で、全体的にはせいぜい3分咲きというところだったのに、見事な鼻を咲かせていた枝もあったので、それを最短距離付近で撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、観光協会屯所横のちょっとしたスペースの芝生上で、いつも大道芸みたいなイベントやってるのですが、今年は紐を使って、ボビン状のものを自由の操るという兄さんが陽気に演じていて、こういう催しにはほぼお約束の最前列のいたいけな極小姐の姿を認めたので、その極小姐にピンを合わせて芸人の兄さんを後ボケとして撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、おなじみ恒例のミス桃娘、正しくは華娘の小姐にお願いしてモデルさんになって戴いたカット、まず一枚目は観光協会HPによれば、「藤原夢子」さんという21歳の大学生の小姐で、特技は回転寿司を36皿食べることとのことで、工房主は個人的には食の細い女性よりは、溌溂と美味しいものをお腹一杯笑顔で食べる小姐に憧れちゃうので、ポイント高かったです。

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六枚目のカットも華娘の小姐のカットで、こちらは、同じく観光協会HPによれば、「米澤早紀」さんというやはり市内在住の21歳の大学生の小姐で、趣味がとても渋く、神社の朱印集めだとかで、こんな美しい"歴女"が出没したら、さぞや、神社仏閣も、日本人/中国人比率が改善されるのではないかとも秘かに思った次第。

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七枚目のカットは華娘シリーズ最後のカットで、「大塚きらら」さんという20歳の市内在住の大学生の小姐で、 去年は気付かなかったのですが、かなりの固定ファン?が居るらしく、他の華娘の小姐各位が声掛けたら、気軽にモデルさんになって貰えたのに、何と、4名もの先客が、バカみたいに大きなデヂ一眼にディフューザー付きのストロボなんかつけて、前回撮った時のプリントなんかご本人に持たせて撮っていたので、その後にモデルさんになって貰ったもの。

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八枚目のカットですが、ゴーヂャスなモデルさんナノ撮影会の興奮も醒めやらず、観光協会屯所付近の桃畑内を散策していたら、桃の樹の下を緩やかにカーブしながら流れるせせらぎが目に付いたので遠方の桃の群生をバックに一枚撮ってみたもの。

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九枚目のカットですが、次なる撮影スポットせせらぎのほとりに立つ、手漕ぎポンプで遊ぶ童子達を撮らせて貰おうと、歩いて移動していたら、木立の切れ間から降り注ぐ陽光がせせらぎの表面で照り返し煌き、その背後のヂャブヂャブ池ではいたいけな童子達が無心に遊んでいる姿が微笑ましかったので、その光景を一枚撮ってみたもの。

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十枚目のカットですが、お目当ての手漕ぎポンプが無粋な木枠に囲まれて、それで戯れようという健気な童子達の姿も皆無だったので、仕方なく、池の辺りを散策しようと歩いていたら、去年は全く気付かなかった、池のほとりの石碑に「浄円坊の池」と書いてあって、その石の質感が何となく背後の池の水面や遠景の桃畑とマッチしていたのでややローアングルから一枚撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、園内で遊具の有る辺りであれば、いたいけな童子達の遊ぶ姿でも撮らして貰えるだろうとの読みで、築山の北側を通っていたら、大きな樹の下で枝でブランコしている、プチヂェーンと、雄叫び上げて走り回るプチターザンみたいな一行が居たので、その場から樹の佇まいもろとも一枚撮ってみたもの。

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十二枚目のカットですが、遊具の有るエリアのちょい手前の桃畑で幼い兄妹の写真をスマホンで撮っている若いヲヤヂさんが居たので、時候の挨拶なんかしながら近寄って、珠玉の如きお子様がたをモデルさんに差し出してけろ、とお願いしたところ、兄さんは、イヤダぁぁぁとか奇声を上げて逃げ出し、妹さんの方も、何云ってんぢゃ、このヲッサンはという雰囲気でまぢまぢと工房主を眺めていたのですが、「お嬢ちゃん、お願いだから一枚撮らしてよ、とっても可愛いんだから」とか慣れぬお世辞云ったら、ヲヤヂさんが、ほれ、大人をあんまり困らすなよ、と苦笑いで説教し、まぁそこまで云うなら仕方無いわね・・・というカンジでモデルさんになって貰ったもの。

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十三枚目のカットですが、時間も15時半近くになって来たので、そろそろお江戸にも戻る仕度せにゃということで、もう一回観光協会の屯所寄って、お礼と再会を期したエールでも送ろうと、屋外ステージ北の水路付近を歩いていたら、柳の木の下に渋い赤黒チェックのネルシャツ着こなした渋いロマンスグレーのオヂサマがしゃがみ込んで、しきりに水面のメダカなど眺めているご様子だったにですが、その遥か彼方を、シックに和服なんか着こなした妙齢のご婦人二名が通り過ぎて行こうとしたので、急遽、ヲヂサマからご婦人二名にピンを切り替え一枚撮ってみたもの。

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十四枚目のカットですが、屯所で挨拶をしてさぁ帰ろうということで、元来た道を歩いていたら、公園内の南側にある、ミニ築山上でいたいけな童子がヒーロー戦隊もののマネなんかして、こけつまろびつ元気に芝生で戯れていたので、その様子を一枚撮ってみたもの。

今回の感想ですが、確かにこれだけのピーカンだと、開放値f1.8の玉を開放で使うのは、いかな最高速度1/4000でもちょいきつく、だいぶ露出オーバー気味になり、結果としてコントラストと彩度が稼げなかった気もしましたが、このリベンジはたそがれの下町辺りで実施すれば、またこのレンズの違った一面も見えるのでは、ということでした。

さて、来週は古河桃祭りの裏番組というか、伴走機による絢爛豪華なカットをお送り致します、乞うご期待!!
  1. 2015/03/22(日) 17:59:04|
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The great heritage for me~Nikkor 5cmf1.4S・C~

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さて、お待ちかね、今週のご紹介は先のオリムパスペンF用ズイコーオート38mmf1.8と同じく、遠縁のおぢさんの形見として約35年ぶりに本来の持ち主となるべきだった工房主の元へやってきたNikkor5cmf1.4S・Cライカマウントの実写レポートをお送り致します。
このレンズは、云わずと知れたツァイスのゾナー5cmf1.5を範として設計された3群7枚構成のコンパクトな大口径玉で、1956年に発売され、自社のS2用のSマウント内爪バヨネットとライカマウントL39のものが造られました。
但し、ライカマウントのものも、幾つかバリエーションがあったようで、この個体、ニッカIV向けに供給されたオールクロム銀のダブルヘリコイドの接写機能付きのものは、後になって出て来た黒鉢巻のものに較べると若干シャープネスに劣り、マイルドな描写だったという印象を受けました。
ではさっそく実写結果を見て参りましょう。
カメラはLeicaM8の絞り優先AEモードでの開放撮影、ロケ地は築地市場から勝鬨です。

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まず一枚目のカットですが、築地に着いて、まずは超人気店が混んで入れなくなる前に腹ごしらえと、一同打ち揃って某有名穴子料理店へ向い、食事の後、お店から出てすぐに目に付いた、通り沿いの豪華な銅板貼りの店舗兼住宅の佇まいです。

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二枚目のカットですが、まずは当日の安全祈願と被写体の豊漁を願い、築地の鎮守である波除神社にお参りしようと境内に足を踏み入れてまず目に付いた、巨大獅子頭社下の手水場の流水の中に沈んだ賽銭が陽光に照らされて揺らめく様で、水面にピンを合わせて、雰囲気を写し取ろうとしたもの。

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三枚目のカットですが、一同、築地市場内の外部者向けの食堂や売店があるエリアを散策しながら、何か面白いものは、と物色していたのですが、そこで、久々に海外からのシェフのような人物が、自分の好みの刃物を誂える様子がお店の外から丸見えだったので、一心不乱にコンパデヂで記念撮影か記録撮影を行っている仲間の女性の後ろから、店内の様子ともども一枚戴いたもの。

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四枚目のカットですが、市場の北側、ちょうどガンセンター方面への出口に繋がるバックヤードでいつも産地直送の氷詰めの鮮魚の小分けやら詰め替えを行う作業場が見学出来るエリアまで移動したのですが、あいにくそのような作業は行っておらず、仕方なく、建物やら設備を撮ってお茶を濁そうかと思った矢先、居ました、居ました、海外からのゲストが・・・そう、華南固有のゲコゲコした発音の中国語で愉しそうに語らいながら買い求めたばかりの安全この上ない日本製のイチゴを宝物の如く愛でながら堪能する中国人一家が居たので、お得意の中国語フレーズ「 ネイハオ! カーィパイヂャォ・マ?」と声を掛けたら、「ハィ!」との快諾戴いて若いヲヤヂさんと娘さんを撮ろうとしたところ、アタシも入る~とばかりのオモニも凄い勢いで画面に入ってきたので、ハィポーズ!と一枚戴いたもの。

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五枚目のカットですが、市場から場外へ出ようと歩いていたところ、かなりの勢いで築地名物のターレットがやって来たので、やり過ごしながら、背後の築地市場らしい建物が建ち並ぶエリアを背景に抜き打ちの一枚を撮ったもの。

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六枚目のカットですが、場外市場の辺りを暫し撮ってから月島方面へ移動しようということで、堅気の一般人相手に海産物を売り捌くエリアに足を踏み入れたのですが、天気の良い土曜の午後ということもあって、いつも通りの大賑わい、そこで長いさらさらの茶髪を午後の陽光に煌かせながら、虎視眈々と品定めをする、いたいけな小姐二人組が居たので、これ幸いと一枚戴いたもの。

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七枚目のカットですが、買い物客や観光客、そして我々のような物見遊山の冷やかしも含め、大勢の人出でごった返す場外の商店街をモデルさん物色しながら歩いていたら、後ろ姿ながら、これまた午後の陽光にさらさらの茶髪が煌き、一本一本が透けて見えるようなシーンが目の前にあったため、このレンズのテストケースに最適とばかり一枚戴いたもの。

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八枚目のカットですが、いつもよく撮らせて戴く、海老、蟹専門の卸兼小売のお店で、店先にて商談中の店員さんの邪魔にならないように気を使いながら、店先の蟹類にピンを合わせ、奥でタラバか何かを捌くお兄さんの姿を背景として一枚撮ってみたもの。

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九枚目のカットですが、海老・蟹専門店のちょい先の確かチェーン店系寿司屋さんの店先辺りで傍らの仲間の小姐とカン高いマンダリンの中国語で話し合いながら戦果を確認していた美形のリアル小姐の冬の陽光を浴びて燦然と照り返す白いダウンヂャケット姿が目に留まったので、人垣の合間から一枚戴いたもの。

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十枚目のカットですが、まさに撮影開始前の鎮守様へのお参りのご利益か、如何にも幸せそうな金髪碧眼の白人の父娘が冬の陽光をもろに浴びながら、美味しそうにソフトなんか食べてる姿が目に留まったので、ここでは英語で声を掛けて、モデルさんお願いしたら、快諾戴いたので一枚戴いたもの。

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十一枚目のカットですが、晴海通り経由、まさに月島へ移動せん、という矢先、一行のうち一名がはぐれてしまったようなので、仕方なく、電話で所在地確認して、待ちながら目の前にあった元は銅板貼りだったと思しき外壁を悪趣味な?オフホワイト塗りに換えてしまった店舗兼住宅をモチーフに往来を行き交う人々の様子を一枚撮ってみたもの。

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十二枚目のカットですが、晴海通りを歩いてほど近い距離にある、勝鬨橋までやって来て、そこで何枚か撮ったのですが、まずは橋の威容を表現すべく、いつも通り晴海方向に向け、通行人が多そうな頃合いを狙って全景図を撮ってみたもの。

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十三枚目のカットですが、天気も相当良く、気温もそこそこ穏かだったので、川沿いのテラスでは思い思いに寛ぐ人々の姿が目に付いたのですが、橋のほぼ真下付近で、何故か、縄跳びで親子?団欒を楽しむ三人組の様子がなかなか幸せそうに見えたので土手の上から一枚戴いたもの。

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十四枚目のカットですが、これも鎮守様へのお参りの功徳か、なんと一日で二回も河口へ向う下り方面の水上バス「ヒミコ」の姿を橋の上から目撃したのですが、これは勝鬨橋の上からちょうどやってくる姿を認め、橋の中央部付近で余裕を持って待ち受け、何カットか撮ったうちの一番大きく写っているもの。

今回の感想ですが、実は、Nikkor5cmf1.4S・CはSマウントのものや自分でL39に換装したもの合わせて4~5本は有ったと思うのですが、某八丁畷のハイテク修理業者さんで徹底的にレストア受けてフレア退治した個体を除いては、どれも開放では、湯気が掛かったが如きフレア&低コントラスト大会で本家ゾナー5cmf1.5に較べて、とてもスナップになんざ使おうという気も起きなかったのが正直なところですが、いやはや、この約35年間の眠りから醒めた銘玉は本家ゾナーとがっぷり4つに組んでも負けないですし、それを上回る目的で当工房でレストアしたJupitar3よりもまだ性能良いとの印象を受けました。
これからも事有るごとに有り難く大切に使わせて貰おうと思いました。

さて、来週は、また秘宝館からにはなりますが、先のICS世界の中古カメラ市でなかなか面白いレンズを買えましたので、その実力や如何に?ということでレポート致します、乞うご期待!!
  1. 2015/03/08(日) 23:11:19|
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從懷舊回憶鏡頭~Olimpus PenF Zuiko Auto-S 38mmf1.8~

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さて、今週のご紹介は、Olimpus PenFの標準レンズZuiko Auto-S38mmf1.8をアダプタ経由、筆頭愛機X-Pro1に繋げて先週末の横浜パシヒコで開催されていたCP+にて、いたいけなイベントコンパニオン嬢の小姐各位を撮影したものをお送り致します。

このレンズ、ハーフサイズの一眼レフ、オリムパスペンの標準レンズとして、1963年に発売され、135判換算で55mm相当の画角とf1.8という気持ち明るい開放値でかなり有用なレンズだったようです。

構成は5群6枚、第二群の凸と凹を分離して会田に空気界面を入れるという、ヴォイクトレンデルで云えば、プロミナント用等の50mmf2、ライツで云えば、ズミクロン初代と固定鏡胴の前群と同じ造り付けとなっています。

ところで、今まで、何故かオリムパス製品が登場することなかったこの工房のブログに突如として、ハーフサイズ一眼レフの標準レンズなどという、最もオリムパス濃度の高い製品が登場したのでしょうか?

それは、今を遡ること35年近く昔の出来事ですが、実家の近所に一人暮らししていた遠縁のおぢさんが、物心付かない頃からよく遊んでくれ、長じてからは勉強みてくれたり、或いは人としての心構えみたいなもの、教養有る人間の使わざるべき言葉遣いに至るまで、何から何まで範を示してくれたのですが、不出来な小生が地元の一流校に潜り込んだのを見て安心しきったのか、体調不良を訴え入院した先での検査結果は末期の胃ガン、入院中意識があるうちに交わした最後の言葉が「ヒロシ君に水飲ませて貰って嬉しいね・・・」。その数日後に意識混濁し帰らぬ人となってしまったのですが、その人のメカ好きが受け継がれたようで、小学校高学年の頃、その人の愛機の数々を羨ましがっていたら、「もっと上手くなったら使わせてやるよ」そんな話しもしていて、亡くなった頃には気が動転していて、すっかりこんと忘れていたのですが、今年に入り、その本家を取り壊す際の片づけをしていた、うちの老母が二台のカメラを納戸から発見し、その当主である従兄弟からの承諾のもと、"本来の継承者"である小生の下にやって来たということでした。

では、その実力をさっそく確認して参りましょう。撮影条件は全コマ開放による絞り優先AEです。

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まず一枚目のカットですが、山手地区での洋館街撮影後、レンズをこちらに交換し、CP+会場に乗り込んで、JCIIブースに表敬を終え、さぁ、これから時間一杯撮りまっしょぃということで、鵜の目、鷹の目、出戻りフォトグラファーさんと会場徘徊し、まず一番初めにミニ撮影会状態だったブースの前でカメコに混ざり一枚戴いたもの。

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二枚目のカットですが、次なる撮影場所は、さすがCP+、カメラ、レンズだけぢゃなくてIT機器の企業も複数出て来ていたようで、たぶん、外付けポータボーSSDみたいなストレージ系の会社ブース前で、如何にも今日は幕張、明日はパシヒコ、週が明けたらビックサイト、みたいな雰囲気を纏ったいかにもジャンル不問のプロの展示会場の華ですわよってカンジの小姐二名がカメコの撮影に応じていたので、砲列に混じって一枚戴いたもの。

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三枚目のカットですが、やっと知ってる企業の一つであるタムロンブースの前に来たら、清楚な小姐が店番していた割にはカメコ、カメ爺の類いも僅少で、やる気になったので、声を掛けて、短いレンズ持ちの特権である、息が掛かるくらいの至近距離でほぼマンツーマン撮影会のノリで一枚戴いたもの。

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四枚目のカットですが、新製品にも少なからず興味があったので、出戻りフォトグラファーさんと、台風の目のひとつとも云えるCanonさんのブースに乗り込み、ブース内では展示してあるカメラと内臓SD以外での撮影が禁じられていたので、一休さんの頓知ぢゃあるまいが、撮影条件的には最悪に近い、ブース外側商品展示のイルミ板前に佇む美形小姐に声掛けて一枚撮らせて貰ったもの。

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五枚目のカットですが、CanonとくればNikonということで、新製品情報、というか出ると云う噂だけ先行していた、135判ミラーレスの噂の検証なりしようと、出戻りフォトグラファーさんとNikonブースに向ったのですが、ここでも、やはり出展機材以外のブース内での撮影はご遠慮下さいってことで表でカタログ配布と呼び込みやってたいたいけな黄色と黒の清楚で美形の小姐に声掛けてモデルさんになって貰ったもの。

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六枚目のカットですが、またしても会場を徘徊していたら、中小のブースながら、大手にも負けず劣らずの人だかり、但し、カメコ、カメ爺の類いが大挙してたかっていたところが目に付いたので、隙間から覗いてみれば、何と金の鯱鋒の付裳神みたいな、小柄ながら肉感的な肢体とK-POPによくありがちな目鼻のパーツがLサイズの派手な小姐が銀色の小姐と一緒にポーヂングなんかして撮影タイム状態だったので、隙間から入り込み、それなりのポヂションを確保して数枚撮ったうちで、何とか前を向いたもの。

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七枚目のカットですが、確かエプソンのブースに行こうと移動していた途上、笑顔のカンジが良い小姐と眼が合ったので、立ち止まり、その三脚とか、カメラバッグを商うブース前でモデルさんになって貰ったもの。

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八枚目のカットですが、先のカットを撮ったすぐ近くで、やはりバッグからスタヂオの照明セットみたいなものまで商う中小ブースで弦楽四重唱でも演奏しそうなコスチュームに身を包んだ健気な小姐がまばらなカメコ達の餌食、もとい、モデルさんになっていたので、眼が合ったときの笑顔の雰囲気も悪くなかったので、声掛けて一枚撮らせて貰ったもの。

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九枚目のカットですが、当日、というか、今年入ってから撮った小姐の中ではダントツ一位の美形ではないかと思えるほどの美しい小姐が台湾系の用品メーカーのブース前で、声を掛けてくれる人もなく、スタッフ達とお茶挽いていたので、眼を爛々と輝かせて近寄って行ったら、故ナンシー関みたいなブース係員の大姐が、「写真撮りたい? どぞどぞ♪」てなカンジでお膳立てしてくれたので必殺の一枚を戴いたもの。

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十枚目のカットですが、またしても著名メーカーである、"ペンタリコ"ことリコーのブース前でなかなかイケてる巻髪の小姐が色っぽい目線なんざ飛ばしながらカタログ配布しつつ、ブースへの勧誘を行っていたので、声掛けてモデルさんになって貰ったもの。

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十一枚目のカットですが、出戻りフォトグラファーさんと次なる目的地である富士フィルムブース移動途上にサンデスクというSDカードメーカーのブースがあり、なかなか艶やかな小姐達がお店番をされていたので、カメラの砲列を向けるカメコ達に交わって一枚戴いてみたもの。

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十二枚目のカットですが、やっと目的地の富士フィルムのブースに着き、ここもブース内では、何と富士フィルム製であろうと、ライカ製であろうとペトリ製であろうと、「展示品以外の私物カメラでの撮影はご遠慮下さい」、なので、ここでもブース外、或いは境界付近を徘徊するいたいけな案内係の小姐にX-Pro1をあたかも水戸黄門の印籠宜しくこれ見よがしに見せて、怯んだ隙に一枚戴くという手法で撮った一人目。

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十三枚目のカットですが、同じく富士フィルムブースで行きがけの駄賃とばかり、ブースの周辺部でお客であるカメ女数名に説明を終え、安堵の表情でブース内部へ帰還しようとしていたところを目ざとく見つけ、ここでもX-Pro1のヘヴィーユーザーだす、とか云って背景紙の前まで連れ出し、強制モデルとしたもの。

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十四枚目のカットですが、最後の目的地、EPSONのブースを探して会場を徘徊していたら、何かアングラ臭のするブース前で、いかにも素人カメコ集団のシェア撮影会にバイトで出てまーす♪というオーラの漂う、健気と云うかそこはかとない頑張ってる感の滲み出た小姐がビラ配っていたので、声掛けて一枚撮らせて貰ったもの。

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十五枚目のカットですが、今回のもう一台の愛機EPSON R-D1sの実家訪問ということで、EPSONのブースをやっと探り当て、カメラ完成品無きブースでプリンタやら、EVFアッセンブリなんか見て地味な気分になる前の景気づけとばかり、店先でひまわり娘みたいな笑顔をふりまくいたいけな小姐に声掛けて一枚戴いたもの。

今回の感想としては、実は前の晩、機材点検していたら、絞りのすぐ後ろの面がうっすらと曇っていたので、前、後群ともレンズブロックから外し、バラせるだけバラしてクリーニングしたのですが、だいぶ良い結果が得られたのでは、と個人的には思いました。もう一本も昨日、築地でテストしたら望外の描写結果を叩き出してくれましたし・・・

さて、次回は今年入って初の工房製品で度肝抜かせて戴きます、ご覚悟を、もとい乞うご期待!!
  1. 2015/02/22(日) 15:45:36|
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A clumsy optics meets fashonable town~W-Nikkor28mmf3.5~

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さて今宵のご紹介は、地味ながら開放から眼をひん剥くような高性能を発揮する、日本光学製の銘玉W-Nikkor28mmf3.5いきます。
このレンズ、実はタイから帰ってきて、向こうのカメラ屋がなんでも餞別代わりということでタダ同然で譲ってくれたContaxIIaの交換レンズが欲しかったのですが、ツァイス製で28mmなどというとf8とかピンホール並みに暗くて食指が動かなかったので、35mm以下は事実上互換性有るということで買ったもので、もうかれこれ15年以上前には所有していたことになります。

しかし、ContaxIIa自体が使いずらく、その内爪の標準レンズですらニコンS2で問題なく使えることが判ると次第に稼動が落ち、また、内側のレンズブロックハウジング兼距離計連動シャフトが太過ぎるためベネズエラ製S-MカプラでMマウント化は容易に出来るものの、Mマウントボディ側のコロが上手く動かず、結局は同じ28mmではやはり高性能のCanon28mmf2.8とElmarit28mmf2.8三代目に出番を譲っていた、というのが実情です。

発売は1952年のニコンSマウント、ライカLマウントの2タイプ、構成は4群6枚の対称型で両外側の1群ずつが貼り合せといういわゆるトポゴンタイプです。

では、さっそく、今回も当日の行動に沿って、実写結果を見て参りましょう。ロケ地は先週の代官山へ移動する前の中目黒から西郷山公園下までです。カメラはX-Pro1、全コマ絞り開放による絞り優先AEモードで撮影しています。

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まず一枚目のカットですが、さすがおっされ~な東急沿線の街、中目黒、駅前の景色からして他の沿線とは違う!ということで、キースヘリングか草間彌生かと思えるようなデザインで、重厚な金属板をレーザーかヲーターヂェットで切り抜いたようなイケてるオブヂェが目に付いたので、緑濃き駅前の佇まいを背景に一枚戴きました。

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二枚目のカットですが、これまた中目黒駅前の景色ですが、ここでも金属板を切り抜いた抽象的なオブヂェが壁面一杯に飾り付けられている地下自転車駐車場へのらせん通路中央のエレベータシャフトとその背景にある、どことなくバベルの塔っぽい雰囲気を醸し出す区内屈指の高層マンション「アトラスタワー」の威容をモチーフに一枚撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、中目黒駅の南側、古くからの商店街へ続く道に面したところに建っている、築うん十年?の老舗の酒屋さんの軒先の、えもいわれぬ風合いを醸し出す銅製の雨樋と重厚な木造の店舗建屋の佇まいを捉えてみたもの。

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四枚目のカットですが、中目黒駅前から中目黒川沿いに次なる目的地、西郷山公園を目指そうと歩き出してすぐ、東急系ショッピングマートの駐輪場で、いたいけなプードルともシーズーとも見える犬が自転車のカゴに放置され、震えながら、声を限りに飼い主を呼んでいたようなので、あまりにいじらしく、つい近寄って、頭など撫でたついでに一枚戴いたもの。

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五枚目のカットですが、目黒川伝いの道路を歩いて行ったら、前々から「Exile」なる芸人集団のメンバーがよく目撃されるという橋の近くにうら若き小姐、アガシの類いの姦声が聞こえてくる一角が有ったので、気になって確かめに行ったら、そのものずばり、「ExileStation」なる吉本劇場とかAKBシアターに喩えられるような歌舞音曲の類いを演じて木戸銭徴収するような施設が出来ていて、やはり芸人の影には女人有り!ということで健気な小姐、アガシの類いがたむろしていたので、正々堂々向こう正面から一枚戴いたもの。

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六枚目のカットですが、勝手知ったる目黒川沿いの散歩道、だいたいの撮影スポットは何となく頭に入っているので、その辺りを注意深く睥睨しながら歩いていくと、有った、有った、マンション1階部分の鉄筋コンクリートの壁面にあたかもマッサンがウイスケを仕込む時に使った樽木の如き枯れたカンジの木材のデコレーションがおっされ~な雑貨店の軒先に何らかの蔓性植物が冬の木漏れ日を浴びてイイ影を落としていたので、ほぼ最短に近い距離で一枚戴いたもの。

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七枚目のカットですが、ここも前カットと同じマンション1階の定番撮影スポット、鉄道時計?をメインのモチーフとして背後の川沿いの道や隣の建物の軒先に置かれたベンチで暫しの休息を取るヂモテー各位を後ボケとして写し込んでみたもの。

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八枚目のカットですが、川沿いの道を更に上流に進んで行くと、或る橋の袂に、いたいけな巨大ムク犬が繋がれたまま、行き交う善男善女をせわしなく眼で追いながら、飼い主の戻りを待っていたので、またすかさず近くへ歩み寄り、頭など撫でて敵意が無いことを示し、いざ!とばかり少々離れて一枚戴いたもの。

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九枚目のカットですが、目黒川沿いの散歩道を福砂屋東京工場/店舗のところで右に折れ、西郷山公園を目指すのですが、その途上にとても素人家とは思えない、武家屋敷と前衛住宅をDNAレベルでごっちゃにしたような面白い建物があり、その玄関?横の低めに仕上げられた蜜柑の木と信楽焼風の甕の取り合わせが何となくアーティスティックに見えたため、ちょいと失礼と監視カメラに一礼して一枚戴いたもの。

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十枚目のカットですが、そこそこ急な坂道の階段を登って、西郷山公園の頂上広場に出ると、居ました、居ました長閑にシャボン玉なんざ楽しんでいる若い夫婦者とその童子達が目に付いたので、さっそく小走りに駆け寄り、旧レンズのテストやってるんで、シャボン玉やってるとこ撮らして、とか頼んだら、即快諾、ハイポーズ!となったもの。

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十一枚目のカットですが、ここ西郷山公園では結構、ヂモテーで鷹揚な人々が遊びに来ていて、細かいことは気にしないようなので、白人の家族と日本人の家族が、公園内の遊具で無心に遊ぶいたいけな白人童子をネタにスマホンで写真撮ったり、はやし立てたりして愉しげに過ごしていたので、ここにもダッシュで駆け付け、拙者にも一枚撮らせては貰えまいかと、うろ覚えのイタリア語で話し掛けたら、あっけなく、イーですよ、ドゾドゾ♪と云うことで一同苦心してポーズさせて撮った必殺の一枚。

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十二枚目のカットですが、西郷山公園から代官山駅方面へと続く旧山手通りに抜ける出入口の正面には、有名なフレンチのグランメゾン、「マダムトキ」の瀟洒な一軒家が眼に留まりますが、その手前歩道脇でニューヨークスタイルのホットドッグバンが店を開いていて、頭をキレイにGIカットした白人の中年パパさんが逆マッサンとばかりに公園内のベンチで待つ優しそうな日本人の奥方といたいけな童子にホットドッグと飲み物なんざ購っているところを撮ったものです。
でも、お金を払う時、顔を上げ、マダムトキの建物を暫し眺め、また下を向いたのは、いつかは愛する家族と最高級のグランメゾンでゆったり食事をしたい、と願ったからでしょうか。

今回の感想ですが、やはりミラーレスという暗箱はやはり写真に於ける革命ではないかと思いました。何とならば、距離計連動で使おうとすれば、専用ボディでのフィルム撮影に伴う難行苦行がつき物で、ライカMタイプのデジタルRFでは距離計連動機構が働かず、撮影には使い物にならなかったのに、そもそも距離計連動を必要としないミラーレスであれば、クロップ拡大機構をフル稼働させれば、絶対焦点面での撮影になるので、光学系の100%近い実力が発揮出来る・・・

いずれにせよ、この21世紀の魔法の暗箱によって、その真価を改めて発揮する銘玉が次々出てくるのではないかと期待しています。

さて、次回更新は、これまた工房附設秘宝館から、徹底的なOHを受け、居眠りレンズの汚名を見事、その真の実力で払いのけた欧州は焼き物の里からやって来た35mmのテッサータイプの玉のレポートお送り致します、乞うご期待!!
  1. 2015/02/08(日) 21:00:00|
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Looking like enough classic but fully advanced~Voigtländer Ultron28mmf2~

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さて、今宵のご紹介は、超弩級レンズの飛び入り記事への差し替えがあったため、一週遅れで、期待の星、デヂタル世代のネオクラシックの旗手とも云うべき、長野県産Voigtländer銘のUltron28mmf2のご紹介いきます。

このレンズ、云わずと知れた、Lマウント時代のVoigtländer銘Ultron28mmf1.9Asphericalの後継機種として、Mマウントで開放値を0.1落とし、しかも非球面の採用を見送ってリリースされました。

ただ、その一見、グレードダウンとも思える、地道な仕様変更の結果、1センチ近く短くなったコンパクトな外観と、レンズ枚数を寧ろ増やした(7群9枚→8群10枚)ことによる収差補正メカニズムの変更(レトロフォキュ→対称)により、非球面不採用では最優秀との呼び名も高い、ライツのElmarit28mmf2.8三代目をも凌駕し得るが如き凄まじい描写性能を開放から叩き出します。

また、デヂタルとの相性という観点では、先の台北ツアーでも大活躍をしましたが、今回、陽加減の難しい午後の下町で、APS-HのCCDを持つ、一世代前とは言え周辺画質にはシビアなM8と組むことで、その性能の一端でもご紹介出来れば、と思い、今回の記事を企図した次第。

では、早速当日の行動に沿って、実写結果を見て参りましょう。ロケ地は清澄白河から押上経由両国、撮影条件は全コマ開放による絞り優先AEです。

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まず一枚目のカットですが、撮影前に清澄白河と森下のほぼ中間西部にある、「みや古」さんにて、名代深川めしご膳を戴き、しかるのち、下町の「アンデルセン人魚姫像」とも呼ばれる?大川沿いの「松尾芭蕉坐像」を捜して移動途中の雄大な大川河畔の光景を河口付近に向って一枚撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、大川端の松尾芭蕉の庵が在ったとされる場所の程近い堤防上の設けられたちょっとしたミニ史跡公園みたいなところに鎮座まします句聖芭蕉の坐像で、この時間だと、一番見栄えが宜しい大川方面を背景にしてくだんんの像を撮ろうとするともろに天空の太陽が画面に入り込んでしまうので、影に入りつつ、何とか太陽を正面からずらし、背景がそこそこ見られる位置を割り出し、しかも手フードでハレ切りしての撮影でした。

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三枚目のカットですが、前カットの芭蕉像のちょうど反対側、方角では北東方向の民家壁面にくっついた形で設けられた、木賊(とぐさ)と古めかしい甕の図で、ちょうどひとつの構図の中で斜めに日向と日陰が区切られた格好になっているので、面白いと思い撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、永年の課題、芭蕉の座像を大川をバックにして撮る、なんちゃって「アンデルセンの人魚姫」写真を成し遂げた満足感一杯に次なる目的地、清澄白河駅前のアールデコ調長屋商店街の撮影に向うべく、萬年橋を南に渡る際、ちょうど光線の加減により、鋼の質感がかっちり捉えられるような気がしたので、一枚撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、萬年橋を渡り、深川稲荷神社の前を通って、清澄通りに向う大通りで、やはり句聖芭蕉に縁が有ると云う古刹が在って、なんとそこの銅製の屋根というか屋上部分から張り出したオブジェが蛙が何かの葉にとまった格好を180°引っ繰り返した配置で、これも青空をバックになかなかの見栄えだったので、軒下までお邪魔し、一枚戴いたもの。

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六枚目のカットですが、ここも深川に居を構えて数十年、やはり気になってはいたものの、なかなか写真を撮るのに適した時刻に訪れたことが今だかつてなく、今回が初の撮影となった、清澄白河駅前というか、清澄庭園に張り付いた格好のアールデコ調の長屋兼住宅の様子です。

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七枚目のカットですが、清澄白河駅から大江戸線に乗って、次なる目的地というか撮影ルート、両国~スカイツリー~押上~両国のため、両国駅を降り立ってすぐのシャッター通り商店街の閉まったままの薬局前で、子供達に囲まれて華やかなりし頃の夢を見つつまどろむが如き、SS製薬のマスコット遊具の姿を一枚撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、両国から適宜シャッター切りながら散策すること30分弱、やっと東京スカイツリーの真下に着き、藍白という、白をベースに極僅かに藍色が混ざった色に塗られた、高張力鋼の極厚・極太鋼管のトラス構造物が夕陽に染まり、無機物とは思えないような何とも云えない温かみの有る色加減で屹立していたので、またしてもその雄姿を下から収めてみたもの。

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九枚目のカットですが、スカイツリーの展望台行きエレベータ乗換え地点の屋上広場で、黒人の親子が記念撮影なんかやってたんで、声掛けてお邪魔をするのもなんなので、ちょいと失礼とばかり、オモニの後ろに回り込み、便乗撮影とばかりに一枚戴いたもの。

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十枚目のカットですが、スカイツリータウンの展望台行きエレベータ乗換え地点の屋上広場には、臨時オープンと思しきスケートリンクがあり、その北方向の寒そうな空をバックにスケートリンクの看板にピンを合わせ、全景を撮ろうとしたら、いきなりひゃぁ~とかいうズタ袋を裂くような悲鳴とともに、いたいけなうら若き小姐が工房主の目の前に飛び込んで来たので、偶然とは云え、面白い構図となったもの。

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十一枚目のカットですが、夕焼けをバックに十間川に水面に映るスカイツリーの優雅な姿など撮ろうと、頃合いを見計らって、スカイツリータウンから押上駅を経て、亀戸方面へ向って歩く途中、これまた夕陽を照り返すスカイツリータウンのビルの雄姿を下から撮ってみたもの。

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十二枚目のカットですが、十間川の北側には、スカイツリー効果の地価上昇もものかわ、まだ古い店舗や住宅がぽつぽつと残っていますが、その川沿いの古めかしいモルタル造のイエローベージュの店舗兼住宅の前を家路を急ぐ、冬支度の健気な母娘が自転車で通り過ぎて行ったので、これ幸いと一枚戴いたもの。

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十三枚目のカットですが、川面に映るスカイツリーの雄姿を捉えるべく、橋が有るたび、スカイツリー方面を眺め、ついでファインダを覗くのですが、いやはや28mmの広角でM8のAPS-H換算の画角では37mm程度になってしまうため、300~400m程度離れた程度ではとても、水面の全景と実態の全景を写し絵としてひとつの画面に収めることは難しく、程々のところで、川を跨ぐ歩道橋が在ったので、そこの上から一枚撮ってみたもの。

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十四枚目のカットですが、スカイツリーの全貌の撮影も終え、んぢゃ錦糸町でスィーツでも食べてから両国まで歩きまっしょう♪ということで、押上方面から錦糸町のランドマークであるオリナスの高層ビルを目印に適当な道筋を辿って移動する途上で、妙に西方面に開けた裏通りがあったので、「止まれ」をモチーフに一枚撮ってみたもの。

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十五枚目のカットですが、錦糸町駅前ロッテホテルでのスィーツタイムの後、両国まで徒歩で移動する途上、緑の壁面と
大きなガラスのショーウィンドに並べられた色とりどりの洋酒、そして大胆な屋号の真っ白けなペイントが面白かったので、一枚撮ろうとしたら、店の人が出て来て写り込んじゃったって図です。

今回の感想としては、うーん、先の75mm、35mm、そして今回の28mmと、何処かのホームセンターのキャッチコピーぢゃないですが、「お値段以上・・・」という言葉が最適のように思えます。

少なくとも、鏡胴の材質や仕上げ、刻印は言うに及ばず、操作フィーリング、硝材やコーティングの色合いまで、工房で保有する唯一のコシナ製ZeissレンズであるBiogon25mmf2.8に全くヒケを取りません。

そして、写りはご覧の通り、M8とのコンビで丸一日、開放で撮影しても、全く馬脚を出さないどころか、肉眼で見た以上にドラスティックで迫力あり、繊細な画を吐き出してくれます。

まさにまた次のレンズも欲しくなる出来栄え、個人的にはそう結論付けました。

さて、次回のご紹介は、久々の工房作品とは云っても、だいぶ前に出来上がっていて、なかなか発表の順番が回って来なかっただけというのが実のところですが、距離計連動の広角レンズでのおっされ~な街撮り行きます、乞うご期待!!
  1. 2015/01/25(日) 21:00:00|
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Like Corolla but with remarkable talent~Accura Diamatic 35mmf2.8~

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さて、今宵のご紹介は工房附設秘宝館から、国産の輸出専用無銘レンズ Accura Diamatic35mmf2.8となります。
この個体、かつて新宿の中古カメラ屋の格安M42コーナーで買い求め、あまりにもヘリコイドがスカスカ、そしてレンズ内部には汚れと大量の内面反射という、とても撮影に使うような状態ではなかったのを工房でオーバーホウルして、何とか使えるようにしたものです。
分解出来ない箇所も一部有ったので、正確な構成は判りませんが、最前群がかなり強烈な凹レンズだったのと最後群が前玉に比して相当小さかったことから、レトロフォキュに属する設計ではないかと思われます。
製造はおそらく1970年代はじめで、米国の販売店網向けのOEMとして、シグマが製造したシリーズの広角ラインだったと言われています。

では、早速、実写結果を見て参りましょう。
カメラはEOS1DsMKII、絞り優先AEでの開放撮影、ロケ地は下総の国佐倉です。

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まず一枚目のカットですが、目的地の武家屋敷通りには、JRの駅からの方が格段に近かったにも関わらず、京成の方からアプローチしてしまったので、山越えで歩く羽目となり、それでも何か面白げな被写体はないかと鵜の目鷹の目探しながら歩いていたら、偶然見つけた、鬼太郎の妖怪ポストも裸足で逃げ出しそうな異様なオーラを放つ郵便受けがあったので、通りすがりに一枚戴いたもの。

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二枚目のカットですが、千葉県随一の歴史的風致地区を誇る佐原には及ばないまでも、ここの街にも江戸時代くらいから続くと思われる古建築はちらほらと見られ、京成駅前の観光案内所で教えて貰った、ルートを辿っていたら数軒、風格有る住宅が目に付き、ここは通りに面していたのと、玄関軒下の電球笠が何ともレトロな佇まいだったので、軒下まで歩み寄り、下から見上げる格好で一枚戴いたもの。

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三枚目のカットですが、通過点の目印である佐原の鎮守様の前を一礼して通り過ぎたら、即効性のご利益か、何とも、イイ面構えの古民家に出くわし、その玄関周りでひと際目を惹いた赤い花を咲かせた植栽と、その背景の水道周りの様子を一枚撮らせて貰ったもの。

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四枚目のカットですが、ほどなく目的地の武家屋敷通りに着き、一軒目で適当に撮影させて貰えばイイやということで、奮発して210円の入場券を買い、中に入ってすぐ目に付いた、素晴らしく手入れの良い母屋をバックに、慎ましく実をつけた南天の木を一枚撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、さすが武家屋敷、濡れ縁周りのデテールにも抜けがなく、素晴らしく造作の良い、手水石と、その上に渡らせた竹、そして風雪に耐えた柄杓、そんな藤沢周平ワールドっぽい雰囲気を一枚撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、続いて同じ濡れ縁から屋敷内の座敷の様子を一枚撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、暗くて撮影にはちょっとというカンジの土間、賄い場を通り抜け、板塀と漆喰のコントラストが得も云われぬ良い雰囲気を醸し出していたので、屋敷裏側から座敷へ続くにじり戸周りの様子を一枚撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、秋も深まり、葉もすっかり色づき、そして殆ど落ちてしまった広葉樹の枝越しにとても風情の有る茅葺屋根と屋敷周りを撮ってみたもの。

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十枚目のカットですが、ここも縁側ですが、先ほどの手水石の有った南側ではなく、東側の長い縁側の全景を入り口側から広角の威力を活かし撮ってみたもの、フルサイズ機は広角が広角で使えるから助かります。

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十枚目のカットですが、素晴らしく手入れの良い茅葺屋根の構造を仔細に捉えるべく、本来は古いレンズとデジタルの組み合わせでは鬼門とも言える曇天を入れたアングルで軒下から一枚撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、武家屋敷を一通り見終えて、なおも、武家屋敷通りを突き当たりまで歩いてみたら、何と、雀のお宿に辿り着きそうな風情有る竹林の小径に行き当たったのでアングルを工夫して撮ってみた必殺の一枚。

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十二枚目のカットですが、その竹林の小径を下り、JR駅への道を辿りながら、なおも被写体を捜していたら、道に面した畑とも荒地とも着かない開けた土地の一角に植わっていた背の低い柿の木に幾つかなっていた柿の実が夕陽に照らされ、とても秋の風情に満ちていたので一枚戴いたもの。

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十三枚目のカットですが、個人的には本日のベストショットだと思うのですが、駅へと向う細い道が川沿いの道に合流した辺りで黄色い小さな無数の花を咲かせた植物の群生が目に留まり、ちょうど、西の方向が開けていたので夕暮の空をバックに一枚撮ってみたもの。

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十四枚目のカットですが、JR駅まで辿り着き、さて中に入って、江戸表へ戻ろうかいな・・・とかもういっぺん街の方を見渡したら、なんと、駅前の倹しいロータリーに季節はずれのひまわりが結構な数咲いていたのが目に留まり、そこそこの交通量が有ったにも関わらず、ダッシュで渡り、一番、背景が煩くなさそうなアングルで一枚撮ってみたもの。

さて、今回の感想ですが、正直、ここまで出来るとは思っていませんでした。
コーティングもテカテカ光るカンジですし、それは最前面のみならず、小さな最後面も同様、確かにハイライトがきついアングルではフレアというか、内面反射によるコントラストの低下が著しいカットも何枚かありましたが、この時代のレンズに共通の特徴というか、日陰、或いは夕暮れ時になると、現代の最新レンズにも勝るとも劣らない素晴らしい描写を発揮してくれ、車に喩えれば、まさにカローラも攻めたら凄い走りだった・・・という印象でした。

さて、次回は工房作品から何かご紹介致しましょう、何が出るかは乞うご期待!!
  1. 2014/11/02(日) 21:07:51|
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One of riddles in the history of Japanese optics~Auto Miranda E 50mmf1.4~

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さて、今宵のご紹介は、予告通り、工房附設秘宝館から、AE-1ショックにより、1974年12月10日、そぼ降る氷雨の朝にひっそり息を引き取った伝説の光学機器メーカー、ミランダの最後の銘玉、Auto Miranda E 50mmf1.4の実写レポートをお送り致します。

まずはこのレンズの産まれですが、1972年から倒産した年の1974年の間のかなり後期に作られたものと考えられます。

実は、ミランダは、色々なメーカーからレンズの供給を受けていて、良く知られているのが、Zunowこと帝国光学、そしてZunowが倒産ののちにはケロヨンことコーワ、そして、この晩年近い時期に発売された、当時でもトップクラスの描写性能と考えられる、この50mmf1.4はセコールこと世田谷光機からのOEM供給品と考えられています。

構成は6群8枚、とはいっても、先週、鮮烈なデビューを果たしたNOKTON35mmf1.4SCのような、2群の後ろに曲率の緩い凸レンズを対向配置するいわゆるズミクロン8枚玉構成ではなく、L1の前とL6の外に一枚ずつ凸を増やした、現代の一眼レフ用大口径レンズにはよくあるタイプの構成です。

では、早速実写結果を見て参りましょう。 今回のロケ地は乃木坂の裏通りと翌日、Sundayphotographerさん、SKさんNoctoのOさんと回った本郷菊坂町です。

カメラは全コマ、X-E1での絞り開放AEです。

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まず一枚目のカットですが、当日は午後遅くまで国立新美術館でチューリヒ美術館展を観ていて、そこから、富士フィルムのギャラリー目指して歩きながら見つけた、たぶん、イタリア料理かなんかのレストランの窓際の格子と植栽の組み合わせが何となく、心に響くものがあったので、一枚戴いたもの。

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二枚目のカットですが、そのレストランの向かいのブティックかなんかの壁に、年季の入った錆び付いた錨がさりげなく立て掛けられていたので、最短距離付近で背後のガラスブロックのテクスチャなんかも意識しながら一枚戴いたもの。

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三枚目のカットですが、乃木坂からミッドタウン経由、麻布十番まで歩き通し、陽もとっぷりくれて、街の灯が恋しい時分になって来たので、十番商店街を歩きながら、ところどころで撮ってて、或る交差点、たぶん、豆源さんの前辺りで、ふと眼を凝らしたら、先方から垢抜けたハーフっぽい小姐が闊歩してくるのが見えたので、交差点に差し掛かったところで一枚戴いたもの。

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四枚目のカットですが、翌日、愉快な仲間達と本郷菊坂町へ街撮りに出掛けた際、まず肩慣らしとばかり、一番最初に訪れた「金魚坂」さんでの、いかにも幸せそうな親子揃っての金魚釣りの図。

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五枚目のカットですが、このとこと定番と化した、「金魚坂」さん東側エントランスが面した路地で看板をメインとし、背景にイイ案配に歳月を経たアパートを配して一枚戴いたもの。

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六枚目のカットですが、本郷菊坂町の三大名所筆頭、樋口一葉の井戸の真上に有る木造集合住宅を井戸の傍らから、見上げるアングルで一枚撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、その木造集合住宅の階段を登り、見下ろす方向で右手建屋の壁際というか、階段の端にいつも立て掛けられている木製の梯子を上から一枚撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、木製集合住宅と背後の崖との間の細い路地伝いには、狭いスペースを上手に活用し、色々な植栽が植え込まれていたのですが、一番、鐙坂方面への出口近くの住戸壁面から下がった蔓になっていたみずみずしいゴーヤを路地を背景に一枚撮ってみたもの。

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九枚目のカットですが、鐙坂を登り、金田一耕助一家の家の上の路地の奥まった位置に建っていた、これまた年季の入った木造住宅の佇まいを路地とそこに植わった植栽ともども一枚戴いたもの。

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十枚目のカットですが、少し遅めのお茶タイムをしようではないか、ということで愉快な仲間達ご一行様と、言問通りまで出たのですが、なかなか茶店が見つからず、その途上で見つけた、何故か心惹かれる雰囲気の壁面僧職があったので、みんなで仲良く撮ったうちの一枚。

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十一枚目のカットですが、お茶してからまた菊坂下通道りを撮りながら歩いて本郷三丁目まで戻る途上、一部、来たルートとは別の裏通りを通ったのですが、或る場所で、ちょうど北側の空が開けた路地の入口に千両みたいな植物が沢山の種を実らせていたので、これまた最近接付近で一枚撮ってみたもの。

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十二枚目のカットですが、また菊坂下道通りに合流し、樋口一葉の井戸の在る路地手前まで来たら、先ほどは見落としていた、ラッパ状の黄色い花を咲かせた植物の様子が曇り空を背景になかなか洒脱に見えたので一枚撮ってみたもの。

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十三枚目のカットですが、菊坂下道通りを歩いていると、ところどころに菊坂上道通りとの連絡階段兼大雨時の水路が見られるのですが、或る階段が、何故か尾道の山際の路地裏の階段みたいでとてもイイ雰囲気だったので、見上げるアングルで一枚撮ってみたもの。

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十四枚目のカットですが、住戸の主以外は、全部売り物です!みたいなことを謳って、Everyday Low priceならぬ、Everyday フリーマーケットと称するファンキーなアパートが菊坂下道通りに面して建っていますが、そこでの新入荷?の象の飾り物が妙に背景の壁の抽象画風ペイントとマッチしていたため、最短距離で一枚戴いたもの。

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十五枚目のカットですが、ここも定番と化している、菊坂町から、春日通りに面している、アーリーアメリカン風のダイニングカフェ店頭の看板的オブヂェ、真っ赤な消火栓の全貌を店先を背景に一枚撮ってみたもの。

さて、今回の感想ですが、乃木坂、本郷以前にもこのレンズはちょこちょこ使いましたが、特に低照度での描写がすばらしく、色気さえ感じさせてくれるような表現力ではないでしょうか。

このユニークなメーカーも、勿論、マミヤもペトリも、国民みんなが豊かになり、それなりに趣味にお金が使えるようになり、更に中国を中心にアジアの購買力が飛躍的に向上した今、多様性が求められる環境になったとも云えるので、この会社が雲散霧消した、或いはコンシューマーズマーケットから撤退した、というのは返す返す残念で仕方ありません。

そういった意味では、またしても写真レンズに舞い戻ってきたケロヨンレンズこと、コーワには否が応でも期待せざるを得ません。

さて、来週は何か工房作品をご紹介しましょう。何が出るかは乞うご期待。
  1. 2014/10/19(日) 21:00:00|
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Newest born but doubtlessly classic~Classic Nokton35mmf1.4SC~

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さて、今週のご紹介は、先週の予告通り、信州は中野市のりんご畑ならぬ、今や押しも押されもせぬ、世界のカールツァイス社の実質的な写真用レンズ量産工場となっているコシナ製Classic Nokton35mmf1.4SCのレポートをお送り致します。

このレンズ、今を去ること2008年1月に、コシナが、自社の光学技術を世に問うべく、歴史的なレンズ構成を最新の光学設計技術と硝材で再現する、というセンセーショナルな触れ込みでリリースしたもので、要は、ライツの歴史的にも、中古価格的にも評価の高いズミクロン8枚玉の構成で、その上位機種たるズミルックス35mmf1.4のスペックを実現したというものです。

個人的には、コシナ自体が某コピー機メーカーと組んでプラスチック製の安物光学機器を量産したり、歴史的なレンズの名前使って、そこそこの性能で、仕上げや耐久性はイマイチのようなラインアップ組んでたりと、あまり良い印象を持ってはいなかったのですが、3~4年前にZMマウントのビオゴン25mmf2.8を買ってみて、その造り、そして描写も、ライツ製品にひけを取らないレベルであると感じ、そして今年の潮来あやめ祭り向けの明るい中望遠の新調にクラシックヘリア75mmf1.8を買い求めてみれば、ツァイス製品にも匹敵する描写と造りの良さに驚かされ、次の獲物として狙っていたのが、この明るい準標準、35mmf1.4だったのです。

では、マルチコートとモノコート、同じ値段なのに、何故、好き好んでモノコートを買ったのか、ただのモノ好きなのか・・・さにあらず、買い求めた某量販店で、見本品、販売用在庫品の数点を仔細に検分したところ、何と驚くべきことに、後ろ玉の大きさ、曲率が他の個体と全く異なっていて、あたかも別誂えの光学系であるかのような仕様に思えたのが、新入荷のSC、即ちモノコート版だったからです。

では、その驚異の描写性能、深大寺での行動に沿って、検分して参りましょう、カメラはX-Pro1、全コマ絞り開放、絞り優先AE撮影です。

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まず一枚目のカットですが、Tessar35mmf3.5T*に次いでテスト撮影を行った、深大寺窯さん店頭の陶製タヌキの置物の整列姿で、ピンは手前から二匹目の目に合わせています。

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二枚目のカットですが、ここも同じく、深大寺窯さん店頭の陶製風鈴が涼しげに並ぶ様子をモチーフにお店を背景として撮ったもの。

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三枚目のカットですが、ここも例に拠って例の如し、深大寺窯さんと並ぶ「美人小姐茶店 八起」さんの庭園の道路際に置かれている蹲の涼しげな様を一枚撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、ここも毎回お馴染み、深大寺城址公園に登って右奥、ちょうど深大寺側の隅っこの方に慎ましく群生している、「巨大昭和枯れすすき」ことバンパグラスの穂越しに空を入れて、「この樹、何の樹、気になる樹」方面を撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、まさにお待たせといった感無きにしも有らずの、深大寺城址の館跡を示す柱石のモニュメント列を斜め手前から撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、至近距離のみならず、イメージサークルの縮む、無限近くでの被写体も見てみないと、デジタルとの相性を語ったことにはならないので、城址公園の南方向に少し歩いて、公園名物のなんちゃって「この樹、何の樹、気になる樹」を入れた公園広場の全景図を撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、或る意味、今回の撮影で一番やりたかった被写体、構図で、秋の深大寺名物のひとつ、彼岸花の最短距離での描写で、運良く、珍しい白彼岸花が咲き、それが、群生の列の先頭に植わっていたので、白を主役として撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、深大寺城跡公園から降りて来て、下の神代水生植物園の水田の畦にもあちこちと彼岸花の美しい群生が見られたので、鳥避け網と城址公園へ登る道の雑木林を背景に、これも最短域付近で撮ってみたもの。

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九枚目のカットですが、これもお馴染み神代水生植物公園名物のミニ湿原を跨ぐ観覧歩道のウッドデッキの質感再現とボケの推移を見るべく、遠方に伸びる方向に向けて撮ってみたもの。

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十枚目のカットですが、神代水生植物園は4時入場終了、4時半閉鎖ですから、ほどほどに切り上げて、もう一方の撮影スポット、門前茶店街に戻り、いつも如く、人工光源が目立つ頃合いになった八起さん店頭の、秋風になびく「ラムネ」の幟をモチーフに繁盛する店頭を背景として撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、同じく八起さん店頭の山門側、ちょうど深大寺窯さんの店頭前辺りから、各種団子、饅頭類を慌しく調理、販売している妙齢の小姐に秋の夕陽が当たってイイ案配だったので、一枚戴いたもの。

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十二枚目のカットですが、ここも秋の撮影スポット、手打ち?蕎麦「嶋田屋」さん店頭のコスモス植栽と羅漢石像の図、小生が撮ってた背後から、ミラーレスやら、スマホンやら持った老若男女の観光客や物見遊山客までもが並び、同じアングルで交替して撮りだしたという、極めて判り易く一般受けする構図での一枚です。

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十三枚目のカットですが、山門脇に一対並ぶ石灯籠のうち、Tessar35mmf3.5T*は山門向かって右を撮ったので、こちらは左のものを下の茶店街を背景として至近距離撮影してみたもの。

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十四枚目のカットですが、金正男みたいなちょっと人相風体の宜しくない中年パパが、なかなか愛くるしいいたいけな極小姐を連れて茶店街を散策していて、門前茶屋さん店頭で鬼のように親子で試食している様がなかなかユーモラスで印象的だったので、横からさっと一枚戴いたもの。

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十五枚目のカットですが、これも山門へ登る石段下向かって右側に植わっていたすすきの穂にピンを合わせて、無辜の民が山門を潜ろうとせんとするさまを勝ち構えていて、捉えたもの。

さて、今回の感想ですが、う~ん、正直、買わない理由が無くなっちゃいました・・・言い方換えれば、タガが外れかねない、とも云えそうです。

今までは、新しいレンズであれば、AE-AFのものを買うのと変わりないし、そちらの方が決定的瞬間を撮れる確率は高まるので、今出来のネオクラシックレンズなんざ買う価値無しと思い込んでいたのですが、よくよく考えてみれば、ライツのネオクラシックなら買うのに何故コシナはダメか、という内なる声に、やれ写りが違うだの、やれモノとしての出来が・・・とか尤もらしい理由をこじつけてきたのですが、やはり良いものは良い・・・次もまとまったお金が入ったら、広角で何か一本欲しいと思っています。

さて、次回のご紹介は今週末、「Charleyとレンズ工場」のウンパルンパならぬ、愉快な仲間達と冒険した本郷菊坂町での街撮りレポートをお送り致します、乞うご期待!!
  1. 2014/10/05(日) 21:00:00|
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現代光學創建的長矛~Classic Heliar75mmf1.8~

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さて、先週末は野暮用が立て込み更新が大幅に遅くなってしまいましたが、今回のご紹介は予告通り、工房附設秘宝館から、ブランド力は無くとも、質実剛健な描写性能を発揮する、Voigtraenderシリーズの名脇役? Classic Heliar75mmf1.8を取り上げます。
このレンズ、栄枯盛衰が激しいコシナのレンズラインアップにあって、今だカタログ落ちしておらず、細々と生産は継続そいているらしく、会社サイトで紹介を見ることが出来ます。

そちらに詳しく書いてあるので、ここではその特徴のみに留めますが、要は、そのHeliarの名の示す通り、3群6枚のトリプレット発展型で3群全てが凹凸貼り合せの色消しになっているということです。

では、早速その実力のほどを検証して参りましょう、今回は新たに撮り下ろしてるヒマなかったので、先の「潮来あやめ祭り」からのストックフォトからの抜粋です。カメラはX-Pro1の絞り優先AEモード、全コマ開放撮影です。

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まず一枚目のカットですが、当日は休日の土曜日だったので、週末恒例の潮来嫁入り舟が運行されることとなり、14時の部でそこそこ良いポジションが取れたので、向こう正面から、お花畑の中を幸せ一杯、パレードしてくる花嫁が通り過ぎながら、笑顔で親族と思しきパンチパーマのお行儀悪い爺ぃとその係累に挨拶した瞬間を捉えたもの。

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二枚目のカットですが、無事花嫁一行が埠頭まで到着し、そこから、ザッパ舟に乗って、花婿さんが待つ、大川端のテラスみたいなところに漕ぎ出していくところをダッシュで移動しながら川岸から撮ったもの。

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三枚目のカットですが、無事、嫁入り舟運行も終了し、夕方前に宿へ一旦戻る迄、園内を徘徊し、面白そうな画を求めていたのですが、昨年も写真撮らして貰って、少しばかり顔見知りになったようなカンジの小姐を交えた、あやめ娘の園内巡回に遭遇したので、声掛けて、いずれが菖蒲か杜若、とばかりにきれいどころ揃い踏みで一枚撮らせて戴いたもの。

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四枚目のカットですが、園内の花畑のど真ん中で家族をモデルさんに、いわゆる"ヘン顔"記念写真撮ってる組が幾つか居たので、これだけおおっぴらにやってるんだから、お裾分けもしかるべし、とちょいと離れたところから斜め撮りしたもの。

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五枚目のカットですが、先のお祭りレポート時のものとは別のほぼ最短距離域でのお花畑のあやめのポートレートです。

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六枚目のカットですが、宿に戻る途中にふと目に留まった古刹の山門付近を振り返ったら、ちょうど、いたいけな若い小姐2名連れが山門の下で何かごそごそやっててセミシルエット状態になっていてイイ按配だったので、望遠の特性を活かし遠方から一枚戴いたもの。

今回の感想としては、おそらく価格ドットコムの最安値価格より安く買えたのですが、いやはや、値段とは裏腹に蕩けるような美しいボケや極めて忠実な発色、そして75mmという扱い易い焦点距離と標準レンズ並みのコンパクトで精悍な佇まい、これまでのコシナ製品への先入観を覆すには十分な製品で、また何か別の焦点距離の製品も買ってみようか、という気持ちにさせてくれるには十分なものだったと思います。

さて、来週は石岡祭り2014からのレポートお送り致します。乞うご期待!!
  1. 2014/09/10(水) 23:15:11|
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A descendant of the optic with outstanding fame after WWII~Sun Zoom 28-80mmf3.5-4.5~

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さて、今宵のご紹介は先週の深川八幡祭りで銘玉Ni Elmar3.5cmf3.5+R-D1sに伴走した、これまた国産黎明期の銘玉の子孫であるSun Zoom 28-80mmf3.5-4.5の試写結果をお送り致します。

このレンズは、おそらく1970年代の終わりから、80年代の中頃にかけて、主に輸出マーケット向けに供給されていた、普及版のズームだと思われ、新宿のジャンク店舗で発見された時は前群裏側にくもり、後群には絞りから跳ねたと思しき油染みのようなものが有ったことから、外観も前後玉も傷が殆どない状態で、工房主の一週間分のランチ代の半分程度のお値段で買えたものです。

しかし・・・この輸出用普及レンズのご先祖様は泣く子も黙るSun Sophia5cmf2であって、これはXebec銘共々、数年に一回、市場に出るか出ないかという超珍品で、描写性能も1945年当時ではライカに肩を並べるくらいの高性能さ加減でした。

しかし、次第に一眼レフ5社を頂点とするカメラメーカーのレンズ性能が向上し、またシステム化を旗印にした販売政策の厚い壁もあって、国内市場での生き残りよりは、海外に活路を求め、ボリュームゾーンであった欧米の中級以下のマーケット狙いの製品路線に転換したということでしょう。

では、早速、その往年のSunのズームの性能を見て参りましょう。

カメラはEOS20D 絞り優先AEによる開放撮影です。

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まず一枚目のカットですが、深川濱の工房兼住宅から永代通りに出るためには琴平橋という橋を渡らなければならないですが、あおの橋の上に祭りの太鼓屋台が待機し、渋めの年輩若衆が物憂げに遠い目をしていたので、80mm域で一枚戴いたもの。

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二枚目のカットですが、永代通りとの交差点付近にたむろする数々の観光客を縫って、やっと永代通りに出たら、すぐのところで、女性二名が威勢良く大太鼓の対面打ちをやっていたので、世話人に断って、真下付近まで入れて貰って、ファインダ越しに動きと表情を窺い、ここぞと云うところでシャッター切ったもの。

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三枚目のカットですが、太鼓屋台の真下は移動する各町会の動きも良く見え、ちょうど、太鼓屋台手前の放水陣地のところに差し掛かったとき、一行魁を歩くいたいけな小姐二名狙って、同年代の小姐が友情とおもてなしの心を込めた散水を行ったので、その瞬間を戴いたもの。

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四枚目のカットですが、太鼓社中に一旦別れを告げ、永代通りを西に向かって歩いていくと、神輿渡御の前が詰まっているらしく、小休止している町会の神輿が眼に止まったので、眼を閉じ、容赦無く降り注ぐ冷水を浴びながら、ひたすら出番を待つ担ぎ手を前ボケとして配置し、一枚戴いたもの。

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五枚目のカットですが、また暫く進み、道の北側で別の町会の神輿を待ちながら最大望遠域である80mmで、まだだいぶ遠くの神輿を狙いシャッター切ってみたもの。

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六枚目のカットですが、目の前を通り過ぎる町会の行列の中で、紺一色お誂えの袢纏の中で、まだ若いパパに肩車して貰っていた赤い袢纏のいたいけな極小姐のずぶ濡れになりながらも力強く前方を見据える表情が心惹かれたので、一枚戴いたもの。

今回の感想ですが、20Dという10年以上前の機種にもう30年は経とうかという古い普及ズームの組み合わせでしたが、なかなかどうして、斜入光によるコントラスト低下等の古いレンズにありがちなクセを掴んでしまえば、Ni Elmar+R-D1sみたいな怪物コンビには敵わないまでも、こういうイベントの記録には十分戦力となることが判りました。

さて、来週は工房作品のご紹介行ってみましょうかね。何が出るかは乞うご期待!!
  1. 2014/08/24(日) 21:00:00|
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Taste of meister's skill~Short Elmar3.5cmf3.5 restored by Yamazaki's Labo. & F.G.W.G~

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さて、今宵のご紹介は、お盆休み明け第一発めということで、長い間、防湿庫に控えたまま、出番の無かった、Ernst Leitz Elmar3.5cmf3.5の前期ショートモデル、通称ニッケルエルマーを当工房で、山崎光学写真レンズ研究所の多大なるご協力のもと、レストアした希少レンズのご紹介いきます。

まず、云わずと知れたニッケル仕上げのエルマーは1936年までの製造モデルに特定され、シリアルはレンズ押さえ口縁に刻印してありますから、1934年から1936年までの製造のようです。

このレンズ、たまたま、新宿西口の某大手カメラ量販店の中古コーナーで一万数千円で売られていたので、ヘリコイド取りのパーツにしようか、それとも、手元に数百有る、USSR製インダスター50のエレメント入れ替えてやろうかとか色々悪だくみをして、その足で、用向きの有った、大久保の名人のところへ持って行って、戯言のひとつでお買い物自慢したら、こんな貴重な玉をおもちゃにしたら罰当たりますよ!と云われ、光学ブロックは預からせて貰います、ということでそのままお預かり、そして、無限が全然出ていないとの評価を受けたどんがらの鏡胴のみ深川へ持ち帰り、よーぃどん!で並行レストアが始まったのでした。
工房では、まず光学ブロックの入っていた筒内の埃、錆びの類の研削を行い、そして黒色ニッケルメッキとグラファイト焼付け塗装による無反射化、そして、外側の傷だらけで擦り傷も多かったシャフト部とヘリコイド&マウントユニットを分離し、酸洗し、微粒子アルミナ系研磨剤で磨き上げた後、古色蒼然としたニッケルメッキを再び施したのです。
そして待つこと三週間弱、大久保で再生された光学ブロックと深川で再生された鏡胴を調整の上、結合し、往年の銘玉のレストアが完成したという次第です。

では、早速、その描写性能を深川八幡祭りでの各シーンで見て参りましょう。
カメラはR-D1s、絞り開放AEによる全コマ開放撮影です。

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まず一枚目のカットですが、深川八幡祭りの神輿社中の先導と云えば、金棒曳の小姐達ということで、永代通りを颯爽と進む、越中島一丁目の金棒曳の小姐達のお姿を一枚戴いたもの。

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二枚目のカットですが、深川八幡祭りの別名は「水掛不動祭り」というだけあって、沿道には水桶やら、ホースやら思い思いの得物を手に、祭り社中のご一行を待ち構え、目の前に差し掛かるや否や、一斉に放水の洗礼を浴びせかけるのですが、まさに大振りなモーションの割には可愛らしい、子供の砂遊びに使うような白い小ぶりのバケツで散水する壮年男性の雄姿を背後から一枚戴いたもの。

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三枚目のカットですが、通り過ぎる神輿と、先の男性と同じ砲列のホースによる散水部隊が、神輿目掛けて、弾幕ならぬ水のカーテンで放水し、びっくりしながらも、何処となく爽快そうな表情の先棒担ぎの兄さんともども捉えた一枚。

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四枚目のカットですが、神職らしき初老男性が、路上で神輿と付き添い歩く幼子を呼び止め、かがみながら、にこやかにこの真夏のの炎天下の祭りの感想などを聞き、そして励ますという、心温まる交流のシーンを捉えたもの。

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五枚目のカットですが、続々やってくる神輿の一群の中に同世代の童子達の姿を見かけると、放水陣地の童子達は血中アドレナリン濃度が急上昇するのか、大人達向けとはまた異なった手荒い歓待ぶりを発揮するので、その楽しげな様子を水が掛かる危険地帯もものかわ、決死の一枚として戴いたもの。

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六枚目のカットですが、目の前を続々通り過ぎる祭礼の行列を黙々と或る程度以上の距離から撮るのも能が無い話しなので、そこそこ器量良さげな中高生の小姐に声掛けモデルさんになって貰おうとして、ハィここに立ってね、チーズと云った次の瞬間、斜め横から出て来たいたずら中学生にバケツで水を掛けられ、おーっと、カメラに水が掛かると庇った次の瞬間にシャッター切ったもの。

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七枚目のカットですが、いたずらコンビに声掛けて何枚か撮らせて貰ったうち、神輿社中を目前に放水陣地守備隊の弾薬融通ならぬ、バケツの水のシェアを楽しげにやってる姿が後ろからみたら微笑ましかったので、一枚戴いたもの。

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八枚目のカットですが、放水陣地の童子達と遊んでいるうち、またしても、華やかな金棒曳の一群がしゃらり、しゃらりと歩んで来たので、ちょっとごめんよ、おぃおぃ、このお姐さん達には絶対水掛けんぢゃねーぞ、とか傍らで雑談にうち興じる親御さんに成り代わって注意を与え、永代通りの中央までダッシュして撮った決死の一枚。

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九枚目のカットですが、またしても定位置となった永代通り北側、八幡宮東側の放水陣地脇に控え、子供達混成軍の放水の餌食となるいたいけな祭礼参加者を待ち侘びてたら、来ました来ました、二人でくっちゃべりながらちんたらと神輿の後を歩いていたのを目ざとく見つかって、月に代わってお仕置きよ!とばかり子供達にホースで水をぶっ掛けられた、哀れな女子お不動二名様のお姿を有難くも頂戴したもの。

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十枚目のカットですが、放水陣地横に陣取っていると、時折、避けるどころか、侠気を見せようというのか、わざわざ陣地前で神輿を高く掲げ揉んで見せる社中が居て、目の前にも、スキンヘッドのこわもての兄さんが迫って来たので、本能的にシャッターを切ったら、結構良く写っているので、祭りの迫力を伝えるべく採用としたもの。

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十一枚目のカットは、放水陣地前で格好のパフォーマンスを披露してくれた町会への名残を惜しんだ餞別の如き盛大な放水を童子達が"せーの!!"で一斉に行ったので、その心意気に感じて、掛かる水しぶきもものかわ、至近距離で一枚戴いたもの。

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十二枚目のカットですが、神輿を担いで来て、何故か、放水陣地前で神輿の一群を離れ、陣地側に合流したうら若き小姐がなかなかカンジ良かったので、お声掛けして、祭りの熱狂渦巻く永代通りを背景に、ほぼ最短距離でモデルさんになって戴いたもの。

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十三枚目のカットですが、永代通りと琴平通りの交わる辺り、交通規制の最東端の辺りで黙々と、しかしながら盛大に祭り太鼓を叩くグループが居て、その中には、いたいけな女子中高生も居たので、励ましがてら声を掛けて、太鼓の屋台をバックにモデルさんになって貰ったもの。

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十四枚目のカットですが、R-D1sのバッテリゲージをそろそろ底を突き、本人も腹が減って来たので、木場ヨーカ堂でランチでも食べようか、と琴平通りを歩き出したら、もう神輿を仕舞に掛かる永代一丁目の町会ご一行様が後ろからやって来たので、遠方視力2.0の威力をフルに発揮し、社中一と思われる美形の小姐をスキャンし、停まったところですかさず声を掛け、神輿をバックにモデルさんになって貰ったもの。

今回の感想としては、昨日まで、田舎に隠遁してて、今朝には江都一の賑わいと気風と云われる深川八幡祭りです、いやはや、このギャップからなかなか撮影のカンを取り戻すのが大変でしたが、それでも、名人が精魂込めて敬意を払って再生した歴史的レンズの威力には、驚かされました。またR-D1sもカラーチャートで調整し直せば、まだまだカラー撮影でも行けそうです。

さて、来週はこのR-D1sと伴走したEOS20Dと珍しい国産ズームの撮影結果をお送り致します。乞う、ご期待!!
  1. 2014/08/17(日) 18:23:00|
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The scion of the nobility in Leitz Empire~Summicron50mmf2M~

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さて、今宵のご紹介は予告通り、Leitz Summicron50mmf2Mをお送り致します。

この全身を上品な梨地クロムメッキで覆われた、Elnst Leitz社の代表的標準レンズは、先にM3と共にデビューし、その解像性能の高さを世に問うた沈胴Summicron50mmf2の二代目として、1956年にバトンタッチしたものです。

構成は6群7枚で沈胴式と同じで、鏡胴のデザインのみ変ったと考えて良さそうです。

ところが、このレンズ、発売から60年近く経っているのと、化学的には安定性が良くない希土類を大量に含んだ新種ガラスをふんだんに採用したため、中玉に曇りの有るものが殆どで、この個体も強い白色光では薄っすらと認められるくらいの曇りが有ったため、相場の半額以下で入手出来たものです。

おいおいしかるべきところに修理には出すとして、今回は、工房に入ったままの状態での大正~昭和へのタイムスリップ行です。

ということで、ロケ地は本郷菊坂界隈、カメラはM8で絞り優先AEでの全コマ開放撮影です。

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まず一枚めのカットですが、本郷三丁目の地下鉄駅を降り、記憶を頼りに旧菊坂町界隈を目指し、そこで見覚え有った「金魚坂」の入口付近に在る、良い案配に歳を経た住宅が目に付いたので、流れる雲をバックに一枚撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、一枚目の味の有る住宅の側面を、「金魚坂」の店舗方面へ裏通りを進みながら、その隣接住戸ともども一枚戴いたもの。

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三枚目のカットですが、記憶を頼りに辿り着いた「金魚坂」で見た目も涼しげな金魚達が水槽の中から歓待してくれているようなカンジがして思わず嬉しくなったので、水中の金魚達にピンを合わせ一枚戴いたもの。

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四枚目のカットですが、敷地の東側、建物脇の通路のようなスペースで金魚すくいに没頭していた父娘x2の家族連れの姿が目に留まったので、まだ若いちょいコワモテのヲヤヂさんに「お嬢ちゃんの金魚すくいしているところ、一枚撮らせて貰ってイイですか?」と声を掛け、どーぞ、どーぞってことでお言葉に甘え一枚戴いたもの。
撮影後に背面モニターで金魚すくいにうち興じる娘さんの姿をご覧戴いたら、コワモテのヲヤヂさんが破顔していたのが印象的でした。

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五枚目のカットですが、また菊坂方面へ撮りに戻るため、「金魚坂」の北側の出口から出て、坂を下りる途中、お店の看板と古い住宅の屋根、そして夏の青空が奇妙なハーモニーを奏でているように見えたので一枚戴いたもの。

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六枚目のカットですが、樋口一葉も使っていたとかいう鐙坂脇の古民家のところに有る井戸とその奥の江戸百景ともいえるような斜面を利用した木造集合住戸を目指して菊坂通りを歩いていたら、これもまた古い住戸が見えたので、植栽越しにその古めかしい玄関周りの様子を一枚戴いたもの。

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七枚目のカットですが、これもお目当ての井戸と路地の近くで北側の空に沸き起こった入道雲と蔦の絡まった古めかしいアパートの側壁のコントラストが面白かったので一枚戴いたもの。

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八枚目のカットですが、菊坂通りの途中に在った禅宗の古刹の山門へ繋がる階段の道の脇に見事な紫陽花が咲いていたので、背景のボケ具合いも確かめたかったので一枚戴いたもの。

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九枚目のカットですが、菊坂通り名物?のサイケアパートですの雄姿です。確か前回、初めて見て、驚き、何カットかR-D1sで撮ったのを思い出し、移ろい行く東京の都心で、今も変らぬ姿のままでいることを何故か嬉しく思いました。

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十枚目のカットですが、これも狭い裏通りの何処かノスタルジックな家並みを背景に紫陽花が見事に咲き誇っていたので、その可憐な姿を至近距離で撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、まさに数年前、都心のこんな造作の建物群が残っていたことを発見して狂喜乱舞した、本郷固有の斜面を利用した鐙坂東側の集合住宅群の佇まいです。

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十二枚目のカットですが、その集合住宅群のミニ長屋とも云えそうな廓の内側から下からは向かって左側の住戸の玄関横に生えているヤツデの葉を透かして、下の樋口一葉の井戸のある長屋界隈を撮り下ろしてみたもの。

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十三枚目のカットですが、その集合住宅群の廓内にお邪魔し、その路地の様子を鐙坂方面から可憐な紫陽花越しに撮ってみたもの。

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十四枚目のカットですが、鐙坂の途中に開いた廓の門から出て、坂を下り、再び菊坂通りに戻って歩いていたら、これも那覇のやちむん通りの路地裏ぢゃあるまいし、元々が渋い配色とデザインの上にイイ歳の取り方をして、優美に枯れた住戸が在ったので、玄関回りの佇まいを一枚戴いたもの。

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十五枚めのカットですが、目ぼしい目標は殆ど撮り終え、そろそろ空模様も怪しくなって来たので、本郷三丁目の駅に戻ろうかいなと、元来た菊坂通りを戻っている時に、緩い坂の斜面にきれいなプランターで季節の花々を植えていたマンションがあったので、その前まで来て、プランター越しに下の坂の様子を一枚戴いたもの。

今週の感想ですが、う~ん、正直驚きました。都内でノスタルジックなエリアと云えば、まずは月島、佃、そして曳舟から東向島というのが、通り相場だとばかり思っていたのですが、しかし、数年ぶりに本郷菊坂界隈を訪れてみれば、大正から昭和初期の住戸がかなり高い頻度で現在も使用され、残っているではないですか・・・

聞くところによれば、押し寄せる観光客や心無いカメラマンらに地元の人々も迷惑と思うことも多々有ったそうで、こういう稀有なエリアは、街並みを残す並々ならぬ努力に頭を垂れ、心してお邪魔しようと思った次第です。

さて、来週は工房製改造レンズのご紹介いきましょうかね、このM8と併走で実写終ってますから、天候フリーで予定通りアップ可です。乞うご期待!!
  1. 2014/06/29(日) 19:59:18|
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A forggoton ace of classic lens in F.G.W.G.~Summicron50mmf2~

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さて、今宵のご紹介は予告通り、長年、というか一番最初に買ったライカレンズにも関わらず、シネヘリゴンをはじめとする改造レンズを使いこなすまではネームバリューに怖気づいて、ずっと防湿庫の肥やしとなっていて、使い出してからも、他のレンズに先を越され、これまで一回も秘宝館コレクションとして紹介されることのなかった悲劇のエース、1979年登場の二代目、4群6枚プラナータイプのSummicron50mmf2Mのご紹介です。

まぁ、ぶっちゃけ、このレンズの諸元や由来なんざつらつら書いても手間掛かって、読者各位も退屈してしまうだけなので、早速実写結果いってみましょう。

場所は今を去ること2009年GWの那覇、カメラはご覧のM4Pサファリ、フィルムはIlfordのXP2、要はカラープロセスC41で手軽にモノクロを楽しめるヤツです、はい。例によって例の如く、全コマ絞り開放です。

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まず一枚目のカットですが、那覇と云ったら、やはり首里城ですが、その首里城の裏手に位置する、金城町の石畳道もかなり有名な観光地で、その絵葉書等で何万カットも撮られたであろう、有名な石敢富の横手から遥か下を行くカップルを見下ろしたものです。

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二枚目のカットですが、金城町の石畳道降り口よりちょい下にある、高台から那覇港方面を見渡せるオッサレー♪なカフェの全景図を撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、金城町の石畳道の中腹くらいの広場に面して建っていて、金城町の集会所になっている古民家の軒下から縁側方向を撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、石畳道中腹のガヂュマルの樹が有る広場でいたいけな童子達が、一足早い夏をエンヂョイせんと、天然石の椅子に腰掛け、クー♪とか云いながら、冷たい缶ヂュースなんか呷ってる姿を戴いたもの。

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五枚目のカットですが、首里城南側の裏道、崎山町の辺りの月極め駐車場とも、ただの私設公園ともつかないちょっとした広場のガヂュマルの樹に吊り下げられていた、250kg爆弾の不発弾を平和利用したと思しき鐘?の姿を撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、首里城エリアからゆいレールで那覇市内に戻り、牧志公設第二市場方面に向かって、国際通りを歩いていたら、如何にも那覇のロコ小姐みたいなお二方が前に現れたので、これ幸いにと一枚後ろから戴いたもの。

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七枚目のカットですが、牧志公設第二市場へ向かうむつみ橋通りだったか平和通りだったかの路上で、楽しそうに語らい合う若いパパさんとその友人が居たので、まずは撮らして貰い、さすがに黙って立ち去るのも何なので、会釈して、撮りましたよ、と知らしめてからその場を後にしたときのもの。

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八枚目のカットですが、牧志公設第二市場の入口付近で、果物屋さんの店番手伝ってんだか、つまみ食いするために鎮座ましましてんだかワケ判らん童子が居たので、買い物客のオモニの背後に紛れての一枚。

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九枚目のカットですが、牧志公設第二市場でおそらく一番有名で人気あり、実際何度も撮らせて貰ったことのある、魚屋のおばぁのお姿を斜め後ろから一枚戴いたもの。

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十枚目のカットですが、市場の中で観光客が品定めをする姿を、手薬煉引いて、気合入れて待ち侘びるヲヤヂさんの勇姿をモチーフとして撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、同じく公設市場の食肉売場で、観光ガイド片手の若い観光客カップルと楽しげに談笑する中年ブッチャー氏の朗らかな姿をモチーフとして撮ってみたもの。

Summicron50mm_012.jpg
十二枚目のカットですが、地元の若き有閑マダム予備軍みたいな小姐が、同じような年回りのお店の小姐と、完全に世間話モードに入って寛ぎ放題のところをモチーフとして一枚戴いたもの。

今回の感想ですが、まだこの頃はKentmare100のような上質なクラッシックの風合いを再現出来るモノクロが無かったので、まぁ銘玉もこんなもんですが、近いうちに海外ロケででも銀塩モノクロ撮影もやってみたいな、とも思いました。

さて、次回は工房作品から久々の話題作行こうかな、乞うご期待!!

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  1. 2014/03/09(日) 22:24:24|
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Like a Poltergeist!!~Porst50mmf1.2~

Porst50mm-1.jpg
さて今宵のご紹介は、予告通り、工房附設秘宝館からいきなりの大物、旧小西六製のレヴィアタンことAR Hexanon57mmf1.2と相並び、バケモノじみた描写性能を発揮するPORST50mmf1.2の登場です。

このドイツの写真機材業者PORST銘で売られていたボディ、レンズとも、80年初頭では、富士フィルムが自社製品と同じAXマウントで供給しており、この50mmf1.2もご他聞にもれず、もはや超レアアイテムと化し、同時期のニコン、キャノン、ミノルタ、アサペン、オリムパスの球面50mmf1.2よりも中古相場が高くなってしまっているフジノンAX50mmf1.2のOEM版です。

構成は7群7枚ということで、プラナー派生型が多い一眼レフ用交換レンズとしては珍しく、貼合わせ面皆無のユニークな設計となっています。

なお、このレンズ、AX→Mの非連動アダプタですら発売されていないので、またしても工房にてワンオフで製造したもので繋いでいます。


では、早速実写結果見て参りましょう。撮影条件は例に拠って例の如く、全コマ開放、ロケ地は、いずれも昨年秋の撮影で、1~7枚目までが江ノ島、8~10枚目が佃島となっています。

Fujinon50mmf12_01.jpg
まず一枚目のカットですが、江ノ島の「あの鐘を鳴らすのはアナタ」という海の見える丘の上の鐘を午後の穏かにたゆたう海面をバックに撮ってみたもの。
デジタル固有の現象として、輝度差の大きな輪郭部には、被写界深度の浅いレンズということもあり、極僅かにパープルフリンジ的な線も見えなくはないですがそれでも、これだけ、ハロもなくクリア且つシャープに写るのが、40年近く前の市販レンズというのは驚きです。

Fujinon50mmf12_02.jpg
二枚目のカットですが、この鐘の鳴る丘の鐘台座部に有る「恋人を一生拘束しまっせ」とかいう世にも恐ろしい弊習を具現した、鍵だらけのフェンスを被写界深度の浅ささを示すため撮ってみたもの。
ピンが合っているゾーンだけ帯状にキチンと結像し、当然のことながら、アウトフォーカスの前後はボケていますが、シャープさのお釣りとして、後ボケは結構ざわついた二線ボケ大会と化してしまっています。

Fujinon50mmf12_03.jpg
三枚目のカットですが、岩屋洞窟方面へ降りる「行きはヨイヨイ、帰りはコワイ」階段へ続く道沿いにある瀟洒な茶店前で、いたいけな小姐2名が入ろうか入るまいか、青春に付きものの迷いを体現していたので、これ幸いに、とお店の佇まいもろとも一枚戴いたもの。
画面は小姐達のお召し物をはじめ、反射度も低く、色も黒から暗色系統だったので露出はプラス目に掛けたのですが、そのお釣りで縁台上の白いビニールパックの餅菓子上の物質のテクスチャがフレアとともに吹っ飛んでしまいました、

Fujinon50mmf12_04.jpg
四枚目のカットですが、愛すべき写友のSundayphotograperさんが、たびたび、近所の郷社のうさぎ像を登場させてくるので、それに対する返歌として、かめ像の登場です。
最短撮影距離付近で、ピンは鼻先に合わせていますが、極めて薄い被写界深度のエフェクトで、あたかも「安堂ロイド」のウージングアウトで時空の歪から実体化してくるようにも見える面白い画になったのではないかと思いました。

Fujinon50mmf12_05.jpg
五枚目のカットですが、岩屋洞窟からサムエルコッキング園方面へ戻る双丘の階段辺りで被写体を待っていたら、如何にも健康さが売り物ですよぉという雰囲気の関西からの小姐2名が横を通り過ぎていたので、EVFで追尾しながら、頃合いを見てシャッター切ったもの。
開放から十分シャープなのは云うまでもないですが、歩行の瞬間を高速シャッターで的確に捉えていて、しかも大口径特有の擬似望遠効果でなかなか風情の有るカットになったのではないかと思いました。

Fujinon50mmf12_06.jpg
六枚目のカットですが、この江ノ島では捨て猫が多いことが有名なのですが、このサムエルコッキング園近傍もご他聞に漏れず、猫の一大棲息地になってまして、石垣の上から獲物を狙うが如き鋭い視線で睨んでいたのを睨み返しつつ、えいやっと一枚撮ったものです。
EVFの10倍クロップ拡大による精密射撃ですが、まさに猫の瞳に合わせたら、背景のブッシュも、手前の石垣もボケて、ちょっとしたネイチャーフォトのテイストになったのではないかと思いました。

Fujinon50mmf12_07.jpg
七枚目のカットですが、片瀬江ノ島の海浜公園で遊ぶ親子連れが目に留まったので、そうそう、この日は人物一回も撮ってなかったなぁ・・・とか思い、ノルマを果たすべく、「なかなかモデルさんになってくれる方が見つからなくて」とか愚痴めいたリクエストをたら、私達でよければどうぞ、と快く撮らせて戴いたもの。
ピンはいたいけな極小姐の眼で合わせていますが、何せ頑是無い乳幼児のこと、せわしなく動きますから、シャッター切った瞬間、後ろにズレ、ヲヤヂさんの幾星霜経た貫禄有るご尊顔のテクスチャの精密描写になってしまったというヲチ。

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八枚目のカットですが、江ノ島訪問の翌週、写友Sundayphotograperさんと月島、佃界隈撮ってたとき、佃の舟溜りの救命用浮き輪がイイ年月経てたので、オブジェとして一枚撮ってみたもの。
ここでもEVFによる10倍クロップ拡大モードでの精密射撃ですが、全くf1.2クラスに付きもののハロがなく、却って、背景がシャープさのお釣りとも云える、芯有りのざわついたボケというのが意外性有って面白いと思いました。

Fujinon50mmf12_10.jpg
九枚目のカットですが、佃では超有名な中華の名店「麗江」さん店頭に整列した甕汲み出し紹興酒の空き甕をオブジェとして撮ってみたもの。
まさにこの甕の行列みたいなものが腕の優劣が出るような被写体ではないかと思い、いつも、出かけるたび、違うレンズで撮る角度や構図変えて、練習のつもりで撮るよう心がけています。

Fujinon50mmf12_11.jpg
十枚目のカットですが、「麗江」で甕を撮ってた遥か先、佃小橋上で七五三の記念写真撮ってた家族が居たので、ダッシュで駆け寄り、親御さんに出演交渉し、モデルさんになって貰ったもの。
しかし、作業服来た、目つきの鋭い中年ヲヤヂに巨大なレンズを向けられ、本能的に危機感を感じたか、傘を持つ両手で何かガードしているような、また硬い表情のカットになってしまったのが残念でした。

今回の感想としては、やはり高性能EVFが売り物でミラーレスにあっては比較的大ぶりでホールド性の良いX-Pro1でこそ、何とか街中スナップで使えますが、やはり被写界深度も極端に浅く、またX-Pro1の1/4000ではピーカンの日中では苦しいかも知れないようなので、難度の高いレンズだと改めて思った次第です。

さて、来週はローテ通り、工房作品のレンズ紹介いきます、何が出るかはお楽しみ、乞うご期待!!

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  1. 2014/02/14(金) 23:00:49|
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Levithan in the history of Japanese Optics~Konica AR Hexanon57mmf1.2~

さて、今宵のご紹介は予告通り、工房附設秘宝館のコレクションから、新春早々、超大物いっちゃいます。

その名もAR Hexanon57mmf1.2、国産レンズの中でも最大級の大きさと重量を誇るスーパーレンズです。

このレンズ、今は亡き小西六から、1960年代後半に発売となったARシリーズの目玉レンズのひとつとしてラインアップされました。

しかしながら、当時、国内では俗に言う「システム一眼5社」の牙城は崩すことが出来ず、結局は欧米を中心とした輸出に販路を求めたらしく、この弩級標準レンズをはじめ、Hexanonの珍品は国内ではまずお目にかかれず、あったとしても、逆輸入品であることが殆どのようです。

構成については分解したことがない上、物故メーカー製品なので反射面と絞りの位置から推定せざるを得ないのですが、おそらく絞りより前が2群3枚、絞りより後が3群4枚の5群7枚という、いわゆるズマリットタイプではないかと思われます。

ただ、並みのズマリットタイプと違うのが、このレンズの怪物たる所以なのですが、今なお恐るべき線量を誇る、アトミックレンズなのです。

噂には聞いていましたが、通関に2週間以上かかり、おかしいなと思ったのも束の間、夏の非ICSの中古カメラ博で面白半分に会場にハンディシンチュレーションカウンタ持込んでいた筑波の研究者のオッパーに測って貰ったら、これまでのアトムレンズのレコードを桁違いの値で塗り替え、「人体への影響はともかく、CCD,CMOSに接近して置いておくと画素抜けの危険性有り」ということで、今は鉛シートの中で単体保管です(苦笑)

では、国産光学史上屈指の怪物クンの実力を見て参りましょう。

今回のロケ地は横浜、中華街からみなとみらいを散策しながらのスナップ、ボディはX-Pro1、絞り優先AEによる全コマ開放撮影です。

Hexanon57mm.jpg

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まず一枚めのカットですが、石川町から中華街に入り、すぐのお店の「Sale」の白抜き文字にEVFのクロップ拡大で置きピンし、通行人を狙ったもの。このくらいの距離であれば、後ろを通る小姐もギリギリ被写界深度に入っているようです。

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二枚目のカットですが、中華街の入って暫く歩くと、公共駐車場ビルの近くの交差点でゴマ団子だかを売っているお店が有り、その小姐がなかなか好感度高い笑顔で接客していたので、少し離れた距離から一枚戴いたもの。ピンは物売り小姐の髪の分け目辺りで合わせましたが、シャープな売り子の姿に対し、お客のオモニはなだらかにボケています。

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三枚目のカットですが、中華街の至るところで焼き栗の類いを売っていて、以前にも押売りに近い商法で問題になりましたが、ここは見るからに健全な小姐が、愛想良く道行く人々に味見をして貰いながら焼き栗を売っていたので、ついつい声を掛けて、う~んと迷っていたので中国語で撮ってもイイ?と聞いたら、反射的に「好、是!」と答えてくれたので、一枚戴いたもの。殆ど1mくらいの位置からの撮影ですが、目でピンを合わせたので、顔の各パーツまではピンが合っていますが、髪に半分以上隠れた耳は完全にボケと化しています。

Yokohama_004.jpg
四枚目のカットですが、関帝廟そばの路上で、店の前に立ちながら、あれが食べたい、これが食べたい、と口を尖らせ、オモニとアヂュモニに要求を行う、ちょっとおませな極小姐の姿が勇ましかったので一枚戴いたもの。ピンは極小姐の髪に合わせていますが、距離がそこそこ有ったので背後のアヂュモニも十分被写界深度に入っています。

Yokohama_005.jpg
五枚目のカットですが、中華街最大のランドマーク、関帝廟を守るコマ獅子の雄姿をほぼ最短距離で撮ってみたもの。
ピンは向かって左の鼻の穴周辺に合わせていますが、それほど鼻が高くないのが幸いし、眼まではなんとか被写界深度に入っていますが、頬からピィンと背後に反り返った耳は完全のボケと化しています。

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六枚目のカットですが、久しぶりの訪問にも関わらず、なかなか得心のカットが撮れた中華街を後にし、赤レンガ倉庫を目指し移動する途上、日本大通りを過ぎた辺りのカフェの店頭で求愛活動?に勤しむネコの姿を撮ったもの。ピンは向かって左のネコが先に一匹で居たので、その眼に合わせていたのですが、瞬く間にファインダ-4内にもう一匹入って来たので、これ幸いとばかりシャッター切りましたが、二匹ともf1.2の玉とは思えないシャープさで捉えられ、ビックリしました。

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七枚目のカットですが、象の鼻埠頭の入口に昔から在るカフェの側面、港側に面した壁面に飾られた年代物の錨がイイ案配に錆びていたので、このレンズのシャープさを発揮させるべく至近距離で撮ってみたもの。さすがにハイパーロモ35mmみたいに最新の光学理論で作られたf2クラスの玉を凌ぐまでには至りませんでしたが、このカットを見てf1.2とは誰も思わないようなシャープさは発揮してくれたのではないかと思います。

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八枚目のカットですが、象の鼻埠頭から、赤レンガ倉庫へ向かう途上の公園広場のようなところに象の鼻をイメージした、愛くるしい仔象のオブヂェが有ったので、一枚戴いたもの。曇天気味とは云え、空を反射するツルツルのボディにもそれほどフレアを発せず、程好いシャープネスで質感を再現していると思いました。

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九枚目のカットですが、赤レンガ倉庫に着いたら、なんと、この期間、屋外の期間限定スケートリンクを営業していたのが目に留まり、シャッターチャンスを待ち構えていたら、欧風の赤レンガ倉庫から抜け出てきたような白人男性がこれまた外国風の洗練されたコミュニケーションスキルを発揮している国産女性とえもいわれぬ好き雰囲気を発していたので、倉庫を背景に一枚戴いたもの。ピンは男性の横顔に合わせていますが、被写界深度が浅かったため、ハイパーロモのように切り取ったような輪郭となならなかったですが、独特の距離感で以て描写していると思いました。

Yokohama_010.jpg
十枚目のカットですが、倉庫前面、大桟橋方向のグリーンハウスを入れて撮ってみたもの。ピンは出入口のガラス扉の向かって左側のガラスサッシの手前側の枠に合わせましたが、その前後の部分以外は前後ともイイ案配になだらかなボケとなり、ガラスと赤レンガという色合いも肌も違う素材のコントラストが面白い描写になったと思います。

今回の感想ですが、いやはや、このレンズ、びしっと決まると身の毛もよだつ描写を見せますが、EVFのクロップ拡大でもピンが合う部分はヘリコイドの回転で云えば、距離にもよりますが1度~3度という微妙なコントロールが必要で、まさにクルマで云えば、フェラーリかアストンのV12の車でヒルクライムをやるような難度だと思います。

さて、次回のアップは久々に工房製品の紹介でもいっちゃいましょうかね。乞うご期待。

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  1. 2014/01/26(日) 22:58:42|
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プロフィール

charley944

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今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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